異世界生活の始まり 21
ゴールデンウィーク最終日となりました。充実したお休みとなったでしょうか?本日2回目の投稿となります。まだお読みでない方は前話からお読みください。
===転移10日目===
ボロ宿にて起床。ギルドが俺に用意してくれた宿は寝泊りができるだけの施設だった。ベットはただの木組み、敷布団は無し。掛布団は何年も使われているのか、黄ばんでいた。あとから新しい物を頼んでみよう。最悪、買ってきても良い。ここでこそ少ないお金を使うべきだ。一般家庭で育った俺にはとてもじゃないが、このままでは使う気が起きない。
結果として、何も敷かれていないベットの上で丸まって寝た。床で寝てるのと変わりませんね~、あのスキンヘッドもう一回病院送りにしてやろうか。
フェデルタさんは教会へ。ハイトさん、ヴェルさんは女性ということもあり、もっとセキュリティーが整った場所に宿を取りました。最初は同じ宿を取ろうとしていたのですが、さすがに断わりました。この宿に女性はいけない、狼の前に肉を置くようなものです。
「身体強化って便利だな。身体の内側が強化されてるから寝違えることもないし」
身体の内部を強化できることの数少ないメリットのひとつでしょう。通常の身体強化は身体の周りに魔力を纏わせる。パワードスーツを使うようなものだと思います。そんなものを着て寝られるわけがないでしょう。しかし、いいね、かっこいいよ、パワードスーツ……。
昨日のフェデルタさんとの会話によって浄化魔術の効果がある程度分かりました。要は不自然なことを実行しようとした時にプラスの補正が掛かるということでしょう。最初にギルドに行った時に「自分の存在を消す」くらいの気持ちで息を殺していたから、プラス補正が掛かったんだろうなぁ。
まぁ、ハイトさんとかの実力者には見破られたし、俺から話しかければ自ら存在を主張することになるから補正が掛からなくなる。なかなか厳しい条件なんだよなー。効果としては強いのかもしれないけど、もっと単純な強さが良かった。魔力増大の方がよっぽど勇者らしいよなぁ、俺の魔術って絶対勇者のサポート向きだよ。
===王都・朝市===
皆さんは朝市に何を期待するでしょうか?私は現在、朝食を取っていない状態です。時刻は朝7時。私は声高々に宣言しましょう。謳いましょう。新鮮な食材を使った朝ご飯を期待していると!
えぇ、昨日は昼ご飯を食べ損ね、なんだかんだ夕食は軽食程度に止まってしまったので腹ペコです。
こーえーくーんー
近くに海があるわけではないので、魚介系は無理でしょうね。いや、魔法があればそんなこと関係ないかもしれません。時間魔術があるんですから、その下位互換の魔法があってもおかしくありませんもんね。氷魔法なんかでも良いです。
こーえーくーんー!
それにしても人通りが結構ありますね。先ほど通りかかったおじさんに聞いたところ朝市は王都の至る所で行われているそうです。王都は都というだけあって、かなり大きいですから当然ではあるのですけど。
お!フォーのようなものを出しているお店がありますね。パークチーらしきものは見当たりませんし、食べてみるのもありです。朝から麵を食べるのには、若干の抵抗がありますが異国の文化と触れ合うのも旅の醍醐味ですもんね。異世界ですが。
話は大きく逸れますが、私は常々疑問に思っていることがあります。
漫画などでは自分に対して突っ込んでくる人がいたらその人を受け止めることはせず、突っ込んでくる人が地面にヘッドスライディングをかますシーンがあります。ギャグだからこそ良いですが、この世界でそれを行うとどういうことになるでしょうか?興味がある方は是非やってみてください。私にはその度胸はありません。
全身に働かせていた身体強化を1段上げる。普段は血球に魔力を充填し、長期間の身体強化を行っているが、それに加えて、血液にこの場限りの魔力を急激に流し込む。血液に直接流し込むため持続性はあまりない。効率で言うなら最悪、魔力の大安売りだ。
「敏感化」「聴力強化」により、相手の位置を正確に察知する。ただ、相手の体勢が分からない。飛び込んでくるのか、突進してくるのか、ラガーマンのような力強いタックルをしてくるのか……。ただ接近速度だけはかなりのものだと分かる。
振り返る。さぁ、来い!
「こーえーくーんー!!」
飛び込んてくる物体を抱きかかえる。それと同時に回転。まともに受けては死ぬ。身体は無事でも脳が敏感化によって増幅された痛みに耐えられる保証がない。
まるで映画のワンシーンのようです。抱き留め、回転することでスカートがひらひらと翻ります。真上から撮影したらとても映えたでしょうね。人通りはそれなりにありましたが、皆さん後ろから走ってくる人に違和感を覚えたのか、その目的地点たる私を避けるように歩いていたので回転するだけのスペースは十分でした。皆さん、ご迷惑をおかけします。
話は戻りますが、こんな衆人観衆の前で突っ込んでくる人を避けてもいいものでしょうか?絶対に「あぁ、やっちゃったよ、この人」みたいな目を向けられるに決まってます。
まぁ、受け止めたら受け止めたで、なぜか皆さん微笑ましいものを見るような眼を向けてきます。まわれまわーれメリーゴーランド、もうけしーて止まらないように。いえ、止まります。眼が回ってきました。
「おはようございます、ヴェルさん。なんで後ろから飛び込んでくるんですか?やっぱりダメ猫でしたか?」
「おはようございます、コエくん。そして私をそこらの野良猫と比べるのはやめてください!」
あぁ、ハイトさん。そんな後ろにいたんですか。おはようございます。
「なんで無視するんですか!お姉さんに抱き着かれてるんですよ!少しは動じるなりしてください!」
「朝からうるさいですよ。周りの人に迷惑でしょうが」
いい加減離れろ、このダメ猫。猫の癖になんでこんなにかまってちゃんなんだよ。春みたいな気候だけど、くっつかれると暑い……人間より猫の方が体温が高いんだから離れて。お願いだから、あとで構ってあげるから。
第1章が終わるまでは毎日1話投稿をしていきます。と言ってもあと少しで第1章は終わりですが。
第2章以降は週一更新を予定しています。
それではお読みいただきありがとうございました。




