表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【WEB版】不遇職【鑑定士】が実は最強だった〜奈落で鍛えた最強の【神眼】で無双する〜【アニメ放送中!】  作者: 茨木野
8章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

147/245

147.鑑定士、特級相手に手も足も出さず勝つ




 俺が巨神トールを討伐してから、数日後。

 ドワーフ国の郊外にて。


 俺の元に、またも特級魔族が襲撃してきた。


『【雷龍ドゥルク】。特級の1人じゃ。階級は【ナイト】。天を覆うほどの巨大な竜で、声を発するだけで落雷を起こす』


 神闘気を身に付けてから、鑑定能力もさらに強化された。


 特級相手でも階級がわかるようになったのだ。


「貴様かぁ? 久しぶりに骨のある相手が地上にいると聞いてやってくれば、なんだ、ただのサルではないか」


 ピシャッ……!


 ドゴォオオオオオオオオン!


「ほう、雷を防ぐか。そこそこやるようだな」


 ドゴォオオオオオオオン!

 ズドォオオオオオオオオオオン!


 やつがしゃべるたび、雷が絶え間なく落ちてくる。


 だが俺には禁術オーラの鎧があるため、落雷攻撃が通用しない。


「しかしどこまで持つかな? 長期戦になればなるほど貴様は不利になるぞ?」


 雨あられと落雷が俺めがけて落ちてくる。

「ほれほれ、防戦一方ではわしに勝てぬぞ? どうする? お得意の瞳術で消し飛ばすか? しかしこの落雷の雨に防がれてわしには通じないぞぉ」


 俺は、空を見上げる。


「テレジア。力使うぞ」

「はい……アイン様。どうぞ……わたくしをお好きになさって……」


 俺の左目が、金色に変わる。


「多少面白い相手ではあった。しかし残念だな小僧! 貴様はこれでおしまいだ!」


 雷龍が大きく口を開く。

 そこに雷のエネルギーが溜まる。


『アインよ。高エネルギーの落雷じゃ。国まるごとおぬしを消し飛ばす威力がある』


「ふはは! 死ねぇええええ!」


 俺は、雷龍の目を見て、言う。


「【黙れ】」


 そのときだ。


 攻撃を放つ瞬間、雷龍が口を閉ざしたのだ。


 バリバリバリバリバリバリーーー!!


「むぐうぅううううううううううう!」


 雷龍は自分の雷で、感電してやがった。


 テレジアの能力【誓約の蛇眼じゃがん】。


 見た相手に強制的に言うことを聞かせる能力だ。


「お得意の雷も、しゃべれなきゃ打てないな」


『アインよ。雷龍は上空から尾でたたきつける攻撃をするそうじゃ』


 ぐぉおおおおおおおおおおお!


 凄まじくデカい竜の尾が、俺の元へ落ちてくる。


「【動くな】」


 ピタッ……!


「ぷはっ……! はぁ……はぁ……しゃべれた……」


「なるほど。命令は1つのみか。新しい命令をすると前のはキャンセルされると」


「さすがですわ……アイン様。ご明察……です。ああ、かしこくて素敵な……わたくしの旦那様♡」


 テレジアは顕現すると、俺の体にしなだれかかる。


「くそがぁ! だがしゃべれるようになったから今度は雷攻撃が喰らうぞ!」


 豪雨のごとく、落雷が俺に降り注ぐ。


 テレジアを目のなかに戻し、俺は言う。


「【外せ】」


 突如、雷が方向を変え、明後日の方向に落ちる。


「バカな!? なぜ当たらぬ!」


「攻撃を外せって命令をおまえに与えた。自分の意思で攻撃してるんだから、自分の意思で攻撃を外すことは可能だろ?」


「くそっ! だがしかし! 結局のところ貴様は防戦一方ではないか! 所詮天に浮かぶ竜に人間は適わないのだぁ!」


「問題ない。【ひれ伏せ】」


 ぐしゃっ……!


 雷龍は遥か上空から、地上へと凄まじい速さで落下。


「あり得ぬ! この特級魔族であるこのわしが! まるで体を動かないだと!?」


「すごい威力だな、この蛇眼」


『ふふ……アイン様。それは……あなただからこそです』


『アインよ。どうやら通常蛇眼には1度の使用に莫大な闘気と、目への負担がかかるようじゃ。命令が上位であればあるほど大きくなる。しかしおぬしには神闘気と、そして神眼がある。蛇眼のリスクを無視して能力が使用できるわけじゃな』


 雷龍は目を大きくむく。


「なんだそれは!? 強大な力をノーリスクで使えるだと!? そんなの反則ではないか!」


「別におまえと勝負しているわけじゃないからいいだろ」


「勝負では……ない……」


 愕然とした表情で、地上に這いつくばる雷龍が言う。


「雷帝と恐れられてきたこのわしを相手に……勝負ではない……だと……?」


 バチッ……! バチバチバチ! 


 雷龍の体に、凄まじいまでのエネルギーが溜まっていく。


『やつは雷を体に溜め、そのエネルギーを一気に放出するみたいじゃ。大陸ごと吹き飛ぶぞ』


「わかった。【攻撃を中止しろ】」


 突如、雷龍は帯電をやめる。


「くっ! だ、だがこれで体の自由がきく!」


 バッ……! と雷龍が飛び上がろうとする。


「【ねじれろ】」


 雷龍の体が、メキメキと嫌な音を立てながら、ねじれていく。


「うぎゃぁああああああああ!」


 痛みに耐えられないのか、雷龍は地面に倒れる。


 体中の骨という骨がねじれ折れていく。


「や、やめろぉお! やめてくれぇええ!」


 ばきばきめきめきぐしゃばきっ!


 雷龍は自分の意思で体を動かせないでいた。


『なんということじゃ。特級魔族が完全に翻弄されておる。さすがじゃ、アインよ』


「ありがとう。けどすごいのはテレジアだ。蛇眼が強いんだよ」


『ああ……! もったいないお言葉……好き……♡ 好き好き好き♡ だぁいすき……♡』


 テレジアが顕現して、俺にしなだれかかる。


「お強くて素敵な殿方……わたくしと、さぁ子供を作りましょう♡」


「も、【戻ってくれ】」


 テレジアは目のなかへと戻っていった。


「精霊にも使えるんだなこれ」


 ややあって。


「すっかりボールになったな、おまえ」


 雷龍はねじれ続けた結果、巨大な球体となっていた。


「このわしが……こんな無様な姿をさらすとは……こんなガキに……くそっ!」


「実験に付き合ってくれてありがとな。じゃあ死ね」


「まっ、待て! 待つんだ!」


 雷龍が慌てていう。


『アインよ。雷龍の体のなかには、長い年月蓄えてきた凄まじいエネルギーがある』


「なるほど、直接攻撃すれば体からそのエネルギーが爆発して周囲を吹っ飛ばすのか」


「良いかよく聞け! わしの体内には凄まじいエネルギーが……って、ぇえええ!? な、なぜ知ってるうぅううううう!」


 うちには優秀なブレーンがいるからな。


「し、しかし知ってたからどうした!? 貴様が不利な状況にあることには変わりない!」


 にやり、と勝ち誇った笑みを雷龍が浮かべる。


「この雷龍! 貴様に勝てずともしかし負けもしない! どうだ殺してみろ! 直接攻撃をせずわしを殺してみろよぉ! できないだろぉ!」


「いや、できるよ」


「ふざけたことを抜かすな貧弱なガキがぁ!」


 俺は禁術を発動させ、能力を向上させる。

 左目の痣が、黄金に染まる。

 

 俺は雷龍の目を見て、言う。


「【死ね】」


 どさっ……!


 突如、雷龍の目から生気が失われ、その場に倒れ、動かなくなった。


「死ねと言えば外部から攻撃を与えずに殺すことができるんだ。その分消費する闘気量は尋常じゃないがな」


『アインよ、やはりおぬしは規格外の存在じゃ。たいした男よ』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
誓約の蛇眼で字合ってるのですか? なら 「視界に入った生物に強制的に言うことを聞かせる『邪』眼だよ~ん」 という説明はいかに? どっちが誤字かわかりませんね
[一言] どこぞの高遠さんやないかって思ったのは自分たけ?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ