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【WEB版】不遇職【鑑定士】が実は最強だった〜奈落で鍛えた最強の【神眼】で無双する〜【アニメ配信中!】  作者: 茨木野
後日談

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226/255

226.鑑定士、ウルスラと釣りをする

【※お知らせ】


コミカライズ最新話がこのあとすぐ、10/21の0時に更新されます!


マガポケで好評連載中!

コミックスは11/9に発売予定です!



 俺が極黒大陸で聖杯の欠片を回収してから、2週間ばかりが経過した。


 ミクトランの屋敷、その裏庭にあった湖の畔にて。


 俺は釣り竿を垂らして、のんびりとしていた。


「ふぁー……」


 次なる聖杯の欠片の場所は、あらかたの目星はついている。

 今はジャスパーが正確な位置を探ってくれている最中だ。


 その間の時間を利用して、俺は余暇を過ごしている。


「あ、アインよ……ちょっとよいか?」


「ん? なんだウルスラって……え? ど、どうしたその格好?」


 普段の学者風の服装ではない。


 お嬢様みたいなワンピースに、ボサボサで無造作に束ねている髪の毛は、ストレートヘアになっている。


 眼鏡を外し、帽子も外していると……本当に別人のようだった。


「た、たまにはいめ、イメチェンというやつじゃ。変……じゃろうか?」


 不安げに尋ねてくる彼女に、俺は感心したように言う。


「いや、すっげえ似合ってる。はぁー……変わるもんだなぁ」


「そ、そうかっ。ふ、ふんっ、もっと言葉を選べ愚か者がっ♪」


 ウルスラさんめっちゃ嬉しそう。

 彼女は俺の隣に座り込む。


「あ、アインよ」

「おうよ」


「は、腹減っておらぬか? ちょっとサンドイッチを作ってきたのじゃが」


「マジ? 助かるわ」


 そろそろ腹が減ってきたタイミングだったからな。


 ウルスラは嬉々としてランチボックスを膝上に広げて、蓋を開ける。


「ほ、ほれ。好きなのを取るが良い」


「さんきゅー」


 きゅうりサンドを手に取って、一口食べる。


「ど、どうじゃっ?」

「おう、うめー!」


 ほどよく塩気があるきゅうりと、バンズにぬったマヨネーズが実に合う。


「そ、そうかっ! それは重畳。たくさんつくったからの、たぁんとお食べ!」


 俺はウルスラの言葉に甘えることにして、彼女の作ったサンドイッチを頬張る。


「平和じゃのぅ」

「そうだなぁ」


 屋敷は田舎町にある。

 釣り竿に魚が食いつく気配はまるでない。


「のどかで良い町じゃ。ここで娘達と余生を過ごすのもよいだろう」


「そうだな。ま、それも聖杯の回収が終わってからだな」


 聖杯の欠片はあと2つ。

 どこにあるのかも定かではなく、しかもなぜか復活したイオアナも邪魔してくるという。


「不安か?」

「まさか。俺には最強の目と仲間がいるし。それに最強の賢者様もついてるからな」


 ニッと笑って、俺はウルスラの頭をなでる。


「頼りにしてるぜ、ウルスラ」

「う、うむ……」


 顔を赤らめて、彼女がもじもじとする。


「あ、アインよ……」

「おう」


「その……あのな。おぬしは、わしのこと……ど、どう思ってる?」


「どうって……頼りになる俺の相棒だろ?」


 彼女はうぐぐっ、と唇をかむ。


「違うの?」

「いや、そうじゃろうな。それでも嬉しいのじゃが……その……あっ! アインよ! 引いておる! 引いておるぞ!」


 釣り竿の尖端が、ぐぐっとしなっていた。

「おう、よっしゃあ! ゲットだぜ!」


 ぐいっと釣り竿を引っ張ると、湖面がズももっと盛り上がる。


 水しぶきを上げて出てきたのは、見上げるほどの巨大な魚だった。


「魔物じゃな。Aランク程度じゃ」


「あいよ」


 手刀を振り上げ、適当に振り下ろす。

 スパパッ……! と巨大魚が三枚に下ろされて、地面に落ちた。


「刀を使わずとも切断できるとは。さすがアインじゃな」


 感心したようにうなずくウルスラを見て、俺は吹き出す。


「な、なんじゃい?」

「いや、やっといつも通りのウルスラに戻ったなってよ。その格好とのギャップがすごくって」


「や、やはり変か?」

「変じゃないけど、その格好で言われるとなぁ」


 俺が笑うと、あきれたようにウルスラが笑う。


「まったくもう……やれやれ、いつになれば気づいてくれるのかの」


 そんなふうに、俺はウルスラとのんびり釣りをして楽しんだのだった。

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