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【WEB版】不遇職【鑑定士】が実は最強だった〜奈落で鍛えた最強の【神眼】で無双する〜【アニメ放送中!】  作者: 茨木野
1章

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10.鑑定士、魔力量を増やす



 ウルスラから魔法をコピーしてから、3日くらいが経過した、ある日のこと。


 俺は、世界樹の根元に、あぐらをかいて座っていた。


「よ、よし……いくぞ……」


 俺はウルスラから鑑定コピーした【詠唱破棄】能力を使用。


 火属性魔法、【火球】を使用する。


 ボボボッ……!


 俺の両手から、火の玉が3つ出現。

 それは世界樹のある広間の奥へと、すっ飛んでいく。


「がは……! も、もうだめだ……」


 魔力がつきて、俺は背後に倒れる。


 魔法を使うと魔力を消費する。


 魔力はこの世にいる人間なら、誰もが持っている。


 しかしその多い少ないは、【職業ジョブ】によって異なる。


 俺は魔法職の【職業】ではないので、魔力量は平均値以下だった。


 魔法修行初日は、火球1発打つだけで、魔力切れを起こして倒れてしまった。


 しかし……今は……。


「ふん。15発で倒れよって。軟弱者め」


「アイン……さん。おつかれ……さまです♡」


 倒れる俺を、ウルスラたちがのぞき込むようにして立っている。


 ユーリはしゃがみ込んで、俺の頭上に手のひらで皿を作る。


 彼女の手のひらに、こんこんと、全回復能力のある、世界樹の雫が湧き出る。


 ユーリは手を傾ける。

 俺の顔に、世界樹の雫が当たる。


 その瞬間、魔力が全回復。


「いつもありがとな、ユーリ」


「あうあう……えうえう……」


 かぁ……っとユーリが顔を真っ赤にさせて縮こまる。


「ほれ、さっさと修行を続けぬか」


「わかったよ……」


 俺は両手を前に出す。


「というかなにぬるい修行をしておる。一度に全部の魔力を一気に吐き出せ」


「わ、わかったよ……」


 手を抜いていたのがバレていた。

 畜生。


 俺は火球を、全力で発射する。


 ボボボボボッ! ボボボボボッ! ボボボボボッ! ボッ! 

 

 1度に15発が限度だった、火球。

 だが今俺は、16発の火球を出していた。

 俺は魔力切れを起こし、また倒れる。

 ユーリがすかさず雫を垂らしてくる。


「すげえな……世界樹の雫。魔力を全回復するだけじゃなくて、魔力量を増やす効果まであるなんてな」


「え、えへへ……♡」


 ユーリが微笑む。


「と言っても魔力が残っている状態で雫を摂取しても、魔力量は増えぬぞ」


「わかってる。魔力がカラカラになった状態で雫を飲まないと、増えないんだろ?」


 だから、こうして魔法を無駄打ちしては、ユーリに雫を飲ませてもらい、魔力量を増やしてもらっているって訳だ。


「まだ火球17発分の魔力量しかないじゃと? こんなもので死熊は倒せぬぞ。なにをやっておる? もっともっと魔法を打ってぶっ倒れろ」


「いや……結構きついって。魔力切れ起こすと、めっちゃ怠いんだって」


 マジで死にそうなくらい疲れるんだよな。

 だから、魔力ゼロになるまで、全力で魔法を撃つことに、抵抗を覚える。


「わしが目を離すとすぐサボる。ほれささっと撃て! 1000発火球が撃てるくらいまで魔力量を鍛えるからな!」


「し、死ぬって! 死んじゃうって!」


 俺はすがるように、ユーリを見た。


「ユーリもウルスラに言ってくれ。もうちょっと手加減してくれって」


 ウルスラは親馬鹿なところがある。

 娘が頼めば、きっと聞き入ってくれるはず!


 しかし……。


「お、おかーさん。アイン、さん。修行、がんばって。ふぁいとっ」


 むんっ、とユーリが拳を握って言う。


「ゆ、ユーリ?」

「たく、さん修行しないと。アインさん、強くならないと、だから」


「い、いやそうだけど……さすがに1000発分の魔力量はやりすぎじゃ……」


「やりすぎじゃ、ない。十分、備えないと。備え、大事。たくさん、時間かけて、備えないとっ」


 よくわからないが、ユーリはやたらと、魔力量を増やすことを、薦めてくる。


「ふぁいとですっ、アインさんっ」


「ほれ休むな。次は中級魔法を撃て。もう撃てるだろ」


「いや、ランクの高い魔法使うと、負荷が結構……」


「そのぶん1発で魔力を消費できるじゃろうが。ほれ打て!」


 俺はウルスラから、かなりの量の魔法を鑑定コピーしている。


 魔法には強さによって等級ランクがある。


 ランクが高い魔法は、殺傷能力が高い分、消費する魔力量も多くなる。


 俺は中級魔法、【風裂刃】を無詠唱で使用。


 びょぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!


 風の刃の混じった、竜巻が離れたところに発生する。


「いてぇええええええええええ!」


 魔力が一気に吸い出され、俺は痛みでその場に仰向けに倒れる。


「わ、わたし……が! 治療します!」


 ふすふす、とユーリが鼻息荒く俺のそばにしゃがみ込んで、俺に世界樹の雫をかけて治療してくれる。


「あ、ありがとう……ユーリ」


「~♪」


 ユーリが小さくえへへと笑う。


「……これ、良い♡ いっぱい、ありがと♡ 言われる♡ えへへ♡」


「な、なんだって?」


「おい小僧! なに休んでおる! 魔力が回復したらさっさと魔法を撃て!」


 こんなふうに、俺は魔力を強化する修行をした。


 ユーリは上機嫌だが、ウルスラは彼女がいると機嫌が悪くなる。


 まあ治療してくれるのが美少女っていうのが唯一の救いだな。


 相変わらずウルスラはスパルタだけど……。


 しかし、半月もする頃には……。 


「火球」


 ボボボボボッ! ボボボボボッ! ボボボボボッ! ボボボボボッ! ボボボボボッ! ボボボボボッ! ボボボボボッ! 


 とまあ……。

 本当に、1000発も火球が撃てるようになった。


 打ってもしかも、ぜんぜん平気なのよね。

「すごいです、アインさん♡」


「ふん……ユーリのおかげじゃ。海よりも深く感謝しろよ」


 俺は凄まじい量の魔力を手に入れた。

 そして賢者から鑑定コピーした無数の魔法を自在に扱えるようになったのだった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] そういえば食べ物とかどうしてるのかな、着替えもないし裸?
[良い点] よし仕上がった、これで宿敵の熊をたおせるである。
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