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第2話 息子……
「全く、最近の若いやつらというのは……」
──などと言いながらも自身の枯れ果てた姿を思い浮かべて溜め息を漏らす博士。
ただ、これは過ぎた年月のせいだけではなく、全てを魔道を究めるべく費やした結果なのだから仕方ない。
「これも永き時を得た代償というものだな……」
俯く視線の先には、彼が息子と期待せしものがあった。
「人造生命体SL2-S スライム2種特殊型。
お前こそが我が希望だ……」
言葉をかけたところで返事はない。
相手はただのスライムだ。それを求めるのが間違いというものである。
「まずは知性か……。
というか、今の分だと自我というものがあるのかどうかも怪しいな……」
相も変わらず、ただ足下で泡をブクブクといわせ続けるスライムに溜め息を零す博士であった。