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村人が世界最強だと嫌われるらしい  作者: 夏夜弘
第一章 嫌われ者
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この世界は、何もかもがおかしすぎる 1

 この世界に来てから、俺は戦いに戦いまくった。だって、世界を救えとか言われたから。


 ステータスは好きなように確認できる。思い浮かべれば目の前に画面が現れ、そこに所持金やらアイテムやらマップやらステータスやらが細々と書かれている。


 今のレベル表記はLvMAX、となっており、ステータス欄は数値化できず、どれもこれもクエスチョンマークが書かれている。


 ジョブは村人。そのせいで、武器は装備できないわレベルは上がるの遅いわで死ぬほど苦労した。


 ただ、なんでこのレベルまで戦って来たのかと聞かれると、何も言い返せない。まぁ簡単に言うと、この世界ではレベル千がMAXなのだが、レベル百を超えた途端、なんだか変なテンションになってレベルをMAXまで上げてみたくなってしまったのだ。


 今も、世界を救おうと生きているのだが、この世界は平和そのもので、今まで生きてきた中では、魔王軍襲来とかは無いし、モンスターが暴れて町を襲うとかもない。


 神がもし見ているのなら、どう思っているのだろうか。救えと言われても、何も起きないから暇で仕方ない。


 今俺は、位置で言うと日本に位置する場所にいるが、ここではそうは呼ばない。この国は、メルクリアと呼ばれるらしい。この国を統括する王の名前だとか。そして、今住んでいる町は、場所で言うと静岡県くらいだ。


 今は、ギルドと呼ばれる施設の掲示板を見ている。ジョブは、自分が口にしない限り、決してバレることはないから、安心して討伐できる。


「えーっと、今日は討伐依頼とかあるかなー……おっ、ケルベロス討伐か……これやるか」


 その紙を剥がし、受付へと持っていく。


「すいませーん、これを受けたいんですけど?」


「はい、ケルベロス討伐ですね。このモンスターは、レベル百以上推奨ですが、大丈夫ですか?」


「はい、大丈夫です」


「わかりました。では、クエストを遂行してください」


 クエストを受注でき、早速目的地へと向かう。


 場所は、メルクリア国中心部にある、廃墟の地下深くにいるらしい。よくも廃墟なんて入る気になったよな……俺でもあそこはレベル二百ぐらいで入ってるぞ?


 町を出ようと、門へ向かっていると、一人の男性が何やら演説をしている所を見かける。


「俺のレベルは百二十。ジョブは剣士! 俺はこの世界にモンスターを排出し続ける、魔王を打ち倒すため、パーティーを組みたいと思っている! 誰か俺と組むものはいないか!」


 あー。あれは勧誘か。よくある事だ。ああして個人情報を出し、それなりの強さがあると、そこへパーティーを組みたい人が集まってくる。まぁそりゃそーだわな。


 烈毅は無視し、さっさとケルベロス討伐へ向かう。


 門を出て、その廃墟へと全力ダッシュで移動する。馬よりも早く走れる烈毅は、一時間もしないうちに中心部へと到着する。


「ふぅ〜、ついたついた。ここに来るのは何年ぶりだ? まだ歳を取ってる頃だよな〜」


 そう。今は、二十三歳でストップしている烈毅。この現象は、レベルが三百を超えたあたりからそうなった。何となくその理由はわかってはいる。


 ユニークスキルだ。周りのものがどうなのかは知らないが、烈毅はレベルが五十を超えると、一つ追加されていった。


 そして、レベルが三百の時にゲットしたユニークスキルが、"不滅"というものだった。内容は、消えない、と四文字だけ書かれていた。


 廃墟の中へと入り、ズンズンと地下へ進んで行く。すると、何やら三つの鳴き声が聞こえてくる。


「お、ケルベロスが吠えてやがる」


 ケルベロスのいる階に到着するやいなや、ケルベロスがすぐさま襲いかかってくる。


「乱暴なのはいけません! おすわり!」


 手をスナップを効かせ、軽く引っぱたくと、ケルベロスの頭が地面に埋まる。そしてケルベロスが消えると、アイテムをドロップする。床には三つの穴が空いている。


「おっ、レアアイテムじゃん。ラッキー」


 アイテムは、装備に使うこともできれば、売却して金にすることもできる。レアアイテムとなれば、かなりの値段で売れる。


「よしっ。今日はこれを売って、肉を買うぞ!!」


 クエストクリアは、自動的にギルド側に伝わり、帰ってその事を伝えれば、報酬を貰える。すごく便利なシステムだ。


 廃墟を出ると、太陽が烈毅を照らしつける。今日はいい天気だ。


 来た道を同じスピードで駆け抜け、ギルドへ報告する。


「今日の依頼完了! 帰って飯食うぞぉー!」


 バンザイをして、伸びをしていると、ある人物に声をかけられる。


「おいお前!」


「お肉の事考えてたら腹減った。早く買わねば!」


「そこのスキップしているお前、聞いているのか!」


「ん? あ、俺? ……女じゃん」


 そこには、剣を背中に装備した、女冒険者が立っていた。

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