表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

静寂の平原

見渡す限りの平原

いるのは一人の木陰で本を読んでいる旅人のみ。

何故ここにいるのか。何のためにここにきたのか。

もし、この平原に行ったことを知った人がいるのならば

首をかしげることだろう。

花はきれいな花が咲いているし、大きな木もある。

しかしここに来なくともみられる場所などいくらでもある。

わざわざここまで来なくともここよりきれいな花が咲き乱れている場所だってある。

この平原にしか咲いていない花があるわけでもない。

では大きな木が珍しい木なのか?

答えは否

そこらの木よりは大きいことが特徴として取り上げられる程度の木である。

そこらの森で見かける木


モノ好きですら訪れないような平原

あえてこの平原の特徴を上げるとするならば

労力のわりに得られるものがない平原

この平原に来るには大きく険しい山を越える必要がある。

険しい山を越えた先にあるのがわざわざここで見る必要のない花々

これがモノ好きすらも訪れない理由

これがこの平原のすべてである。



世界に住まう人々は

これが総意であると考えているが

実際は少し違っていた。

といっても

大したことではない。

ただ

この平原には穏やかでさっぱりとした温かさの晴れしかなく

心地の良い風が吹き

夜には満点の星空がみえるだけ

それ以外にはなにもない。


モノ好きがこのことを知ったら

もしかしたら

ここに来る人は増えるかもしれない。

それでもこの事実を知る人がこのことを口にすることはないだろう。


なぜなら

この静寂が好きだから。

この静寂に吹く優しい風

たまに聞こえるどこにでもいる鳥の鳴き声

この陽だまりが好きだから。


きっとこの先もここを訪れる人は限られているだろう。


そして本を読んでいた旅人も帰路につく。

今度は何を読もうかと考えながら

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ