表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/28

翼竜と限界突破

(in森の奥地)


「そろそろか…?」


「がぅ。」


色々すっ飛ばして現在森の中。掲示板によるとここら辺のはずなのだが…


「いないな…どうする?」


「くぅん……」


俺がそう呟くとシルバは不安そうに空を見上げた。まぁ翼のある竜だし上から来るのかも知んないけど…速さはたかがしれてるし、大丈夫だろう。シルバも反射神経はかなりいい方だ。


「!ばぅ!!!」


「ん?」


(ドォォォォォン……)


シルバが急に吠えるので目線を上にずらすと…緑の翼を持った竜がこちらに向かって降りてきた。いやむしろ落下してきたの方が正しいか。かなり大きく迫力満点だ。


「……はえぇよ。」


「きゅぅ……」


間一髪でよけたものの間を空けず巨体がものすごいスピードでこちらへ迫ってくる。いや、軽くホラー。翼竜アッガルバーレの目つきは鋭く明らかにシルバを狙っているようだ。


(ぼんっ!)


「がうぅ!」


「グルァァァ!」


シルバは戦闘フォルムの超大型狼になり軽々と避ける。素早さではシルバのほうが上だ。どうやら俺は翼竜アッガルバーレの眼中に無いらしいので安全な場所でシルバの動きを観察。助けに入ってもいいのだがモンスター同士の一騎打ちも見ていて面白い。ピンチになったら助けるということで。



その後も2匹の攻防は延々と続く。本当に五分五分の勝負となっているがお互いの体には傷ひとつ付いていない。というのは翼竜アッガルバーレが攻撃を仕掛け、シルバがそれを避けるという単調な攻防しかしていないからだ。


だが今のところ翼竜アッガルバーレが有利っぽい。まだまだ余裕の表情なのに対しシルバは動き続けて息が上がっている。しかもシルバは避けることが精一杯で一度も攻撃を繰り出さない。そこを見計らったかのように翼竜アッガルバーレはシルバの背中に噛み付く。


「キシャァァァ!!!」


「っぐぁ!?」


「……あ。」


シルバの背中から鮮やかな赤い血が噴き出す。翼竜アッガルバーレは満足そうに頷き攻撃を再開しようとした。……無論、俺が黙ってるはずもなく。


「光属性神忌魔法【飛礫制裁サンツィオーネ】」


飛礫制裁サンツィオーネ】、初使用の神忌魔法。1000ほどの光の飛礫がひとつ残らず対象に襲い掛かる大技。神忌魔法に対応できる装備を付けていない限り再起は不可能。消費MP3億。


「上級治癒属性魔法【完全回復メッゾキュア】」


シルバに向けて治癒魔法。初めて会ったときに使用した魔法がこれだっけ。みるみる背中の傷が消えていく。約5秒で完全に元通り。


「大丈夫か?くっそもっと早く加戦しとけばよかった……」


そう呟くとシルバは勢いよく首を横に振る。


「がぅん!」


「うん……そうか、ありがとう。」


「♪」


なんかよく分からんが励ましてくれたんだと思う。気のせいか?……そんなことを考えていると突如頭の中で(ピコン!)と音がした。何だこの機械音。


(隠しスキル『限界突破』を取得しました)


「……は?」


あまりにも突然の出来事に口から間抜けな声が出る。限界突破ってあれだろ?よく出てくる奴だろ?


(何か質問はありますでしょうか。この機会を逃すと次のレベルアップまで分からないままになりますが。)


頭の中で無機質な声が響く。これは質問しても良いと言うことだろう。念話で通じるか?


「(限界突破で何か特典はつくのか?)」


頭の中で念じてみる。


(もちろんです。筋力や生命力などが999とカンストしていてもなおストップすることは無く増長し続けます。スキルも同じく今まで取る事の出来なかったスキルや隠しスキルがどんどん覚えられます。)


なるほど…予測の範疇内だ。むしろそれぐらいでよかったと思う。これ以上のチートが追加されたらそれこそ制限を掛けなくちゃいけなくなるし…シルバもモフれないし…


(よろしいですか?)


「(あぁ、ありがとう。)」


(それではまた。あ、割と出てきますよ私。)


「(マジか。ていうか女なのか?)」


(…またお会いしましょう。)


「(あ、スルースキル高いんですね…)」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ