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村人が世界最強だと嫌われるらしい  作者: 夏夜弘
第二章 妖狐の国
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最善策 5

「力? どんな力なんだ?」


「九尾には、先祖代々特別な力が備わるんだ。この世界では、尻尾の数で強さが決まるのは知ってると思うが、その尻尾の数は運で決まる。ただ、九尾だけは例外だ」


「例外?」


「ああ。尻尾は生まれてきた瞬間にわかる。俺みたいに、運が良くて八本の者もいれば、運が悪く一本しか生えてこない者もいる。だが、九尾は違う。九尾は、必ず九本の尻尾を持って生まれて来るんだ」


「それが力か?」


「それもある。だが、九尾にはもう一つの力がある。それは、自分の姿を本物の"化け狐"に変化させる力だ」


「化け狐? 狐の姿になるのか?」


「ただの狐じゃない。大きく、強く、無類の強さを持つ化け狐になるんだ」


「規模でいうとどれくらいだ?」


「そうだなぁ……九尾のその力があれば、一人で国一つを半壊させる強さがある」


 それを聞いた烈毅は、顔には出さなかったが、この世界の大きさと、国の大きさを考えた時に、ゾッとした。もしも、その力が"表の世界"で使われたなら―


 想像もしたくないが、そんな力を持っているのかと、改めてキュウの存在の大切さを理解する。


 そして、疑問が一つ、烈毅の頭に浮かび上がる。


「なんでキュウなんだ? ネキツさんじゃダメなのか?」


「それはな……」


 あまり言いたくないのか、カゲロウはその答えを渋る。烈毅は、急かすようにカゲロウに問いただす。


「なんだよ、教えろよ」


「……キュウが子供だからだ。小さくて、力がない。だから狙った」


「……まだ隠してることがあるな?」


 烈毅は見逃さなかった。カゲロウの動きに焦りが出たことを。


「はぁ……俺は言いたくないんだよ」


「ダメだ。これは約束だ。言え」


「…………キュウは子供だ。その力の制御なんてまだできない。だから、無理にその力を発動させ、勝手に暴れさせるためだよ」


 その言葉に、烈毅は怒りを覚える。


「子供だぞ!? わかってるのか!? あんな小さくて何も知らない子供に、国を一つ壊させようとしたんだぞ!? それがどれ程の事かわかってるのか!?」


「わかっている!」


 烈毅が怒鳴り声を上げるが、それ以上にカゲロウも声を荒らげて答える。そして、ゆっくりと口を開く。


「わかっている……でも仕方がなかった。……妻と子を人質に取られたんだ。そして言われた。『もしキュウを確保出来なかったら妻と子を殺す』ってな」


「なっ……!?」


「はは……もしこれが知れれば妻と子は殺される。速いとこ、俺も逝かないとな」


「……だから、お前が勝った時の条件が『一緒に戦ってくれ』だったのか?」


「…………」


 カゲロウは、何も答えず下を向く。


「ちょっと烈毅、話が長いわよ」


 そこに、烈毅をずっと待っていたミーシュがキュウを連れてやってくる。どこからが見ていたのか、もう戦いが終わった事は分かっていたような口ぶりだった。


「ああ、悪い。キュウは?」


「心配ないわ。この通り気絶してるだけ」


「そうか、なら良かった」


 だが、そういう烈毅の顔は、決して嬉しそうにしている様には見えず、どこか迷っているような顔をしていた。


「烈毅?」


 ミーシュも、早いとこ逃げたいのか、今にも走り出す気がある素振りを見せ、足を忙しそうに動かしている。


「行け、人村烈毅。もうキュウは取り返したんだ。用は済んだんだろ? なら、早く逃げればいい。そろそろあいつらの魔法も解ける頃だろう」


「あら、知ってたのね」


「俺は少しそういうのに敏感でね。すぐに分かったよ」


 乾いた笑いをしたカゲロウを見て、事情の知らないミーシュは首を傾げる。


「ほら、逃げろって言われてるんだから、さっさと―」


「ごめん、無理だわ」


 言葉を遮って発言した烈毅の言葉に、ミーシュは顔を顰める。


「……何かあるのね?」


「うん」


 先程の乾いた笑いと、烈毅のその顔の様子を見て、ミーシュは短くため息を付き、烈毅に近寄る。そして、烈毅の頬に優しく手を添える。


「わかった。事情は聞かない。だけど、これだけは約束して。……絶対に帰ってきて」


「わかった」


「俺は頼んでないぞ」


「頼まれたからやるんじゃない。俺がやりたいからやるんだ」


 カゲロウは起き上がり、烈毅はカゲロウの方に体を向け、視線を合わせる。


「俺とお前で救う。そして、このくだらない戦争を終わらせる。いいな?」


「相手は何百万もの強者揃いだぞ?」


「俺を本気にさせた男だ。俺は大丈夫だと思うけど?」


「ハッ……本当に面白い男だよ、お前は。……もし、もし俺に何かがあった時は…………お前が家族を連れて逃げてくれ」


「その何かは絶対に起こらない。というか起こさせない。神に誓ってだ」


「わかった」


 カゲロウと烈毅は、握手を交わす。ミーシュは、それを見届け、キュウを連れて城へと全速力で戻る。ミーシュの足だと、一週間はかかるだろうが、何も無いだろう。


「……って事で、作戦だけど」


「何かあるのか?」


 烈毅は、ニヤリと怪しい笑みを見せる。


「その顔は、何かある顔だな」


「いんや、何にも思いつかん!」

この場を借りてお聞きしたいのですが、今は2000字程度で書いているのですが、もう少し長くした方が良いでしょうか?それとも、このままでも大丈夫でしょうか?もし増やすのなら、何文字ぐらいが良いでしょうか?


よければ、ご意見ください。

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