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【WEB版】不遇職【鑑定士】が実は最強だった〜奈落で鍛えた最強の【神眼】で無双する〜【アニメ放送中!】  作者: 茨木野
後日談

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225/245

225.アインに敗れし者たち、集う

【※お知らせ】

このあと0時に、コミカライズ版の最新話が更新されます!

マガポケ様で好評連載中です!



【彼】が目を覚ますと、そこは見知らぬ、白い空間だった。


「こ、ここは……どこなんだよ? おれは、いったい……?」


 両手を見やると、人間の腕に戻っていたことがわかる。


「ど、どうなってんだ……!? おれは、あの女に、変な目玉をつけられて……それで」


 そのときだった。


「やぁどうも」

「な、なんだよおまえ!?」


 白髪で、小柄な、女とも男とも思えないような人物が立っている。


「ボクは【イオアナ】。君は?」


 イオアナと名乗る人物に、心当たりはなかった。


「おれは……【ゾイド】」


 彼女の前に立っているのは、そう、かつてアインを奈落の底に置き去りにした男。


 剣士ゾイドだった。


「へぇ、ここに【召喚された】ってことか、君もアインに強い恨みを抱いているのかな?」


「アイン……そうだ! おれは、あいつに殺されたんだッ!」


 ゾイドは思い出す。

 鑑定士アインが奈落から戻ってきた。

 彼は自分たちをかばって犠牲になった、と嘘をついていたことがバレてしまい、ギルドでの信用を落とす。


 信用を取り戻そうと焦った結果、すべてが空回り。

 そして精霊エキドナにアインへの恨みを利用され、魔族化。


「けど負けたってことだよね。この場にいるんだから」


「うぐっ! そ、それは……おまえはどうなんだよ!?」


 イオアナはケラケラと笑いながら答える。

「負けたよ。そりゃ何度も何度も。君なんかじゃ比じゃないくらいに……ね」


 ひょうきんに振る舞っているつもりであっても、イオアナの目の奥には、ほの暗い殺意が見て取れた。


 ゾクッ……! とゾイドが背筋を震わせる。


「と、ところで……イオアナよ。ここはどこなんだ? おれは死んだんだろ?」


「まあね。君は死んだのは事実だ。けど呼び出されたんだ。【復讐者アヴェンジャー】としてね」


「あ、復讐者アヴェンジャー……?」


 ニコッと笑い、イオアナが言う。


「周り見てごらん?」

「なっ!? なんだよ、この大量の化け物達は!?」


 白い空間には、数え切れないほどの魔族やモンスター達がいた。


「うぉおおおおお! アインぅううう! ぶっころぉおおおおおおす!」


 金髪に筋骨隆々の男が、猛獣のように吠えている。


「彼は【キング】。特級魔族で、アインに殺された」


 イオアナは次に、別の場所を指す。


「くく……今一度、この世に生を受けた。アイン……覚えておれ! このわしが、貴様を直々に殺してやるからのぉ!」


 一見するとただの老人のおような男が、殺意むき出しにして笑っている。


「彼は【主神ゼウス】。アインが殺した神だ」


「ちょ、ちょっと待てよ!?」


 ゾイドが目をむいて、イオアナにくってかかる。


「なに?」

「魔族? 神? あ、アインの野郎、そんなやつらを倒したって言うのかよ!?」


 ゾイドは青ざめた顔で叫ぶ。

 鑑定士が比類なき強さを持っていたことは知っていた。

 

 だがゾイドは彼の足跡を知らない。

 鑑定士の物語の、序盤で退場したからだ。


「そうだよ、アインはね、神を平然と殺し、魔王を討ち、世界を1つまるごと作るほどまでに進化したんだ」


「な、なんだよそれ……」


 ぺたん、とゾイドが尻餅をつく。


「そんなのもう……化け物って次元じゃないぞ!」


「うん、そうだね。正直アインは人間じゃないと思う。精霊の目を手に入れた瞬間からね」


 そう言って語るイオアナの顔は、どこか誇らしげだった。


「おまえ……本当にアインに恨みを抱いているのか?」


「ああ、もちろんだよ」


 イオアナは歯をむいて、凶暴に笑う。


「今すぐにでもぶっ殺して、ぐっちゃぐちゃにしてやりたい。ボクが舐めた辛酸の数だけ、何度も……何度も……! 何度も何度も何度も!」


 ぶわっ、とイオアナの体から闘気オーラが噴出する。


「君もそうだろう!? アインを殺したいくらい憎んでいるんだろ!?」

 

 問われて、ゾイドは目を閉じる。

 鑑定士アインのせいで、ゾイドは魔に落ちて、そして元の生活を失った。


「憎い……あいつさえ、アインさえいなければ! 今頃おれはまっとうな道を歩いていられたんだ!」


 ゾイドの体から、黒い気持ちが吹き出る。

 イオアナは満足げにうなずく。


「それだよ、【あの御方】が欲しているものは」

「あの御方……?」


「ボクらを召喚した人さ。ごらんよ」


 彼女が指さす先には、【黒い器】が浮いていた。


「なんだ……あの器は?」


 漆黒の器はイオアナ達、復讐者アヴェンジャーたちを見下ろしている。


「さぁみんな! アインを殺したいんだろ!? ならば祈れ……ボクたちを今一度現世に呼び出した、あの御方に!」


 すると……漆黒の器から、莫大な量の力が吹き出る。


 それは復讐者たちに降り注ぐと、彼らをさらに強くする。


「殺す……! アイン……殺してやるぅううううううううう!」


 ゾイドもまた負のパワーを得て強さを手に入れた。


 イオアナは彼らに向かって高らかに言う。


「さぁ行こうじゃないか復讐者アヴェンジャー諸君。鑑定士の命と、そして聖杯の器を奪うために!」


【※お知らせ】


新作の短編、書きました!

時間がある方はぜひ読んでみてくださいー!


※タイトル

「宮廷【獣医】、国外追放のち獣の国で幸せになる~森で会った神獣を治療したら、臣下のケモ耳少女たちから好待遇で雇われました。え?動物たちが言うことを聞かないから帰ってこい?いやちょっと無理ですね」


※URL

https://ncode.syosetu.com/n0216go/


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― 新着の感想 ―
[気になる点] ゼウスはアインが殺した訳じゃないと思うんですが
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