表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/28

初めての会話

「さっさと止まりやがれ!!!」


盗賊たちは声を荒げながら馬車の荷台やら車輪やらに矢を容赦なく打っている。鬼か。

中に入るのは失礼なので荷台の方へ着地。


「!?誰だお前は!」


中の若い兵士が驚いた顔でこちらを見てくる。まあその反応が普通でしょう。


「……助けに来た?」


「あぁ?」


とまぁ意味の分からない自己紹介をしていると盗賊達の方から罵声と共に矢の嵐。もうちょっと穏やかなやり方あるだろうが。話ぐらい聞いてやれよ。


「っ、なんだか知らんが死ぬぞお前!!」


「ん?」


かなりの速さで飛んできた矢を次々避けていく。普通は避けることなんか出来ないと思うけど…俺普通じゃねぇし。矢とか超スローだぜ。

散々避けきった後はお待ちかねのアスカターン。目には目を、歯には歯を、矢には矢をというわけでアイテムBOXから適当に弓矢を選び盗賊の1人を射る。


「っがぁ!?」


「!?あいつ一発で仕留めやがった!?」


いやいや、そんな褒めないでくださいよー、これが普通ですってー///


「あいつマジでぶち殺す!標的をあいつに変えろ!!」


「「「「了解!!!」」」」


はい、前言撤回。ちょっとでも照れた俺が馬鹿だった。今度は手加減なしだぜ。弓をしまい腰のライフルを手元に装備。ていうかこの世界にライフルってあんの?


「狙撃ヴァルキリー級、【百発百中アヴリカーレ】」


百発百中アヴリカーレ】…対象全ての頭をぶち抜くありえない銃技。絶対に外す事なし。


(ババババババババババババッッ!)


「「「「「」」」」」


さすが俺。盗賊全滅、馬は無傷(逃げていったけど。)、馬車はちょっと揺れたぐらい。とりあえず怯えまくってる中の人たちに報告するか。


「おーい。」


「なっ…とうとう追いつかれたか!しかしどんな手段を使ってでも姫は必ず私が……!」


「レイヴィス…でも逃げて。私が捕まればきっと追ってこなくなります!」


「いいえ!そんなことは絶対にさせません!捕まるとしても2人です!」


「レイヴィス…」


「姫…」


おいおい、俺を無視してイチャラブムードですか?ていうか姫なんですか?そもそもお2人は付き合ってるんですか?この罪人め。


「……死んだけど。」


「「は?」」


「全滅。抹消。辺り一面血の海。」


そういうと2人は恐る恐るといった感じで外を見る。あまりにもグロすぎるけど。


「……あれ、お前がやったのか?」


「うん。」


「1人で?」


「うん。てかどこまで見てた?」


「大部分は見てたが…そのライフルを使っているところまでだな。」


「ほとんどじゃん。……この武器ってあんたの国で流通してる?」


「いや、高価なものだからな。兵士か武器コレクターぐらいだろう。」


「ふーん…」


一応あるのか。まぁ銃のスキルがあるぐらいだしな。


「……あの、助けていただきありがとうございます。」


となりの姫様が口を開く。あら、かなりの美人さんじゃないか。金髪ロングで優しそうな瞳、まさしくお姫様。


「いや、たまたま見かけただけですし…」


「見かけただけで助けてくださったのですか!心優しいお方ですね…」


「いやいや…」


「あぁ、確かに素晴らしい心構えだな…俺はレイヴィス=クラーク。レイヴィスでいい。改めて礼を言うぞ。」


「私はアリーナ=サマトリアと申します。アリーナとお呼び下さい。…敬語はなしですよ?」


……ふむ、レイヴィスに、アリーナ姫。これは俺も言わないといけないパターンかな?


「俺はアスカ=アカツキ。アスカでいい。」


「それではアスカ様、危ないところを助けていただきありがとうございました。何かお礼をしたいのですが…叶えられる範囲で何かありますか?」


「……。」


…なにかあるか?どちらにしろここで欲張っちゃダメな気がする。あえてスタンダードにいこう。


「それでしたら、」


「敬語はおやめください。」


「いやいや、一国の姫ですし…」


「……(暗黒微笑)」


「……分かった。降参。」


「はい♪」


何この子怖い…これが女の怖さという奴か。恐ろしい子!


「それで、どのような事でしょう?」


「あー、俺をこのまま町まで連れて行ってくれると嬉しい。」


「……それだけなのか!?」


「ん、そんぐらい。他とか別にねぇし…」


「いいえいけません!一国を代表する者の娘を助けた代価としてそれはあまりにも…!」


「えー…」


まぁ自分でもそれは思ったけどさ、他になくね?金は今もってるアイテム売ればいいし……


「あ、じゃあこの世界の常識とか教えてくれよ。」


「……常識、ですか。」


「あぁ。俺は…その、どうやら記憶喪失っぽいんだ。気が付いたらあの森にいて。だから町への道も全然分からなかった。」


「それはお気の毒に……」


「苦労人だなお前…。」


「別に大丈夫だ。言うほど困らなかったわけだし。」


「まぁあれぐらい強かったらな。」


よし、これでひm…アリーナも納得してくれたようだ。それから町に着くまで1時間半、2人に質問の嵐を浴びせ心身ぐったりムードのまま町に降り立つことになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ