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執着する性格

ユリアが王宮に到着した時には

沢山の貴族が集まっていた。


今日はユリアへの褒美が発表される日。


朝からユリアはソワソワしていた。

王宮の控え室にいる今も、落ち着かない様子で手をギュッと握っていた。


「ユリアさん。落ち着かないですか?」


「あ、はい。すみません…なんだか慣れない事なので。」


そんなユリアの緊張を解そうとトーマスは並んで座る。


「大丈夫です。今日は褒美を受け取るだけなんですから。喜ばしい事です。さぁ、リラックスして。」


トーマスはユリアの手を握った。

不思議な事に、握られた手から体温が伝わり手の震えが止まった。


「ありがとうございます。トーマスのお陰で少し落ち着きました。」


「良かった。」


トーマスはユリアの手を自分の方に引き寄せて、ギュっと両手で抱え込んだ。


「あ、ト、トーマス様!」


「なんですか?」


トーマスはしれっとした顔でユリアを見る。

ここは王宮のしかも王様と謁見する為の控え室。

そんな所でイチャついているのを見られでもしたら困るとユリアは離れようとした。 

しかし、トーマスは騎士。

力では絶対に敵わない相手だ。


「トーマス様!もう!誰か来たらどうするんですか。」


「誰も来ませんよ。今、式典の用意で忙しいんですから。」


「で、でも…」


ユリアがトーマスから離れようとすればするほど、トーマスに抱え込まれて行く。


その時だった。


「こんな所でイチャつくのは感心しないな。」


背後から声をかけられて驚くユリア。

しかし、トーマスは全然動じていない。

平然とした顔で後ろの人間に言った。


「お前こそ、式典の準備を放り出して何やってるんだ…エディ。」


トーマスはユリアの顔を抱えたまま振り向いた。


「なんだ。俺だって分かってたのか。」


「当たり前だ。」


「で、なんでユリアちゃんを抱え込んでるんだ?」


「ん?それは、お前にユリアさんの顔を見せない為だ。」


「はぁ?なんだよそれ。」


ユリアはこの状況が恥ずかしくてトーマスに小声で言う。


「トーマス様…は、離してください。」


ユリアから言われて、やっとトーマスが離した。

その様子を見てエディが苦笑いしながら言った。


「トーマスさぁ、最近変わったよな!いや、俺は嬉しいよ?何かさ、いい感じになった!うん!なった!」


「エディさん…恥ずかしいから辞めて下さい。」


ユリアはソファから立ち上がると顔を真っ赤にしている。


「いや、これが普通なんだよ。トーマスは今まで真面目過ぎたんだよ!」


「これが、普通って!」


「いや、よかった…よかったよ。本当よかった。」


エディはそう言いながら控え室を出て行った。

トーマスはエディが出て行ったのを見てユリアに言う。


「ユリアさん、僕は結構執着する性格のようです。」


「え?」


「今まで、人を好きになった事がなかったので…。これから覚悟しておいてくださいね。」


「え!ト、トーマス様…。」


トーマスは何だか嬉しそうにユリアを見ていた。


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