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【WEB版】不遇職【鑑定士】が実は最強だった〜奈落で鍛えた最強の【神眼】で無双する〜【アニメ放送中!】  作者: 茨木野
後日談

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223/245

223.鑑定士、ユーリと一緒に寝る

【※お知らせ】


コミカライズ最新話更新してます!

よろしくお願いします!



 極黒大陸で聖杯の欠片を回収した俺は、王都にいるジャスパーを訪ねた後、いったん帰路についた。


 夜。

 田舎で買った、俺の屋敷にて。


「ふぁー……疲れた」


 しゅんっ、と左目から、精霊少女たちが出てくる。


「おっつかれ~☆ おにーさんっ」


 ピナが俺の腕に抱きついて言う。


「やー、それにしても全力全開のおにーさんはちょー凄かった~☆」


「そりゃどうも。つっても、俺だけの力じゃない。みんな、いつもあんがとな」


 いえいえ、と精霊少女達が首を振る。


「そ・れ・じゃ~☆ おにーさんおつかれのようだしぃ~?」


「お姉さん達は退散しようかねぇい」


 目隠しお姉さんクルシュが、口元をによによさせながらいう。


「……おまえら、何か企んでない?」

「「いえいえまったく~☆」」


 ピナとクルシュがこういうアホな笑顔を浮かべるとき、たいがいロクデモナイことが起きる。


 経験則で知っている。


「おにーさんはお部屋から出ることを禁ずる!」

「お香でも焚いてまっててね~。さ、いこっか妹よ~」


 クルシュはユーリの背中を押しながら出ていく。


「あの……えとえと、あ、アインさんっ」

「お、おう……どうした?」


 金髪美少女は、もじもじと身をよじった後。


「わたし……がんばり、ます!」


 ふんす、と鼻息を荒くして、ユーリが出て行った。


「ううーん……」


 ユーリがああいう気合いを入れすぎているとき、大概ロクデモナイことが起きる(ピナとクルシュにそそのかされて)。


「…………」

「あれ? アリス、どうした?」


「……なんでも、ないわ。じゃあ、また明日」

「おう、また明日な」


 ちらちら、と俺を見た後、とととっ、と彼女が近づいてくる。


「……アインくん」

「どうした?」


「……妹に、優しくしてあげてね」


 それだけ言って、アリスは駆け足でさっていった。


「ううーん……わ、わからん……」


 精霊達の挙動が不審すぎた。

 

「ま、ひどいことにゃならんだろう」


 俺はベッドに横なって、目を閉じる。


「今日は疲れたな……っと」


 久々に全力を出したしな。

 グッスリと寝れそうだ。


 ……。

 …………。

 ………………ふと、良い匂いが鼻孔をついた。


「……お香?」


 俺は目を開けて、半身を起こす。

 窓際にお香が焚いてあった。


「誰かが置いてくれたのか。ウルスラあたりかな?」


 誰が置いたのか判断しづらいので、完全に憶測だけれど。


「なんだかリラックスする香りだな。これならグッスリ……」


 そのときだった。

 がちゃ、とドアが開いた。 


「アイン……さん……♡」

「ユーリ。どうしたって、えぇええええええええええええええ!?」


 彼女が来ていたのは、その……薄い布きれ一枚だった。


 ネグリジェというやつか?

 いや、なんだ、その……スケスケ具合は!?


「どう、ですか? 似合って、ない?」

「い、いや! めちゃくちゃ似合ってる! すげー似合ってる!」


 ほっ、とユーリが安堵の吐息をつく。


 しかし、マジですげえ美人だ。

 もとからプロポーションの良い彼女。

 その豊満な体を包むのは、薄い布だけ。


 透けて見える白い肌は、女神様と錯覚するほどに美しい。


 ユーリは頬を赤く染めながら、俺の隣までやってきて、ベッドに座る。


「ど、どうしたんだ……そ、そのかっこう?」


 どうしても、ネグリジェ越しに見える、とてつもなく大きな胸に目が行ってしまう。

「ピナちゃん、に、教えてもらい、ましたっ。こうすれば、元気になる……と!」


 くっ……! あのいたずら娘め! なんということを純粋な姉に教えるんだ! 最高だけどさ!


「しつれー、します♡」


 ユーリはよいしょよいしょ、と近づいてきて、俺に密着し、ぎゅっと抱きしめる。


 彼女の大きな乳房が、腕に押しつぶされてぐにゅっと変形する。


 いつもより、布が薄い分、生暖かなぬくもりがダイレクトに伝わってきて……ああやばいぞこれは!


「ゆ、ユーリさん……な、なにを?」

 

「クルシュ、ねえさまに教えてもらいました。こーしたほうが、アインさん、元気になるって!」


 くっ……! あのアホ姉め! なんてことを純粋な妹に教えるんだ! めっちゃ元気になるけれど!


「元気、でました?」

「お、おう……めっちゃ元気だぞ」


 やばい、セクハラにならないかこれ?


「それは、良かった……です♡」


 ほぅっ、とユーリが安堵の吐息をつく。


「えっと、ええーっと……ユーリは何しに来たんだ?」

「アインさん、に、元気……だしてもらおー、って、思って!」


 ユーリは笑顔で言う。


「アインさん、おつかれ、さまでした♡」


 そこで、俺は気づく。

 この子は、純粋に元気づけに来てくれているのだと。


「どうした、の? アイン、さん。しょぼくれ……て?」


「ああ、いや、ちょっと期待しちゃって……」


「きたい?」


「なんでもないよ。ありがとな、元気出たよ」


 俺は窓際のお香を見やる。


「あれもユーリが置いてくれたんだろ?」

「はい♡ アリスねえさまに、おしえて、もらいました!」


 そっか、あいつも良い姉ちゃんだな。


「はじめてのとき? は、リラックスするために、お香がいいって」


「……そ、そっすか」


 アリス、なんか誤解してるぞ。

 ユーリはまだそういうこと、できる精神年齢じゃない。


 俺はしばし、ユーリと並んで座る。

 彼女が俺の肩に頭を乗せてきて、俺はそのさらさらの金髪をなでる。


「アインさん、つよつよ、でした! かっこ、よかった、です!」


 にこにこー、とユーリが笑う。


「サンキュー。みんなのおかげだよ。それと……おまえのおかげだ」


 はて、と彼女が首をかしげる。

 俺は苦笑して、眼帯越しに、左目を触る。

「この目をさ、おまえが授けてくれなかったら、こんなに強くはなれなかったよ」


 ゾイドに裏切られ、奈落に堕ちて……俺はユーリとで会った。


 傷付いた俺を癒し、失った希望の光を与えてくれたのは、この優しい精霊の少女だ。

「いつもおまえには感謝してるよ。ありがとう、ユーリ」


 ユーリはうれしそうに笑うと、じーっと期待するようなまなざしを向けてくる。


「どうした?」

「もっと、甘いお言葉を!」


 俺は気恥ずかしくなって頭をかいた後。


「いつも愛してるよ、ユーリ」


 えへへっ、とユーリは笑うと、俺に抱きついてくる。


「わたしも、です! 愛してます……アイン、さんっ」


 俺たちは口づけをする。

 顔を離して、ふたりで笑う。


「寝ましょー! おつかれの、よーですし」


「だな」


 俺たちは布団に入って、そのまま朝までグッスリと寝た。


 ユーリのお香のおかげで、疲れは完璧に取れたのだった。


「あちゃー、おねえちゃん駄目だったかー」

「ま、ゆんゆんはお子ちゃまだからね~。まだ早いか~」

「しかーし☆ チャンスはいくらでもあるのだー!」


 ……なんか、寝る前に不穏な会話が聞こえたけど、聞こえないことにしておいた。

【※読者の皆様へのお知らせ】


いよいよ本日10月2日!

書籍版「不遇職鑑定士」発売します!


めちゃくちゃ頑張って書きました!

とても良い仕上がりになってます、自信作です!


ぜひお手にとってくださると幸いです!


書籍版はKラノベブックス様から発売!

コミカライズはマガポケ様で連載中です!

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