僕がネコになった日
「ニャ~ゴ ニャ~ゴ」
また、来た・・・ ^_^;
聞こえないフリをしても、ドアを開けるまで窓の外で鳴き続けるのだから…
一度は試してみた。
声が枯れても鳴き止まない…
コヤツには、このドアは開かないかもしれない、などという事は思いもよらない事なのだ。信じて疑わない。・・・
しょうがないなぁ、もうっ。
不眠症になった。女にフラれた。感動した映画を見た。戦争が始まった。
大体、そんな理由なのだ。
一年、来ない事もあれば、先週も来たでしょが、って時もある。
ただ、眠りにくるのだ。
ホット・ミルクを用意している間に、もう、わたしのベッドに入って、スヤスヤ眠ってしまった。
たまに、ゴロゴロ喉を鳴らす。
どうしたら、ここまで自分勝手になれるのだろう・・・?
一度、頭を割って、覗いてみたいものだ。
枠の内側で生きているのなら、常識を説くこともできる。
枠の外側で生きているものだから、何を言っても無駄だ。
朝になったら、エサを求め、自分のテリトリーに帰ってゆくだろう…
■ 2005/06 作品 「僕がネコになった日」にて 『400字小説コンテスト』 入賞。
(主催: ハードカバー 後援: ㈱ 創英社)
https://akisbar.hatenadiary.jp/