表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
村人が世界最強だと嫌われるらしい  作者: 夏夜弘
第一章 嫌われ者
12/130

とりあえず訓練だ! 2

「うぅ〜……」


「あ、起きた?」


「うぅ……私はなぜ眠っていたのだ?」


「あぁ、俺がお前の師匠の師匠だっていったら気絶したよ」


「ああ、そうか……って、なるかぁー!」


「ひぃっ!」


「ん? 今の声は誰だ?」


「ああ、ルノだよ。さっき目を覚ました」


 烈毅の背中から、ひょっこりと顔を出すルノ。まだ怯えている様子が見て取れる。


「で、ここは……森?」


「そう、富士の樹海」


「なんだそれは?」


「ああ、こっちだとそうは言わないか……まぁ、わかりやすく言うと、この国一危険な山の中って言えばわかる?」


「…………まさか、最悪のフォレストなのか……?」


「ああ、そう、それそれ。まぁ今は俺がいるから安心してね」


「安心できるかぁー!」


 ここ、最悪のフォレストと呼ばれるこの森は、日本で言う富士山の位置にある。富士の樹海と言えばみんなわかるだろう。


 この世界では、森はかなり危険な場所で、超上級ジョブの冒険者でも、一人では迂闊に入れない。その世界の森の中でも、ここはトップファイブを争う危険度を誇るのだ。


「まぁまぁ。それで、話戻すけど、俺がお前の師匠を教えてたってことは理解してくれた?」


「…………正直、認めざるを得ない。お前の実力は確かにすごい。だから、そう言うことがあってもいいだろう」


「あら、正直じゃん。俺そういうの好きよ」


「う、うるさい!」


「ダメよっ! 烈毅は私のなんだから!」


「お前は引っ込んでなさい」


 ルノが烈毅の背中から飛び出し、胸を張りながらそう主張する。烈毅は、そんなルノに軽くチョップをして引っ込める。


「だが烈毅。それだからなんだと言うんだ?」


「実はさ、あいつが弟子を取ったのは知ってたんだけどさ、それがまさかお前だとは思わなかったわけよ。でな? 俺頼まれてるわけよ。『俺が死んだら弟子を頼む』って」


「そうか……師匠が言っていたのは烈毅の事だったのか……」


「……なんだ、その……師匠の事は、残念だったな」


「ああ。だが、私は師匠がいなかったらここにはいない。だから、感謝をしている。少し寂しくはあるがな……」


「そうか……じゃあ、師匠ほど優しくはないが、俺が第二のお前の師匠になってやる」


「え?」


「だから言ったろ。頼まれてるって」


「…………」


「村人に教えられるのが嫌ってのはわかる。だけどさ、またいつどこでどんな時に襲われるかわからない。だから、村人って言うのは今は置いといてさ、強くなろうぜ?」


「…………」


 流石にこうなるのは仕方が無い。烈毅も、困ったもんだと腕を組み下を向く。すると、ルノがレーナの前に行き、喋りかける。


「烈毅はね、いい人だよ。私にも戦い方を教えてくれたし、他にも知らないことたくさん教えてくれた。私のお父さん的存在。心の底から愛してる」


 そこまでストレートに言われると流石に恥ずかしい。


「それに、烈毅ってわりとおっちょこちょいだから、近くには誰かいてあげないとダメなの。だからさ、一緒に烈毅についていこ?」


「おい待て。俺はおっちょこちょいなんかじゃないぞ」


 ルノはレーナの手を握り、ニッコリ笑顔で微笑む。


「…………私は、確かにお前の事をまだ信用していない」


 烈毅は、真剣な表情になり、頷く。


「だけど、これからお前と一緒に過ごしていく中で、少しずつ信じていける所を見つけたいと思う」


「そうか」


「だから、私はお前に付いていくよ。よろしくお願いします、烈毅」


「おうよっ。こちらこそ、これから頼むぞレーナ」


 レーナは、万遍の笑みを烈毅に向ける。その笑顔は、初めて烈毅に見せるものだった。


「じゃあ、とりあえず、どこの町にも住めないから、ここに家作るか」


「私、やっぱりこいつは信用出来ない」


「流石に私も今の発言には驚きを隠せないわ」


「「馬鹿じゃないの?」」


「なっ!? 二人揃って言うことないだろ!? 俺の建築スキルは凄いんだぞ!?」


「ふ〜ん。じゃあ、この死と隣合わせのここで、それに耐えうるくらいの家を作って見せなさいよ」


「私、戦えないから戦闘はまっぴらごめんなんだけど」


「なーに! 俺がここにある木だけを使って、めちゃくちゃすごい家を作って見せてやるよ!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ