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作戦会議

次の日、コートの所にはファッジとエミネールが到着していた。

普通なら馬車で2日かかる距離を魔法使いの力で1日でやってきた2人。


「コート様。アストロ・ジーラスが現れたのは本当ですか?」


「ああ。おそらく間違いない。マルトゥに会った時に物凄い力を感じた。あれは、昔ガダルーシャに行った時に出会った力と同じだった。」


「では、アストロ・ジーラスは生きていたと?」


エミネールはいつになく真剣な顔つきで言った。


「きっと、どこかに潜伏していたんだろうね。あいつが使う黒魔術を支持する者は他にもいただろうし。」


「では、仲間もいるという事でしょうか。」


ファッジは心配そうに話す。


「それは分からない。だが、今王宮にアストロ・ジーラスが入り込んだのはあいつがこの国に何か仕掛けて来たと言うのが間違いじゃなかったって事さ。」


「王様にはもうご報告を?」


「いや、まずはマルトゥに確かめてからだ。」


コートは机の上に乗っている魔法書を開いた。


「ここに書いてある、この方法でアストロ・ジーラスを封印できないかと思ってね。」


「コート様に言われた通り、純度の高い水晶を持って来ました。」


ファッジは大きな袋から人の頭大の水晶を出した。


「いいね。これならあいつの力に耐えられそうだ。」


コートは水晶を見ながら言った。




コートとファッジ、エミネールは騎士団総長のエバンに連絡を取りコートのアトリエで落ち合った。


「ファッジ様、エミネール様、お久しぶりでございます。」


「まぁ!エバンちゃん?」


エミネールが嬉しそうに話す。


「はい。お2人ともお元気そうですな!」


「ええ!元気ですよ。エバンちゃんもすっかり素敵なおじ様になっちゃって。」


「エミネール。今日はそんな話しをする為に集まったんじゃないよ。」


コートは静かに言った。


「申し訳ありません。」


「マグゴナル様、どうしたのですか?」


コートは一呼吸おいて話し出す。


「エバン、あんたはガダルーシャの元国王のアストロ・ジーラスを覚えているかい?」


エバンの顔が急に険しくなった。


「もちろんです。我が妻を拐かし生け贄にしようとした奴の事を忘れる訳がありません。」


「あいつが王宮に入り込んだ。」


「なんですと!」


エバンは目を見開いた。


「エバン、一緒にマルトゥに会いに行った時24時間見張れと言った事覚えているかい?」


「はい。今、手練れの団員が密かに張り付いております。」


「そうかい。アストロ・ジーラスはマルトゥに乗り移っている。」


「セレニウム殿に!」


エバンは言葉を失った。


「昔アストロ・ジーラスに会った時に感じた大きな力をマルトゥから感じたんだ。」


「間違いないのですか?」


「コート様の相手を感じる感覚は、昔から秀でています。おそらく間違いないでしょう。」


ファッジがエバンに言った。


「しかし、どうやって…王宮筆頭魔法使いともあろう人間に乗り移るとは…。」


「やり方はいくらでもあるさ。第一にマルトゥが嫉妬や憎しみの心を持っていれば容易い事だ。」


「あの子は見習いの頃から、やる気はあったけど少し行きすぎる所があったのよね。」


エミネールは昔を思い出しながら話す。


「マルトゥは最近ユリアに対して色々思っていたようだし、それが嫉妬や妬みであったとしてもおかしくない。」


「マグゴナル様、どうしましょうか。すぐに対策を練らないと。」


「そうだね。それで少し相談なんだがね。」


コートはエバンに近づき顔を覗き込んだ。




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