BraiN EP1
学生で初投稿です。
分からないことだらけですので、
どんどん意見・指摘をお願いします。
雲一つない空。
一面土色の大地。
10メートル程の無数にある砂山に囲まれ、やや温もりのある風に、髪をなびかせる男にしては丸みをおびた小顔の少年、俺の至った結論は、これは夢だということだ。昨日もこんな光景の夢を見たし、きっとその続きか、何かなのだろう。さっきのどこか聞き覚えのある声の謎の説明。そして、このどこまで続くのか先の見えない大地。
2025年、全世界各地で地震、雷、大雨、暴風、さらには火山噴火の大災害により、地球から陸というものは無くなった。大地をそんなに恋しく思った覚えはないのだが、こんな夢をみるということはやはり、もう一度、地面を踏み歩きたいのかもしれない・・・。
とにかく、あまりに現実離れしたこの光景を俺は夢だと判断することにした。夢の中で夢だと認識することができたんだ。どうせなら夢でしかできなこと、たとえば、空を飛んでやろうと思い、目の前の土山を全力で駆け上がり、頂上付近でジャンプ。そのまま空中で停滞・・・と思いきや、重力に圧されて地面に落下。着地をきめることもできず、情けない悲鳴をあげてしまった。痛みが引き、座ったままの状態で顔を上げ、周りを見回すと、そこはやはり、永遠と続く大地があるだけだった。夢にしては痛すぎるし、あまりにもはっきりしすぎている気がする。
まだ、微かに残る痛みに耐えながらも立ち上がり再び周りを見回すと500メートル程先に、何か黒いものが動いているのが見えた。2.0以上ある視力を最大限にして凝視するとそれは、人のようにもみえるが全身真っ黒。そんなのが、わんさか蠢いている。恐る恐る、気付かれないように、辺りの岩陰を使いながら近づいていく。すると、思ったよりそいつらは小さく、俺の身長の半分くらい。そして一点だけ黒でない何かを見つけた。おそらく・・・人だ。その人物の意識はおそらくなく、黒の生物たちに担がれどこかへ運ばれているようだった。
あんな見たことがない生物がいるのだ。これは確実に夢のはずだ。さっきの浮遊実験は失敗したが、あれは実際に飛んだことがなく、イメージ力が足りなかったからだと自分にいい聞かせ、夢の中なら俺は最強だと暗示をかけた。そもそも、運動能力なら現実でも自身はあるし、喧嘩なら日常茶飯事。
岩陰から身を乗り出し、数メートルに近づいていた黒の生物に向かって俺は飛び込んでいった。