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村人が世界最強だと嫌われるらしい  作者: 夏夜弘
第一章 嫌われ者
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とりあえず特訓だ! 8

 さて、こいつをどうしたものか……。


「貴様には、懸賞金がかけられており、さらにお前を倒せば姫と結婚できるんだ。俺はお前を意地でも殺す」


「どっちが悪者か分かったもんじゃないな……」


「黙れ。お前はこの剣の最初の餌食にしてやる」


「お前持ってるのもしかして魔剣だったりしてな!」


「ふざけるなぁ!」


 その一言が頭にきたのか、リバイスはいきなり斬りかかって来る。


 そのスピードはあまりにも遅く、そして貧弱な攻撃だった。


 烈毅はため息をつき、がっかりした顔でその攻撃を人差し指で止める。それ程に弱すぎる一撃なのだ。


「なっ!? この我の攻撃を指で……ありえない!」


 さらに貧弱な攻撃は続く。いいところを狙うのはいいが、その一撃は本当に弱い。くだらなさすぎる。


「ほらよっと」


 烈毅は少し力を込めて剣を殴ると、その剣は粉々に砕かれる。


「な、なんでだっ!?」


「お前さー、アホすぎるよ。まず一つ目に、エクスカリバーは女しか持てない。二つ目に、勇者はお前みたいに弱くない。三つ目に、お前のレベルだとまず勇者には選ばれない」


「ふざけるなぁ! 俺は鍛えて五十までレベルを上げて、ダンジョンに潜ったら突然目の前に神が現れ、この剣と力を貰ったのだ!」


 力? ファイアの言っていたこと、こういうことだったのか……。


 怒りで我を失うリバイス。みるみるうちに、黒いオーラを纏い、肌が黒く染まっていく。


「おい、そこまでにしろ。それ以上力取り込んだら人間に戻れなくなるぞ?」


「構うものかぁあ!」


 リバイスは黒いオーラに完全に呑み込まれる。牙が生え、角が生え、翼が生え、あらゆる所が変異する。


「もう、手遅れか……」


 すると、リバイスの後ろから、ようやくここにたどり着いた冒険者達が、リバイスの姿を見て足を止める。


「おいお前らー! そこから一歩も近寄るなよー! 死ぬぞー!」


 その言葉には耳を貸さず、冒険者は皆恐る恐るリバイスに近づいて行ってしまう。


「まずいっ!」


 リバイスが近寄ってきた冒険者を攻撃しようとし、それは流石に見逃せないと思った烈毅は、腕が振り下ろされる前に、リバイスと冒険者の間に瞬間移動する。


 その攻撃を片腕でガードしようとするが、思いもよらぬ威力に、烈毅は飛ばされてしまう。


 だが飛ばされても数メートル。再び地面に着地したと同時に同じ所へ戻る。


 次は、烈毅がリバイスの腹部に殴打を入れる。その一撃にリバイスは吹っ飛ばされ、数十メートルも飛んで行く。


 烈毅は後ろに振り向き、大声で叫ぶ。


「早く逃げろ! 死にたくなけりゃ今すぐ山を降りろ!」


 少し殺気を込めて言ったため、冒険者達はそれにビビって走って逃げていく。


「ちくしょう。これでまた俺の評価が下がるな」


 短くため息をついて前を向くと、目の前にはリバイスの拳があった。


 その距離はほんの数センチ。だがその攻撃を屈んで避け、立ち上がる勢いで顎に強烈な一撃を与える。


 その一撃で宙に飛ばされるリバイス。烈毅はさらに追い打ちをかけようと、同じ高さの所まで飛んでいく。


「お前は、ここで死ね」


 道を間違えた者に、戻る道など無い。あそこで踏みとどまれば、戻る事は可能だったのに。


 烈毅は渾身の一撃を腹部に入れる。


 地面に落ちた頃にはもうただの肉片となり、無残な姿となる。


 多分、この先も騙されてしまう者は多いだろう。勇者なんて、そう簡単になれるものでは無い。


 死ぬほど努力しても、勇者に選ばれないものだっている。俺はそいつらを知っている。


 どんだけ勇者になると口にしても、どんなに優しくても、選ぶのは神だ。素質が無いなんてのは論外だ。


 だから、勇者になれずに挫折した者は、戦うことを辞めてしまうのだ。


「さて、ファイアのところに行くかな」


 その夜は、あまり眠れなかった。


 翌日、一件の事を話した。隠しても無駄だと思った。


『やはりか……おかしいと思ったのだ』


「まぁ、勇者だと思うのも無理はないな。聖剣紛いの物を持ってれば誰だってそう思う」


「でも、勇者だって騙すのは酷すぎる……誰だってそう言われれば嬉しいし信じちゃうよ……」


「ルノの言う通りね。私も、多分そう言われれば信じちゃうもん」


「私は魔法一筋だから意味無いわね〜」


「お前、賢者目指さないの?」


「いやよめんどくさい。本読むより、体動かして覚えた方が楽しいわ」


「そ、そうなんだ……」


「それで、今後の方針はどうするのよ?」


「それなんだが……」



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