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8話

 さて、準決勝。


 残ったのは先ほどお調子者を軽々とうちのめした、あのちっさい少女と、いまだに特徴を掴みきれない黒衣の男。


 準決勝でそのどちらかが勝ち残り、決勝で戦う事になる。


 しかも恐ろしい事にその二人ともまだ本当の実力まで出し切っていない様子だということだ。


 どちらの勝利に転がっても、少年の勝ちに軍配が上がる要素があるとは言えない現状である。


 試合開始のゴングが鳴る。


 最初はお互いにけん制し合っていたが、しびれを切らしたちっさい少女から先に攻撃を仕掛ける。


 まずはお手並み拝見とばかりに炎の玉を一発、黒衣の男に向けて放った。

 男はそれを最小限の動きのみでかわす。とくに驚きの表情もなく洗練された歴戦の戦士といった感じの雰囲気である。


 それを確認した少女の攻撃は止まらない。今度は複数の炎の玉を同時に男に目掛けて放つ。が、これにも男は動じず、難なくかわしきってしまう。


「あら、私の攻撃をそう簡単に避けられてしまうと、私も本気を出さざるを得なくなってしまうわね」


 戦いの中で闘争心に火が付いた少女。だが、それを見ても尚、男は顔色ひとつ変えようとはしない。


「これくらいにしておいたらどうだ? どうせお前では俺にかすり傷ひとつつけられやしない」


 無表情で淡々と男は言った。それが少女は気に入らなかったらしく、苛立ちの顔を浮かべる。


「なんなのよ! すかしたヒーロー気取っちゃって! 吠え面かかせてやるんだから覚悟しなさい」


 少女は怒りにまかせ、無数の炎の玉を男に目掛けてやるも、やはりその全てが見事にかわされてしまう。


「フフ……。そうやって挑発にのるとすぐに攻撃が感情的になってしまう癖はまだ治らないようだな」


「……!? ま、まさか貴方は……」


 なにやら悟ってしまった少女。


「そうだ。貴様の兄だ。家を飛び出してから2年間、俺はヒーローになる為修行してきた。そうして今ここに立っている。天才のお前にくらべ、凡才である俺は苦労こそしたが、ようやく戦えるまでになった」


「もうバカ! 何も言わないで何してんのよバカ! ずっと……心配してたんだから……」


「俺は世界を……。そしてお前を守る為に帰ってきた。……だからもうどこへも消えたりしない。……絶対だ」


「……バカなんだから」


 そうして二人は、手を取り合い、そして、よく分からないまま準決勝の舞台を後にした。


 そうして迎えた決勝戦。


 不戦勝で少年は勝利を手に入れた……!

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