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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

真のラスボスは勇者~私の武器は釘バット編~

一発ネタで、ご都合主義です。

続きはありません。

私は、恐山きょうやま叶音かのん

名前と名字は、突っ込んではいけません!


私の幼馴染は全くもてないイケメンです。

顔だけはいいんです。

顔だけは。

名前は、美津川勇気。

誰もが認める名前負けの男。

『イケメン』といえば、誰でももてると思うでしょう。

しかし、奴はもてない。

だって、中身が救いようのないクズだから。

これが、18歳以上が推奨の男主人公のゲームなら中身クズでももてるのに...


私が奴の幼馴染というだけで、私の周りは同情的です。

学校の先生、同級生、上級生、はては近所の大人たちから時々、お菓子をもらいます。『強く生きろよ』という同情的なまなざしとともに。

近所の子たちからは、『かわいそうなお姉ちゃん』と可哀想なものを見る目で言われています。

確かに私は可哀想です。奴の『幼馴染』という称号を持つことに。


そんな奴はとうとうやらかしました。

とある日の朝の通学中、奴は何の前触れもなく地面に現れた魔方陣の中に吸い込まれようとしていました。

何を思ったのか、奴の先を歩いていた私の腕を引っ張り、私を道連れにしたのです。

その時私は思いました。『他人を巻き込むな!』と。

次の瞬間には、きれいな空気の森の中にいました。

こともあろうに奴は、「大丈夫か?」と心配そうなふりして声をかけてきました。

自分が無理やり巻込んだくせに、『大丈夫か?』などとふざけたことを言われた時には、殺意が湧いて限界突破した。

私のいる近くの方から、人の声がした。

こういう、人間のクズを勇者召喚するという三流小説を最近読んだ。

『顔だけイケメン』が勇者という小説です。

もしかしたら、現在はそんな状況かもしれない。

私は即座に、奴を釘バットで気絶するまで殴りつけた。

奴が気絶したら、私はその場から逃げた。

釘バットに新たな血液がついていた気がするが、きっと気のせいです!


私の武器が釘バットなのは、美津川 武蔵たけぞうさんが『釘バット流術』を教えてくれたからです。

「愚孫が迷惑をかけるだろうから、か弱い女性のための武器が必要だ」と言って。

釘バット流術の基本は、ひたすら釘バットで殴るというだけです。

良心を遠くの方に投げ捨ててからすると思ったより簡単にできます。

普通は、こんなことをすれば犯罪です。

ですが、『奴限定』ですれば犯罪にはなりません。立派な正当防衛です。


私が森の中まで進むと、超絶悶絶スーパー美幼女がいました。

「よう来たな、人間の娘」

「ロリっ子―――!」

「幼女言うな。こう見えても、数百年は生きておるのだぞ!」

「ロリっ子魔王様」

ロリっ子につき従っている、美青年が言った。

「むぅ、なんでお前まで言う」

ロリっ子は、拗ねたように言った。

「事実です。娘、お前の望みは何だ?」

「私を巻込んで、この世界に召喚された奴を愛用の武器で殴りつけることです」

と言って、血まみれの釘バットを見せた。

ロリっ子と美青年はドン引きしているようです。

「そうか...」

ロリっ子は、顔色を悪くした。



数ヵ月後___

私は魔王城の訓練所で、魔族たちの協力を得て『釘バット流術』をさらに極めた。

そんなある日、魔王城に似つかわしくない清廉な空気を纏った美しい女性を見た。

私は彼女から異質な空気を感じ取り、気配を消して近づいた。

「ふふっ、今回の勇者はとってもカッコいいわ♪ 私のものにしようかな♪ 今から、勇者がこの戦いに勝ちやすいように、根回ししなくっちゃ♪ だって、私は女神だもの♪」

それを聞いた私は、お花畑思考な女神(?)をすかさず背後から気絶するまで釘バットで殴りつけて簀巻きにした。

なぜか、新たな血液が釘バットにベットリついていました。


魔王城の玉座まで、簀巻きを引っ張っていきました。

お花畑思考で頭の軽い女神(?)のくせして、ものすっっごく重いです!

「叶音、なんじゃそれ!」

ロリっ子魔王様は、驚いたようにソレを指差しました。

「さっき見つけた、自称女神です」

「おぉ、女神ソレは勇者召喚をした奴じゃな」

「そうなんですか?」

「あぁ、簀巻きで顔が分からんが、女神特有の髪色と雰囲気があるしな。なんで、そうなっておる?」

「実は、かくかくしかじかで__」

「フンッ、人間界の女神は相変わらず卑怯だな。そんなことで我ら、魔族に勝とうと思うておるのか!」

「今回の勇者は、人間のクズです。同類を呼んでしまったんですね」

「同類だからこそ、呼んだのであろう」

「なるほど」

ロリっ子魔王様は、遠い目をした。

過去の勇者も、相手にしたくないほど同類だったんですね...


奴と頭の悪そうな美女たちと美少女たちが来た。

「叶音、よかった。無事だったんだな。助けに来たぞ、こっちに来い!」

「お前が巻込まなければ、今頃のんきに『もみじまんじゅう』を食っとるわ」

思わず吐き捨てた。

勇者クズよ」

「ロリっ子魔王様、本音が出てます」

「つい」

「ぶっちゃけ、奴は勇者クズでいいですよ」

その間に、頭の悪そうな美女たちと美少女たちは魔法で攻撃してきた?。

「くだらない人間どもですね。人間以上に、魔法に歴史があり研鑽してきた魔族が対策を打たないとでも?馬鹿ですね」

嘲笑して私は言った。

「叶音、それ妾の台詞なのじゃが」

「すみません、つい」

「叶音、魔族に操られているんだな!今なら間に合う、こっちに来い!」

奴が世迷言を言ってきました。

それとともに、頭の悪そうな美女たちと美少女たちが私を睨みつけてきました。

せっかくの綺麗な顔も台無しな顔です。

「不思議ですね、この魔王城に悪鬼が忍び込んでいましたか...」

と言って現れる美青年エーヴェルト。

頬を染める頭の悪そうな美女たちと美少女たち。

「ロリっ子魔王様、エーヴェルト、分担しましょう。私はクズを、その他をお願いします」

「わかった」

「えぇ」

ロリっ子魔王様とエーヴェルトは魔法戦、私は釘バットによる物理攻撃。

私の釘バット流術に、反応できなくてなすすべもなくやられるクズ。

魔法戦は、ロリっ子魔王様とエーヴェルトの圧勝です。

美少女が、

「なんで、女神様の加護があるはずなのに...!」

女神(?)の卑怯作戦で魔族を根絶やしにするつもりだったんですね?

私は、気絶している女神ソレ(?)を指差しました。

美少女は、女神ソレ(?)を見て絶望しているようです。

ロリっ子魔王様とエーヴェルトは呆れている様子。

「叶音は知らなかったな。過去の勇者クズたちはこの方法で魔王城に攻め込んで、毎回失敗している。誰が人間界に侵略するか!このような頭のイタイ者たちもいるのに!」

「ですよねー」

「叶音、もう時間だな。元の世界のこちらに召喚された時間に戻そう」

「できるんですか?」

「妾を誰だと思っている、魔王だぞ」

「ありがとうございます」

「そっちに遊びに行くからな。『もみじまんじゅう』とやらを用意しとけよ」

次の瞬間、私は巻込まれ召喚をした時間の元の世界に戻っていた。



その後、ロリっ子魔王様とエーヴェルトがこちらに遊びに来たり、

奴は、あの世界で頭の悪そうな美女たちと美少女たちと自称女神に監禁されて愛されたりするのは、別の話。

読んでくださり、ありがとうございました。

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