表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
村人が世界最強だと嫌われるらしい  作者: 夏夜弘
第一章 嫌われ者
26/130

旧友に会いに行こうと思います 8

 外に出た烈毅は、徒歩でメルクリア町へと帰っていた。


「せっかく姿隠してたのに。これでまた町を変えなきゃなんねぇじゃん。いっそ町作ろうかな」


 そんな冗談を言っていると、メルクリアへ到着する。到着したのはいいが、何やら中が騒がしい。


「ゆ、勇者様だぁー!」


「勇者様ー!」


 烈毅はその騒動を見るやいなや、人ごみの中を、糸を縫うように進んでいく。もちろん、フードを抑えながらだ。


 その中心で、ナーシェ、ミーシュ、レーナ、ルノがあたふたとしながら立っている。


「ま、まずいわ。こんなになるとは思わなかった」


「ナーシェさんのせいだと思います」


「「私もそう思う」」


「仕方ないじゃん!」


 そこに、烈毅がやって来る。


「後で話を聞くので、今は俺に捕まってください」


「「「「はい」」」」


 そう言って、皆は烈毅にしがみつく。

 そして、烈毅は大きく跳ね上がり、家の屋根の上に乗り、素早くその場から去る。そのまま、門を潜って外に出る。


 ある程度距離をとったところで、烈毅は立ち止まり、四人はその場に降りる。


「で、どうしてこうなったんですかナーシェくん」


「そ、それは……」



 ――それは烈毅が戻ってくる五分程前の事。


「ねぇ。そろそろお茶にしない?」


「まだ情報集まってないんですけど?」


「いいじゃん。烈毅戻ってきてからにしよ〜」


「ま、まぁナーシェさんがそう言うならお茶にしても……」


 そう言って、四人は近くの喫茶店に入ろうとしたその時だった。


 その日はやたらと人が多く、混雑していた。


 その中を歩いているところ、ナーシェが「あっ」と言葉を発する。誰かの足に躓いたのだ。


 そのまま何もすることができず、倒れるままに身を任せる。三人は、それをぼーっとしながら眺める。


 ドサッという音を立て、倒れたはずみでフードが取れてしまう。


「痛い」


 アホみたいな顔をして立ち上がるナーシェ。顔が出ていることを知り、「あっ」と声を漏らす三人。


「やばい」


 その一言の後、誰かが「ゆ、勇者様だぁぁぁ!」と歓喜の声を上げ、それからはもう言わなくても分かるでしょう。


 そして今に至るのだ。



「はい。事情は理解しました。さて、じゃあナーシェくん。貴方は重大な罪を犯しました。よって、お尻ペンペン一億回です」


「一億!?」


「冗談だよ」


「だよねぇ〜! あはははは……」


「俺の本気パンチで許してあげる」


「お尻ペンペン一億回の方がマシ」


「はぁ……まぁそれは後にして、目的の情報は手に入った?」


「それが……」


「その様子だと、あまり芳しくないようだね。まぁ仕方ないよ。次だよ次」


「そんなこと言って、この国一番の町へ入れなくなったことはかなりでかいわよ?」


「それをあんたが言うかねナーシェくん」


「お口にチャックするね」


「仕方ないか……俺のお友達にでも聞きますかね」


「「「「最初からそうしてくれる?」」」」


 四人は烈毅の問題発言に、眉を寄せながら烈毅に言う。


「だって、メルクリアに行って美味しいご飯食べたかったから……」


「「「「死ね!」」」」


「えぇ!?」


 ぷんすか怒りながら、女性陣は近くにあった川へ向かった。

 烈毅は、その場に座り込み、念話を使う。


 念話の相手は、烈毅が一番信用している情報屋だ。


「…………あ、繋がった?」


 念話相手に繋がった感覚がしたため訪ねてみる。念話は、口に出して喋らなくても言い為、心の中で呟いたことがそのまま相手に伝わる。


「なんだ久しぶりだな烈毅」


「おっす。何年ぶりだ?」


「二年ぶりくらいか?」


「そんなにか! にしてもガイン、お前少し声がいかつくなったなぁ」


「まぁな。ちょっと大声出しすぎたらこうなってたわ。がははははは!」


「その笑い方は変わらないな……それで、少し知りたい事があるんだけど、今いいか?」


「おう、大丈夫だぜ。で、何が知りたいんだ?」


「ここ最近で、勇者が増えたとか、変なモンスターを見たとか、怪しい人物が話しかけてきたとかっていう情報はないか?」


「怪しい人物が話しかけてきたってのは無いが、他の二つはあるぞ」


「被害はどれくらいだ?」


「被害なのかは知らんが、勇者が増えたって情報だが、これは各地で報告されているらしい。今のところ、俺の所に来たもので十件だ」


「十件か……やはり、勇者が増えた事は話題に上がるよな」


「それで、二つ目。これは、見たことのある"冒険者"が、モンスターになってたりだとか、何種類かのモンスターが合わさったような姿をしたやつだとかその他もろもろ。それが数え切れん程」


「その他もろもろの中に、絶滅したモンスターが姿を変えて現れたとか言う情報はないか?」


「ん? そんな情報は来てないぞ?」


「来てない?」


「来てない。だが、面白い情報が一つある。一つだけな」


「どんなものだ?」


「これはまだ発見されてない、未確認の情報なんだが……」


「なんだよ、もったいぶらず言えよ」


「…………魔王が動き出した」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ