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ドイル王国VS死者兵団  作者: 赤石火飛
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ドイル王国軍大将チェスター・スミス魔導長


「シーザー様!お下がりください!」


ジャックが怒鳴り気味に男女の人形を操りながら徒手格闘の白兵戦を仕掛けてくる。実質3人分の攻撃だから少しきついが生前からノック、チェスター、オーリンズの3人と訓練していたのでギリギリだがまだ相手にできる。


しかし、近接戦闘が比較的苦手なシーザーはこのうちに後方へと逃れた。


「よしそれで良い。

今のシーザーの攻撃は封印するしか防げなかった。封印を解いてもう一度やれば俺を止められる筈だ!」


あれ?でも俺以外に封印魔導使える奴っていたっけ?


「師匠!遅れてすみません!!クレア・セレ・シェイクスピア!ただいま到着しました!!」


チェスターの真横の空間に見慣れない本が突然現れた。そして、そのページがパラパラと勢いよく開き真ん中辺りで止まるとページが光り中から人が出てきた。

何だあの女?チェスターに向かって師匠と言ってたからあいつの弟子か?


「やっと来たか。

シーザー!ノックの所まで退がれ!クレアが封印魔導を使えるから解いてもらえ!」


「チェスター、その子は弟子か?」


「ああ。フレイヤの親戚だ。」


フレイヤの親戚か。そう言えば髪がお揃いの深緑だな。


「チェスター様。そろそろ私もキツくなってきました。」


「分かった。

丁度、他にも援軍が来たところだ。」


ジャックが離れると交代でオーリンズとフレイヤ、チェスターと援軍2人が向かって来た。


右から左、円を描いて上から下へ流れるように切り替えて斜めに振り上げる。綺麗で素早い王国剣術を絶え間無く繰り出すオーリンズ。両手に短槍と長槍を持ち亜音速で穿ちにくるフレイヤ。圧力魔導で移動範囲を絞り込み俺が遠くに飛んだら鉄鋼魔導で足止めして追いかけてくる。足止めの際、1番速く追いかけてくるのが援軍は2人でそのうちの片割れだった。


「速いな君。見た感じ貴族の様だが、名前は?」


「どうも。

名前はプレヴェン・ベンツだ。恨みはないがこれでも食らっとけ。」


俺の両腕を無理やり気味に抑えるプレヴェン。口の前に魔法陣!?


「マジか。」


黒星竜の咆撃(ドラゴンカノン)!」


プレヴェンの口から黒銀の質量を持った光線が放たれた。


重い!!?




気がつくと低い場所にいた。

周りを見ると自分が巨大なクレーターの中心にいることが分かった。

両腕に違和感を感じたので見てみると肩から千切れたらしく再生している途中だった。


仮初めの身体だから痛みを感じたりはしないけどキモいな。



再生を眺めているとチェスターたちが降りて来た。


「プレヴェン、やり過ぎだ。」


「すいません。チェスターさん。」


「結構驚いたんだが竜人なのか?

それにしては特徴がないが。尻尾とか鱗とか。」


「クォーターですよ。てか、何で腕が千切れただけで済んでんの?クォーターとはいえ最大出力で撃ったんだけど。」


「そういえばそうね?

貴方そんなに打たれ強かったっけ?エアロ。」


「いや、全くだ。

調べてみるか。」



身体細密測量(バイタルチェック)


………。


「なるほど。」


「何か分かったの?」


「ああ。

最後の命令が下された時に強化されたみたいだ。強化触媒に契約用の魔導書、不死鳥の羽根ペン、俺が生前愛用してた武器が使われてた。」


「あれ?エアロ君って愛用の武器とか持ってましたっけ?」


「さあ?」


首をかしげるオーリンズとフレイヤ。

シバいたろか?


「持ってたよ!2mある鋼鉄製の定規だよ!」


振り回してるの見たことあんだろうが!?


「アレ、武器だったのか…。」


「ただの測量道具か趣味だと思ってた。」


「てか、鋼鉄製だったんだ。」


シーザーは仕方ないとしてチェスター、ノックお前らもか。


って、そんなこと言ってる間に再生が終わったぞ。



座標魔導!?


飛んだ先には女の後ろ姿。


マズイ!?


「封印魔導士が狙われてるぞ!!」


俺の声に反応したシーザーが土魔法で地面を隆起させて何とか回避した。


「クレアが狙われたか。

ますます、本気を出さざる得ないな。」


「チェスター君の本気は地形が変わるんであまり出して欲しくないんですけど。」


チェスターの本気か。

地図の書き換えが大変なんだよな。生前は俺が書き換えしてたんだよな。俺の死後はオーリンズがやってんのか。ご苦労様。


牽制でジャック、オーリンズ、フレイヤが足止めをしてチェスターとプレヴェンともう一人が準備をする。


「しかし、クレア様がやられてしまえばそれよりも地形が変わることになるやもしれません。オーリンズ様」


「ジャック言う通りよ。オーリンズ。」


「背に腹は変えられないか。

はぁ、憂鬱だな。」




文句を言いながらも首を狙ってくるオーリンズ。


「よっしゃ。いくぞぉ!!!」


準備早くね?


「結界張るだけだからな!」


なるほど。


「先ずは、潰れろ!」


広範囲の重圧。

圧力魔導。


「串刺しだ!」


容赦ないな。


下から鉄槍。

鉄鋼魔導。


「飛ぶに決まってんだろ。」


座標魔導で飛んだ先には、


「珍しいだろ?」


食虫植物!?しかもデカイ!?


「エルフ族以外じゃ会得は困難な植物魔導だよ。」


流石は魔導“長”か。

早く拘束を解かないと溶かされるな。


「まだあるぜ?

炎魔法を極めると会得出来たんだ。

燃えろ!」


シュボッ


は?

植物が一瞬で灰に?つか、座標魔導が使えない!?


「核焔魔導と言う。炎魔法、炎熱耐性、状態異常耐性をLv10にして漸く会得出来るまとでな。


最低温度は8,000度、最高温度は15,000度に達し、他の魔法系スキルの発動を妨害する効果がある。もっとも、スキルを発動する前にみんな焼滅するんだけどな。」


なんだ、その魔法使い殺しの魔導スキル。

今の俺の身体は熱さも感じないから大丈夫だけどお前、なんか俺に恨みでもあんのか?


確実に殺りにきてるよな?


「身体が融解と再生を繰り返してるようね。

これはチャンスかも。」


フレイヤ、それはまだ早いぞ?

あ、発音出来ねぇや。だが声に出さずともスキルは使える。

要は魔法系スキルじゃなければ良いんだ。


ほら、固有スキルの発動だ。



俺の固有スキルは、無差別治療。

動物、植物どころか生物、無生物、有機物、無機物関係なく治療するスキル。


発動された無差別治療は今いる咆撃により抉られてクレーターとなった大地に対してのものだ。


無くなった大地はどこから持ってくる?


惑星を人として考えると分かりやすい。


大地は身体。地表は皮膚。クレーターは傷。

傷は細胞が分裂して治る。

細胞が分裂するには栄養が必要だ。

栄養は身体の外から入ってくる。



栄養=外から入ってくる。

人=惑星。

惑星の外から入ってくるものは?



「はて?何か音が聞こえるような?」


やっぱり最初に気付いたのは獣人のジャックか。


「確かに聞こえます。」


次に竜人のクォーターのプレヴェン。


「上だ!!」


で、勘のいいノックか。


「固有スキルですね。」


宇宙から入ってくる惑星への栄養。

つまり、隕石である。


「大方、地面に対して治療したんだろう。」


正解だ。チェスター。

さあ、どうする?俺には止められないぞ?


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