あのときのこと、お互い
アルバムをめくるたび
あの頃の少年のような眼差しに
戻ってゆくのが分かった
「懐かしいな・・」
思わず、そうつぶやいた僕は
この先の天気予報と同じように
なんとなく清々しい気持ちに変わっていった
写真のすぐ横に書いてある西暦の日付から
時の早さを驚くほど感じてる
一番最初にキミの写真を見つけて
キミの笑顔をふれるたび
あのときのふたりの距離みたいなものが
どうだったのか、
ちょっと考えてみたり
あのときの嘘のないような会話を
思い出してみたり
だけど振り返るたび
キミはどんな場面でも
ずっと笑顔でいたんだなと気づいた
あの頃は全く気づかなかったのに・・
こんなときは、お決まりの
「もしも、あのときに僕が・・」で始まる思いが
僕のココロを先回りしては
切ない気持ちを連れてくる
「あのときは、あれで良かったんだ・・」
そんなふうに思うときがあって
だけど、良く考えてみれば
「あのときは、それくらいしか
できなかったんだ」の方が
より近いんだと納得はできる
つい、この前
キミが幸せでいることを聞いたから
あのときのこと
「あれは、あれでお互いが
精一杯でいたんだから・・」と
だけど、一枚だけ
キミが不機嫌な顔をした写真を見つけて
僕はその理由がどうしても
分からなかった
どれだけ考えても分からずに
キミに聞く訳にもいかずに
僕は曇りがちなココロに
しばらくはどうすることもできないでいた
たぶん、二人でサクラを見に行った頃のことかな
そんなことを少し思い出していた
満開を過ぎた予定外の日のこと
斜め前を歩く僕に
キミが声をかけてきた日のこと




