エピローグ
終了し損ね、エピローグに。
前回でいったん終了するつもりが、単に更新してしまった!!
ってことでエピローグを書きました。
※
失った。
二人を失った。
リンフィーナは脱力した。
世界の終わりが来てしまったのかと絶望するほど、追っていた気配が消えてしまった。
この世のどこにも、サナレスが居なくなってしまった。
『おまえの嫌な予感は的中している。我々が追いかける者は我々を見捨てた。いなくなった』
思いの外、ソフィアが一緒に気落ちしていて、二心同体のソフィアとリンフィーナは、共に思考停止してしまった。
「リンフィーナ!? アセス様が!!」
同じことを感じて、傍のナンスも慌てふためいている。
失ったのはサナレスだけではない。
アセスの気配も、もうこの世のどこにも存在しない。
精霊界が騒がしい。
それはこの世界の呪術者達全てに、最高の精霊使いであった天道士アセスの命が失われたことを気づかせてしまうほどの騒動だった。
サナレスとアセス。
彼ら2人の消息が完全に絶たれたことを知る。それは亡霊のようになってまでラン・シールド一族にたどり着き、彼ら2人の話を聞いて、感じ取ったことだ。
「サナレス殿下はシヴァールを殺し、アセス様と一緒にこの場をーー離れられた。ーーその後のことは」
「ウィンジン、あなたが今サナレスとアセスを追えていないっていうことが全てなのよね?」
自分への気遣いで、ウィンジンは逃げたサナレスとアセスの気配を見失ったことを伝えなかった。最上位の遠見の力を持つウィンジンが追えないなんて、逃げ場所に限りがあって、リンフィーナはさらに絶望する。
「ーー2人は、……冥府へ行ったの?」
怖い。
言葉に出すだけで怖かった。
冥府という言葉を口に出す、リンフィーナの四肢は震えていた。
『そうだ』
自分の中にいるソフィアだけがはっきりと答えてくれた。
でもその先の絶望を、彼女は容赦なく続けてくれる。
『冥府にいるなら、まだ救えた。けれどどうやら2人とも、もう冥府にも留まってはいない。ーーつまり、二度と会えなくなった』
サナレスに会うことを目的としていたソフィアは、舌打ちしていた。契約もあるのにと、ぶつぶつ不満を口にしている。
「リンフィーナ。あなたーー、そしてソフィア殿に置かれては、少しこのラン・シールド一族に拘束させていただきます」
ウィンジンは言いにくそうに伝えてきた。
「いえ、もちろん命を脅かすことなど致しませんので、安心してください。ただーー、目覚めているソフィア殿を自由にすることはーー」
話の最後まで、ウィンジンの言葉は耳に入ってこず、リンフィーナはただ捕えられるのだろうと覚悟していた。この場に拘束されるということだった。
サナレスとアセスに手を伸ばして後ろを終えるなら、ここに拘束されてなんていられない。けれど自分は、追うものが無くなってしまった。
『そうだ。彼らは追えないところに行ってしまった。後はただこの世界で待つか、もしくは同じように再び足りないものを探す旅に出るかなのだが』
「待つ? もしくは彼らを探す? どっちの方が……」
『会える確率が高いほうか?』
深く縦に首を振った。
『待つことだ。ーー私は、ずっと待つことを選んだ』
ソフィアが待った?
彼女はずっと冥府に留まって眠りについていたはずだが、彼女は何を待っていたというのだろうか?
『冥府は通過点。待っていれば、強い魂はきっと生まれ変わり通り過ぎる』
「待つ場所って、冥府?」
ソフィアは深い溜め息をつく。
『そうだ。けれど私もおまえも、二度と冥府になんて行きたくはないよな』
ウィンジンが自分の精神状態を心配していた。
ナンスも常に話しかけてくる。
けれど、体も魂も凍りついて、自答自問を口の中だけでぶつぶつとつぶやき続けているだけだった。
『私たちは、冥府には近寄りたくない、ずっとここで待っている』
偽りの神々シリーズ紹介
「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫
「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢
「封じられた魂」前・「契約の代償」後
「炎上舞台」
「ラーディオヌの秘宝」
「魔女裁判後の日常」
「異世界の秘めごとは日常から始まりました」
「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」
シリーズの8作目になります。
異世界転生ストーリー
「オタクの青春は異世界転生」1
「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」
異世界未来ストーリー
「十G都市」ーレシピが全てー




