不思議な双子
色々な事実が判明したけども……とりあえず疲れたよ。俺の体内時計だともう5時。
「んじゃ、また明日。」
「え、どこいくんですか?」
「どこって…寝床探しに行くんだけど。」
正味な話、野宿はもう勘弁してもらいたい。やっぱりふかふかのお布団で寝たいじゃないですか。人間の性って奴です。なので残りの時間は宿探しに専念したいと。
「私の家に泊まっていけばいいじゃないですか」
「じゃあな。明日もギルドに居るから気が向いたら来てくれ。」
「あ、スルーなんですね。」
そう言い【転移】を使い短時間で町の中に入る。リースの家に泊まるとか…ないわぁ。両親いるんだろ?…ないわぁ。
…それは置いといて。宿ってどこにあるんだ?地形とか全然わかんない…。
「「旅人さん?」」
「うぉ!?」
あてもなく歩いていると目の前に同じ顔が2つ。めっちゃ可愛い双子。歳は10歳ぐらいの金髪幼女…嬉しいけど怖いよ!
「キャハハッ、ねぇねぇ、地図欲しいの?」
「欲しいの?」
「……はぁ?」
いきなりの登場にビビったが…この子達は地図屋のようだ。目の前に小さな小屋が建っている。恐らくこの地に来た旅人達にこの町の地図を売り生計を立てているのだろう。ええ子や…。
「…売ってくれるのか?」
「売るよ!私達の地図すごいの!」
「すごいの!精密なの!」
「へぇ……」
私達の…というところを聞くと親が居ないのだろうか。2人で生活?こんな年端もいかない少女が?泣かせるじゃねぇの!
「見せてくれるか?」
「いいよ、中入って!」
「入って!」
案内された店の中はお世辞にも綺麗とは言えない。物は散らかり足の踏み場も無いのだ。ただ落ちているのは地図屋だというのにもかかわらず紙やインクなどではない。ネジや設計図、見たことも無いような機械ばかりだった。何作ってるんだ…。
「なぁ、君達はここでなにを作っているんだ?」
「地図だよ!基本は何でも作れるんだ!」
「すごいでしょ!」
「あと私がラヴィ!」
「私がレヴィ!」
「……そうか。」
……全く見分けがつかん。よく見るとラヴィが水色の瞳、レヴィが青色の瞳。分かるかよ!
「お兄さんは?」
「あぁ…アスカ=アカツキだ。好きなように呼んでくれ。」
「…どうする?」
「どうする?」
「アスカって呼んでいい?」
「いい?」
「ご自由に。」
「それじゃぁアスカ、私達自慢の地図を紹介するね!レヴィ!」
「了解!」
レヴィはガラクタが積み重なっている机を荒らし……捜索し始める。
「あったぁ♪」
「ありがとー!…アスカ、私達力作のウォッチマップ!」
「見てみて!」
レヴィからウォッチマップといわれた腕時計型の何かを渡される。何これ?使い方が分からず適当にボタンを押してみる。
(ブォン)
「うわっ!?」
「「へっへ~ん!」」
双子達は得意げに俺の事を見ている。誰だってびっくりするだろう、腕時計型の何かを渡され適当にボタンを押したらホログラムの地図が出てきたのだから。
「……なに、この町の地図売ってるんじゃないの?」
落ち着きを取り戻し改めてホログラムを見る。世界地図ということは分かるが…大規模すぎやしないだろうか。
「特定の場所が見たいなら検索してね!」
「してね!青いボタンだよ!」
「ふむ…」
さっき押した隣のボタンを押す。すると地図の上に検索欄が出てきた。その下にはご丁寧にもキーボードが。スマートフォンも真っ青だぜこれ。ちなみに補足だがここはグリフォードという町。試しに検索をかけてみる。
『グリフォード 地図屋』
(ブォン)
世界地図から現在地に場所が変わる。少しでも自分が動くと地図中の中の自分も同じように動く。グー○ルマップよりも上をいっているなオイ…。
「……すげぇ。」
思わず意図しない形で声が出る。だってマジですげーもんコレ。しかも未成年の子供が2人で作った。何者なんだこの2人?
「……いくら?」
「買ってくれるの!?」
「くれるの!?」
「あぁ。……これはすっげぇ便利。この町だけじゃなくて他の所でも使えるし…」
「「嬉しい!」」
……やっぱり信じられない。普通の女の子達じゃないか。スキルカンストしてんのか?
「えっとね…お会計200万Gになりまぁす!」
「なりまぁす!」
「あいよ。」
……高いとは思う。でもこれ一つ作るのにかけた材料費手間賃うんぬん差し引くと足りないような気もする。こんなんで生活やっていけるのか?
「多分ちょうどお預かりいたしまぁす」
「まぁす」
「…ちゃんとぴったりだからな?」
「「分かってるって!」」
とてもいい笑顔で二人は口を揃える。2人に別れを告げ俺は早速ウォッチマップをつけ町へ繰り出す…
「あ、宿とってねぇ」




