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【WEB版】不遇職【鑑定士】が実は最強だった〜奈落で鍛えた最強の【神眼】で無双する〜【アニメ放送中!】  作者: 茨木野
後日談

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224/245

224.鑑定士、アリスと朝食を取る

【※お知らせ】

コミカライズ最新話、更新されました!

マガポケで好評連載中です!



 ユーリと一緒に寝た翌朝。


 目を覚ますと、隣で金髪美少女ユーリが気持ちよさそうに寝ていた。


「……起こしちゃ悪いしな」


 俺はこっそりとベッドから抜けて、部屋を出る。


 朝日が差し込む廊下を歩いていたそのときだ。


「ん? アリス……?」


 俺の前を、精霊姉妹の四女、アリスが歩いている。


 ふわふわで、アメジストのショートカット。

 青いワンピースと、細く儚げなボディライン。


「おーい、アリス。おはよう」


 彼女は立ち止まって、俺を振り返る。


「……おはよう、アインくん」


 アメジストの瞳が美しい……のだが。


「お、おまえ……どうしたんだ、その隈?」


 彼女の目元に、大きな隈がでてきていたのである。


「……寝不足」

「そうか。本でも読んでたのか?」


 アリスはしばし逡巡した後。


「……そう」


 と小さく答え、くるりときびすを返す。

 

「ちょうど良かった。一緒に朝ご飯でも食わないか?」


「…………」ぴくっ。


 アリスは立ち止まって、俺を見上げる。


「……いいの?」

「おうよ。ひとりで食うよりふたりで食った方が楽しいだろ?」


 彼女もじもじしながら、目を泳がし、一言言う。


「……そう」


 俺たちは食堂へと移動した。


「……朝ご飯作るわ」

「いや、朝飯くらい俺が作るよ」

「……でも」


 とそのときだった。


「話は聞いたでー!」


 ばんっ! と食堂のドアが開き。


朱羽あかはね

「……母さん」


 赤髪の幼女賢者、【朱羽】だ。

 精霊アリスの生みの親である。


「うちが朝飯作ったるで!」

「まじか。いいのか?」


「おうおう! せやから若い2人は座って、おしゃべりでもしーや。な? な?」


 朱羽はぐいぐいと娘の背中を押しながら言う。


「そんじゃ、お言葉に甘えるか」

「……そう」


 食堂には大きなテーブルがおいてある。

 ミクトランがかつて使っていたものだそうだ。


 ピカピカに磨かれたテーブルの前に、俺は座る。


「…………」


 アリスは俺の隣に、顔を真っ赤にして佇立している。


「どうした、座らないのか?」

「……座る」


 すっ、とアリスが俺の隣に腰を下ろす。


「お、おう……」


 正面に座るものだとばかり思っていたのだが。


「ええで! アリス! その調子や! ファイト!」


 厨房からにゅっ、と朱羽が顔を出して何かを応援していた。


「愉快な母ちゃんだな」

「……ええ」


 アリスは俺のすぐ隣に座っている。

 何度も髪の毛を手でいじって、寝癖を直そうとしている。


「あー……その、寝不足の原因だったのは、どんな本だったんだ?」


 ビクッ! とアリスが体を大きく反応させる。


「夜通し読むくらいなら、さぞ面白いんだろ? 今度貸してくれよ」

「…………ごめんなさい」


「え、どうした?」

「……嘘、なの」


「嘘? 本読んで寝不足ってことが?」


 こくこく、とアリスはうなずく。


「じゃあどうして寝不足なんだ?」

「…………」


 アリスは黙りこくってしまった。

 顔を真っ赤にして、もじもじと身じろぐ。

 ううーん……黙ってしまった、どうしたもんか。


「朝ご飯できたでー!」

「お! 待ってた!」


 絶妙なタイミングで朱羽が入ってくる。


 移動魔法を駆使して、テーブルの上には凄い豪華な朝ご飯が載る。


「これ全部あの短時間で作ったのか?」

「せや! たーんとおあがりよ!」

「おうよ、いただきまーす」


 パンにシチュー、グラタンまである。

 どれもこれも凄まじく美味い。


「うちの子ぉも、もーちょいしたらこれくらい作れるよーなるからなぁ」


「今も十分うめーけどな」


 アリスは料理を勉強しているらしく、日々上達が見てとれる。


「ってか、あれ? 朱羽が料理教えてるのか?」

「せやな。やっぱ愛しい彼がいると飲み込みが早くて……ぶべっ!」


 アリスが杖を取り出し振ると、朱羽の頭の上に、いつの間にか辞書が現れていた。


「懐かしいな、このやりとりも」


 アリスと朱羽とは第三の隠しダンジョン、禁書庫で出会った。

 

 あれからもう随分立った気がするが、まだ1年も経過してないんだよなぁ。


「ところでおにーやん、アリスが寝不足な理由聞いたん?」


「いや。本読んでたってのが嘘ってことは聞いたけど」


 ぴくっ、とアリスが体を反応させる。


「せや。この子ってば、あんたらが夜中いちゃこらしてるのか気になって気になって眠れんかったんや」


 かぁ……とアリスが顔を湯気がでるほど赤くして、体を縮ませる。


「そない気になるなら千里眼つかえばっちゅーたのに、使わんでなぁこのこ」


「まあ、昨日は特になんもしてなかったよ」


 アリスが顔を上げて、消え入りそうな声で「……ほんと?」と聞いてくる。


「ああ。普通に寝ただけだよ」

「……そ、そう」


 ほっ、とアリスが吐息をつく。

 心なしか喜んでいる様子だった。


「しかしユーリちゃんといつになったらやらしいことするん?」


「「ぶー……!」」


 俺もアリスも、飲んでいたコーヒーを吹き出してしまった。


「お、おまえなぁ……」

「恋人同士なんやろ? 若い性欲もてあましとるんちゃう?」


「そ、そんなことないっすよ……」

「ほーん、隣であんな爆乳美少女が寝とるのに? ちょびっともさわりとーないの?」


 くっ……! 確かに、ムラムラするときはあるけど……なぁ。


「付き合ってはいるんだが、その、どこまでしていいものかと」

「女の子ぉはあんたが思っとるより性欲強いで? なぁアリス?」


 さっ、とアリスが顔を背ける。


「そ、そーなんすか……?」

「せやで。この子なんて毎晩あんたを思って……ぶべっ!」


 朱羽の体に、いくつもの辞書が堕ちてくる。


 アリスは顔を真っ赤にして、ふるふると首を振った。


「……違うから」

「お、おう。もちろん、朱羽の言葉は信じてないぞ」


「……そ、そう」


 ふらふら、とアリスが出て行く。


「だ、大丈夫か?」

「……平気。寝不足。寝る」


 そう言って、アリスは出て行ってしまった。


「かー! もうあの子ってば! どんだけ奥手やねん! もー!」


 やれやれ、と朱羽が呆れたように首を振る。


「まあでも、アリスのああいうとこは好きだぜ、俺」

「せやったらほら、うちの子はよーだいてくれへん? あの子奥手も奥手やからなー」


「そ、それは……できん。付き合ってもないわけだしな」

「ええんやって。あの子も望んどる」


 しかし……ユーリ以上にアリスは儚く、おいそれと触れて良いものかと躊躇してしまう。


「そうやって勝手に壁作るのは、相手に失礼やで」


 やや真面目なトーンで、朱羽が言う。


「ちゃんとあの子とまっすぐ向き合ってや。そない立派な目があるんやらかな」


 ぺちん、と朱羽が俺の左まぶたを指ではじく。


「……そうだな。もうちょっと話してみるよ」

「ん、それがええで」


 その後俺は朱羽と一緒に、空いた皿を片付けるのだった。


【※読者の皆様へのお知らせ】


書籍版「不遇職鑑定士」発売中です!


めちゃくちゃ頑張って書きました!

とても良い仕上がりになってます、自信作です!


ぜひお手にとってくださると幸いです!


書籍版はKラノベブックス様から発売!

コミカライズはマガポケ様で連載中です!

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