ドイル王国軍元帥ノック・メネラウス火山頭
「フォード!!最大防御!!」
「了解!!」
フォードと呼ばれたのは援軍としてクレア、プレヴェンとともに来た宝人族の青年。
フォードが地に手を付けると地面から黒い粒子が大量に出て来た。
黒い粒子はクレーターの上に覆い被さると規則的に蠢きあいそして、透明なドームに変化した。
あれは?
隕石が分厚い透明なドームにぶつかると大きな音が鳴り響いき、ドーム内にも衝突の衝撃が届いた。お陰でチェスターも体制を崩したので核焔が解けた。
今頃、一番近い王国では大騒ぎになっていることだろう。
隕石とドームの接触面を見てみると僅かだが溶けていってるのが見えた。
「ガラスか?
いや、それならこんなには硬くないし、溶ける速度も遅すぎる。
それにガラスを操る宝人族なんて聞いたことがない。」
「エアロ、王太子殿下の名前を覚えてるか?」
王太子?
「確か……あ。」
「はい、俺はドイル王国王太子のフォード・ダイヤモンド・モース・ダーウィンです。」
「ダイヤモンド…。
あのドームは全てダイヤモンドなのか。凄いな。」
贅沢過ぎる盾だな。
「そうだなッ!!」
俺の言葉に同意しながら核焔を放つチェスター。
だが、身体がもう一度食らうのはヤバイと判断し座標魔導で飛ぶ。
まあ、あれは封印も出来ないから仕方がない。
飛んだ先には久しぶりに現れたフレイヤ。
槍が風を切る音がずれてるので違和感のある突きを繰り出してくるが、また座標魔導で飛ぶ。
今度もクレアの後ろか。
「ハアッ!!」
ノックがすぐに振り向き横から切り掛かってくる。よく見るとオレンジと光を纏っていた。
「もう封印が解けたのか!?」
「僕のだけだけどね!!」
「なら、もう一度封印するぞ。」
「それをさせるとでも?」
チェスター!?
「真空核弾砲」
横からの見えない衝撃で吹き飛んだ。
壁にめり込み飛んで来た物を見るとあったのは高熱を発する鉄球だった。
ついさっき感じたのと似てるので試してみたがやはり、座標魔導が使えない。
核焔が入ってるな。
身体た溶け始めてる。
もう一度、隕石を撃ってもフォードが止めるし、座標魔導が発動出来てもオーリンズ、フレイヤ、ジャックが対応するだろう。
今にシーザーの封印も解けたようだ。
身体も反応しているが四肢が溶けてるので動けない。
「衛星軌道砲撃」
壁にめり込んでいるので見えないが測量スキルで全方位に危険信号が出ているのが分かる。
ようやくか。
光に包まれる瞬間、かつての仲間たちの顔が目に入った。
上役になったというのに情けない顔をしている。
だが、
もう一度、会えて良かったと思った。
「命令解除封印解除。状態固定封印解除。
浄化します。
《天上の調べ》」
1340年11月27日、戦争終結。
1340年11月30日、アンペール戦争と名付けられる。