ユリアへの褒美
アストロ・ジーラスとの事があってからしばらく経ったある日。
ユリアはコートと共に王宮に上がっていた。
先日、ユリアとコートの元に王宮からの通達があり王様とお会いする事になったのだ。
「コートおばあちゃん、今日は王様は何のお話なんでしょうか?」
「ん?そうだね…褒美でもくれるんじゃないかい?」
「え!褒美!?」
コートは笑いながらユリアの前を歩く。
王宮では、エバンとトーマスが迎えてくれた。
「マグゴナル様。ユリアさん。お待ちしておりました。」
エバンはコート、トーマスはユリアをエスコートしながら謁見室に向かう。
謁見室に向かう途中、廊下ですれ違った王宮の人達がユリアにお辞儀をして来た。
庶民のユリアは貴族が多い王宮でお辞儀をされる事に慣れていない為、お辞儀をされる度に立ち止まり礼をしていた。
「ユリアさん。止まらなくても大丈夫ですよ。皆、先日の事でユリアさんにお礼をしているのです。そのまま進んでください。」
トーマスは微笑みながらユリアを手を引いた。
謁見室に入ると、すぐに王様が現れた。
「マグゴナルにユリア。今日はよく来たな。」
コートとユリアは丁寧にお辞儀をした。
「王様、本日はお呼びいただきましてありがとうございます。」
ユリアもコートのその言葉と一緒にお辞儀をする。
「うむ。先日のアストロ・ジーラス征伐においては大活躍であったな。心から礼を言うぞ。」
「勿体ないお言葉でございます。」
「そなた達が居なければ、この国はなかったかもしれん。」
「本当にご無事で良かったです。」
王様はニコニコ笑いながら頷く。
「さて、今日はなお前の弟子のユリアに褒美を取らせようと思ってな。」
「え!」
ユリアは驚いて思わず声を出してしまった。
「ユリア・エスターク。そなたの活躍はそこにいるエバンや王宮筆頭魔法使いのセレニウムから聞いておる。本当によくやった!この国の民は皆そなたに助けられたのだ。」
「王様…私は自分のやれる事をやっただけです。王様のお言葉だけで幸せです。」
「そなたは何か欲しい物はないのか?何でもいいぞ?」
ユリアはコートを見た。
コートはニッコリ頷いて言った。
「王様もこうおっしゃっているから、何か欲しい物はないのかい?」
ユリアは少し考えた。
「王様、私は欲しい物はありません。私には信頼できる人や大切な人がおります。今、とても幸せです。ですから、そのお心だけで十分です。」
王様はユリアの言葉を聞いて驚いた。
「そなたは変わっておるな。普通なら欲しい物も沢山あるだろうに。」
ユリアはトーマスと目があった。
トーマスはにこやかにユリアを見ている。
その様子を見た王様がポンと手を叩いて言った。
「そうじゃ!トーマス!」
「は、はい!」
「ユリアはお前の婚約者だろう?」
「あ、はい。そうでございます。」
「では、婚約者としてユリアに何か贈りたいものはないのか?」
「え!」
王様のいきなりの質問に困るトーマス。
しばらく考えて口を開いた。




