初めての戦闘
「………ん?」
落ち着け俺、一旦頭の中を整理しようか。それがいい。
えっとまず、決定ボタンを押した。目の前が真っ白に光り輝いた。あまりの眩しさに目を閉じた。そのまま意識を失った。目を覚ますとここどこだ。そうかここは森だ。
「……だめだ、科学の限界を超越してる…」
…もしかして、もしかすると。ここって異世界?最初の質問にYesと答えたからここまできたのか?
俺は自分の服装を確認する。ここに来るまでは上下ジャージだった。でも今は…体が漆黒の布に覆われている。靴は履いてなかったはずなのに動きやすいブーツが。頭から首元まで服と同じような色のターバンが巻かれてある。なんじゃこりゃ。極めつけがいつもと目線の高さが違う。
「……【ウィンドウ表示】」
ブォンと淡い水色のウィンドウが出てくる。【ステータス確認】の欄を開くと表示されているのは俺が設定したそのまんまのスキルだった。
「…よっしゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
え?本当に異世界に来れたの!?やべぇ超嬉しい!!しかも初期から無双?最高じゃねぇかオイ!!
……んんっ。ふぅ、取り乱した。でもすごくねこれ?
「……(プルンプルン)」
「……お?」
…さっきの叫び声でスライムが。何だ結構可愛いじゃないか。プルプルしてる。
「(体当たり)」
「うお、あぶね。」
どうやらスライムは怒っている。まぁいきなり真っ黒な男が奇声上げたら威嚇ぐらいするわな。
俺も死にたくはないので御陀仏っ!俺は拳を振り上げ勢いのままスライムに落とす。
(パァァァン!)
「……あれ?」
…スライムが、吹っ飛ぶかと思ったら、潰れた。跡形もなくなった。あれ、何この力。手加減も必要ってことか?そりゃチートですから。
「キィィ!」
お、今度はゴブリン?こいつは素手で無理そうだな、闇斧でいくか。
「よっ」
「ギ!?」
(ズサァァァァァ)
…ゴブリンは真っ二つになった。そこまではいい。そうなるようにしたんだし。問題はゴブリンを斬りかかった後だ。注意を払い弱めに振ったつもりなのだが…後ろ20Mほどの木が薙ぎ倒れ地面はパックリと割れている。
「…これはないわぁ。」
思わず声に出してしまう。しばらくはこの森で修行しますか。