6、ミドリ+ももか
「な、なんで・・・河合が・・・」
ふるふると震える指で指しながら翠は目の前の人物に言った。
「・・・・・・!」
しばらく目を見開いて驚いていた碧は、いきなりハッとしたように窓を思いっきり閉めた。
「・・・え」
あとに残されたのは翠一人。
「ち、ちょっと・・・!河合 碧!説明しなさい!!」
街中に翠の叫び声が響いた。
翠と碧はお互いに窓から顔を出し苦い顔をしながら向き合っていた。
「・・・で?」
「・・・で?って言われても」
困るんだが。と碧は座った目で答えた。
「なんであんたそこにいんの?」
「なんでって・・・ここ俺ん家だし・・・。ここ俺の部屋だから、だろ?」
最悪だ。
よりにもよってコイツが隣の家だなんて・・・!
しかも向いの部屋・・・。
「今、あからさまに最悪だって顔しただろ」
眉間にシワを寄せっぱなしの碧に簡単に読まれた。
「だ、だってあんたさっき私と別れて帰るとき別の方向に向かって行ってたじゃない・・・!」
「ああ、それは・・・」
「どうしたの?お兄ちゃん」
翠の質問に答えようとした碧の言葉をかわいらしい声がさえぎった。
声の出元に同時に振り返った二人の目に飛び込んできたのは5,6歳の女の子。
「妹の桃香だ。さっきはこいつの迎えに行ってたんだ。・・・桃香。お兄ちゃんの部屋に入るときはノックをしろっていつも言ってるだろう」
前半は翠に、後半は桃香という女の子に言った碧は桃香を促して翠の前に出させた。
「ほら。隣に引っ越してきたおねえちゃんだ。ご挨拶は?」
「河合 桃香です。今年で6歳です」
よろしく、と愛らしい笑顔を向けられるといやでも笑顔になれる。
「こちらこそよろしく。私は、夏目 翠よ」
にこっと微笑みながらこちらも挨拶をした。
「おねえちゃんもミドリなの?お兄ちゃんと一緒だね!」
目を輝かせながら言う桃香に半ば困った様子で碧が微笑みかけた。
「・・・桃、そろそろ部屋に戻って寝る準備してきな」
「え~!やだぁ!桃香まだおねえちゃんとお話しするの!」
「ほら、このおねえちゃんも今から寝るみたいだからお話は出来ないよ。また明日な」
ぽんぽんと頭を軽く撫でて、碧は渋る桃香を部屋の外に出した。
「・・・妹には甘いのね」
ドアを閉めて戻って来た碧に翠はクスクスと笑いかける。
「どうでもいいだろ。あいつもまだ甘えたい盛りなんだ。俺にぐらい甘えさせてやんないと可哀相だろ」
「・・・え」
「じゃあ。俺ももう寝る。・・・葵のやつお前のこと気に入ったみたいだから学校では気をつけておけ」
「え、それどういう・・・」
翠の質問を聞くことなく碧の部屋の窓は閉められた。
久々に投稿。妹に甘い兄、好きですよwwwwさて、この後どうなるのやら・・・。