満貫連打!強敵現る!
タカさんから雀荘に呼ばれた俺。何でも馴染みの客に対する態度が悪いのに勝ちまくりだとの新規客がいるという。
何でも満貫以上の手でしか上がらないそうでそれも少し嫌らしい。
店に入るとやや中央より右側の席にあぁコイツかと分かる香ばしい匂い。
恰幅は良く赤い柄入りのYシャツがいかにもを後押ししていた。
上がると満貫以上はあるのだから同卓者はキツい。
卓前ではタカさんが
「今、客が一人空く所だから」
といって席に案内してくれた。
対面で座る形でのスタートとなった東風戦。
敵が満貫ならこっちはハネ満だといいたい所だが敵は中々に早い6順目でリーチを掛けてきた。
同じ満貫手にこだわると最低3ハン、普通に5ハンを手で作らないといくなくなり手が滞る。
ここは放銃を避け手を伸ばす形をとる。
しかし下家が放銃してしまい、八千点と親番が敵に回る。
ここは何としても連荘をさけたいのだが…。
すると上家がリーチを掛け、親に先制を入れる。
そして俺もリーチをかけ親を追い込む。
が、親もリーチをかけてツモり上がりを決めてくる。
あと三局で敵を沈めないといけない。
しかも俺はラス親だ。
動かないといけないと思った俺はポン、ポンと鳴きを入れトイトイを成立させる。
そしてカンと宣言しドラアンコの出来上がりで親の流れを食い止める。
トイトイ、ドラ3、役牌で対面の敵から直接ロンをとり対面をギョッとさせた。
上家が親番だが、鳴きを入れ過ぎた次の局のせいで俺の手は悪い。
対面の敵にリーチを掛けさせたくないがそこは強敵の対面、リーチを掛けてくる。
俺の手牌の中に対面の当たり牌が二枚あると感じ、その牌を崩さずテンパイまで持っていく。
今回は鳴かずにラス親につなげたい。
リーチ後の対面はモウパイをしながら力を入れて牌を切る。
ここは自分の手に集中だ。
下家と上家がそれぞれポンをいれるが対面の顔は険しい。
流局し俺は対面の上がり牌を四つ止めてテンパイをとった。
これはもう、俺と対面のぶつかり合いだ
そしてオーラス。
配牌は粘ってとったテンパイの後だけにリャンシャンテンからスタートだ。打点も高く混一絡みのハネ満コースだ。
これをダマテンでしとめる。
流れを寄せた俺に分があるようで対面から直取りとなる。
ダマハネを喰らって頭のショートした対面は連荘を申し込み東風戦第2試合となるのであった。
俺は手の高さにこだわらずに打ちまわし対面をかわす形で対面を沈めていくのだった。
連荘後にタカさんからまた頼むよと、アルバイト代をもらい店から退店する俺。
今日は上手く勝てたが次回も勝てるかと言われるとはばかれる強さの相手だった。
それでも依頼があれば駆けつけるが…。
帰り道に紗理奈と俺のデザートのプリンを買って帰り、少し遅い帰宅となるのであった。