表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雀力!麻雀列伝  作者: pon
6/7

雀力!女流棋士!

店を開けるとロンッ!と声を上げていたのは奥に座る女性だった。

年は30代くらいか華やかな雰囲気が目立つ。


「か~っ、またやられたよ」

と、同卓のおじさんが椅子にもたれこむ。


「さっきからお姉ちゃんばかりだね」

と、同卓の先程とは違う男性が笑いながら牌を混ぜ始める。


この前のコンビ打ちを破ってから、俺は調子がいい。

雀荘に来ては上がりを手にしていた。

タカさんとの急造のコンビ打ちに妙な快感を得ていたのも事実だが、すぐピンに戻ってスポーツ的に麻雀をしていた。

自分の財布の中身も肥えてきていて紗理奈に渡す金も心なしか増えている。


活気の良い店内に一際目立つ存在が入店時に紹介した女性だった。

しっかりメイクもしサバサバした姿勢で麻雀を打っている。

上がった後もキャー嬉しいと笑い、負けた方もどうしようもないなと笑っているようだった。

しかし牌の混ぜ方や打ち方はピシッとしておりその姿はさしずめ女流棋士の装いにも思えた。


次がオーラスの様でやられたと言っていたおじさんが次で抜ける様だった。


俺は今の自分の運とこの活気の良いお姉ちゃんの運、どっちが上向いているか試したくなった。


マスターにあそこが空いたらよろしくと場所代を払いお願いしておく。

待っている間にスポーツカーの雑誌を広げて読んでいたが席に呼ばれるのは割と早かった。


オーラスもお姉ちゃんの上がりだった様でお姉ちゃんは隣に座る俺によろしくねと上機嫌だった。

親は俺からで配牌も悪くない。

まだ調子がいいみたいだ。

手を伸ばしてテンパイを目指すがあとリャンシャンテンという所で手が滞る。


誰もリーチを掛けられないようでこの局はかろうじて俺の一人テンパイだった。


次局は女流棋士の様にたたずむお姉ちゃんの親から始まる。

点数ではリードしているが好調の親だ。マークもしているのでなるべく早く流したい。


自分の手は悪くないのだが早仕掛けは出来ずにお姉ちゃんからリーチが飛んで来て手が渋る。

親に振り込むわけにはいかず、降りる選択となる。

上家と対面も同じ考えの様で降りを選択していた。


この局はお姉ちゃんの一人テンパイで流局だった。

三局は対面が親だ。

俺の手牌もまずまずで攻め気に満ちる。


早いテンパイを目指すと有効牌が寄ってきた。

しかし好調のお姉ちゃんも手が良かっらしい。

対面がリーチを宣言した次巡に下家のお姉ちゃんが追っかけリーチで追い上げてツモリ1位となる。

ハネ満の上がりで喜んでいた。何故かこちらも笑ってしまう。


次のオーラスは俺のテンパイのみで終わり、俺は2位となった。


もう一番と腰を据えて打ったが1位をとっても一度の満貫以下のツモあがりとテンパイのみで、二試合のお姉ちゃんの勝ち額まではいかず、ちょっとの浮きで終わった。

結果として今回の流れを持っていたお姉ちゃんには内容で勝てず他の人に勝った内容となった。


終わりにお姉ちゃんは麻雀の話をし何でもこの雀荘を根城にしているとの事だった。

またおいでと誘われて、この店の事をタカさんに伝えようかと考えて8千円ほど浮いたお金を手にコンビニに向かい紗理奈のアパートに帰るのであった。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ