表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いまさら魔法少女と言われても  作者: 赤川
Wave-03 吸血鬼は文学だけにしておくべきかと
48/592

0001:だからと言って狙ったワケではない

 分裂以前より、旧北米(アメリカ)には「吸血鬼(ヴァンパイア)を出しとけば映画は売れる」という風潮があったという。

 ブラム=ストーカー著作『ドラキュラ』、1897年。それから約2世紀に渡り、この題材は人々に飽きられる事なく、それどころか強く心を捕らえ続け、時代の推移とともにテイストを変えながらも、その本質の余韻を残しつつ、今日までに継承されている。

 だが無論、吸血鬼という存在は架空の物に過ぎない。これが、当たり前の常識だった(・・・)

 その常識は、今にも壊れそうになっていたが。



「と言うワケで、若い処女が吸血鬼(ヴァンパイア)に襲われているそうですよ、アマネ!」

「…………」


 とある公立共学高校内の、教室の一つ。

 長い金髪で小柄な体躯の女子生徒が、机の上に身を乗り出して、何やら興奮気味に語りかけている。

 その机に着いているのは、金髪でも何でもない典型的日本人の黒髪で、どことなく冷淡に見える女子生徒だ。


「吸血鬼はこれ(・・)と狙いを定めた自分好みのオンナノコを密かに家までつけてって、夜中に部屋に忍び込むデス。そして、寝ているオンナノコの首筋に噛み付き…………今まで何人犠牲になったか分かりゃしないデスよ?」

「………」

「アマネ?」

「中間」


 ポツリ、と(こぼ)す冷淡少女の科白(セリフ)に、小柄な金髪少女の目が丸くなった。

 冷淡に見える女子生徒は、金髪の少女が鼻息荒く語っている間にも、自分の授業ノートに穴が無いかを、テキストと見比べ真剣に考えていたのだ。

 彼女の放った『中間』と言う言葉は、来週に迫る高校の中間考査――――――中間テスト――――――を意味していた。


「高校最初のテスト……カティ、あんた、勉強してた?」

「あ……アハハ、勉強全然してないデース」

「知ってるわよ」


 乾いた笑いで残念な回答をする金髪少女に、黒髪の方は更に視線の温度を下げていた。

 勉強してないのは黒髪の方も同じだ。と言うより、出来なかった。

 何故ならば、黒髪の方、旋崎雨音(せんざきあまね)はこの半月、小柄な金髪娘、カティーナ=プレメシスに振り回されて、勉強どころではなかったのだから。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ