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村人が世界最強だと嫌われるらしい  作者: 夏夜弘
第一章 嫌われ者
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抜けられずの島 8

 完全に倒れ込んだダークドラゴンを見ながら、烈毅は首を鳴らし、「まだやるか?」と殺気を放ちながら問う。


 ダークドラゴンも、これ以上やられたら殺されると分かっていたため、自信が持つ治癒魔法で癒し、怪我を修復させていた。それでまた攻撃を仕掛けるなら、その時は本気で殺すと、烈毅は決めていた。


「さっさと邪神の所に帰れ。お前がいるとこの島から抜け出す算段が立たねぇんだよ」


『言われなくてもそうする。次会う時は必ず殺す』


「邪神と一緒に来い。二人ともボッコボコにしてやるよ」


 そう伝えると、治癒魔法で優先的に回復させた翼を広げ、ゆっくりと空中に上昇していく。


『…………貴様らは我に勝った。だからその褒美に、この島にかけられた魔法を解いてやる』


 そう言ったダークドラゴンは、勢いを付け、かなりのスピードで空にある太陽目掛けて飛んでいく。すると、パリンと音が鳴り、そこから亀裂が無数に入り、窓ガラスが割れた時のような感じで、魔法が消えていく。


 何故そんな事をしたのかわからない。だが、ほんの少し、わかる気持ちもした。

 あの戦いをしてる最中の二人は、両者共に戦いを楽しんだ様な顔をしていたから―


 先程まで晴れていた偽の空が無くなり、今は満月が空に昇っている。突然襲ってきた空腹に腹をならし、空を見上げながら「飯にするか」と呟いた。



――――――――――――――――――――――――


 その頃、とある場所では……。


『ほう……あれが人村烈毅か。中々に面白い奴ではないか! こんなに久しぶりに体が疼いたのは何百年ぶりかなぁ! なぁシェン!』


『はぁ……お前はそう言うと、絶対に止められなくなるからめんどくさいんだよ……わざわざ()に行くのもめんどくさいし……あぁ~めんどくさい』


『なんだよぉ、別にいいだろ!? っていうか、お前もそれなりに気になってるだろ?』


 そう言われると、少しは気になってしまっていたシェンは、何も答えず無言のままでいる。


『俺はあいつが気になって仕方がない! ちょっくらちょっかいでも出しに行くか!』


『まだ早いんじゃないかー? それに、人村烈毅は神をも超える力を保有しているかもしれないし。だから、いくら戦乙女のお前が戦ったとしても、五分か負けるかのどっちかだよー?』


『なんだよ、俺の神獣ともあろうものが、そんな弱気でどうする!?』


『そりゃあそうなるでしょう……っていうか、そろそろ俺って言うのやめて? 可愛い顔して俺って言うのは気持ちが悪いんだけど』


『何をぉ!? 呼び方なんてどうでもいいだろう!?』


『はぁ……ワル、僕は少し疲れたから、寝室で寝るね~』


 ふわぁ~と欠伸をしながら、ゆっくりと足音も立てずに歩き出す。


『あっ、待てシェン! 俺の話はまだ終わってないぞ!?』


 それに続くかのように、玉座に座っていた体をよっこらせと起こし、シェンの尻尾を追いかける。



――――――――――――――――――――――――


 それから数時間後、ファイアと連絡を取った後、物凄いスピードで駆けつけてきたファイアは、ワンワンと泣きながら謝罪をして、お詫びに一発殴ってくれとまで言い始めて、大変な事になっていた。


 再び魔法をかけられると面倒なため、その島は離れることにした。烈毅達は、ファイアの背中に飛び乗り、飛び立った。その際烈毅は、海のある一点を見つめなていた。ここに来た時に見つけた、あの光っていた何かを見つめながら。


 星が川を作り、綺麗な月が地上を照らしている頃、烈毅達は、再びメルクリア国に帰還したのであった。とは言っても、今はメルクリアを敵に回している。迂闊に人が集まる所には行けない。


 その為、絶対に人が来なさそうな崖がある場所に降り、人が暮らせそうな洞窟が無いかを探すことにした。


 それはすぐに見つかり、洞窟の入口は海の方向を向いているし、奥行もあり天井も高い。隠れ家には持ってこいな場所を見つけ、そこに住むことにした。


「ファイア、お前あの洞窟に入れる?」


『いや……入れん』


「なんとかして入れないの?」


『方法はある。だが、我はあまり気が進まないんだが……』


「今はそんな事言ってられん。その方法で頼む」


『はぁ……仕方がないか』


 そう言うと、ファイアの足元に巨大な魔法陣が出現し、眩しい光が辺りを照らす。思わず目を瞑ってしまった五人は、何が起きたのかは目を開くまではわからない。


 そして、光が収まり、ゆっくりと目を慣らすように何度も瞬きをしながら、ファイアの方を見ると、そこには高身長なイケメンが立っていた。


「お前……ファイアなの?」


『あぁ……この姿は恥ずかしいから嫌なのだ』


 女性陣からは「かっこいい~」と声が聞こえ、ファイアは顔を両手で覆い隠す。


 高身長でスタイルはモデルの様な体型をしている。赤い綺麗な髪色に、輪郭は絵に書いたように整ったラインで、くっきりとした赤い瞳は、何者をも惹き付ける魅力を持っている。服装は何故か真っ赤なタキシード。だが、それでもファイアには何故か似合ってしまう。青年と言うよりは、若い執事と言った感じだ。


「なんだお前、めっちゃカッコイイじゃん。そっちの方がモテそう」


『恥ずかしいから言うな!』


 それから、六人は洞窟へと入っていった。

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