冥府の王に会う理由
本日は、まだ少し書いています。
書いてすぐUPしている私、誤字脱字の修正、齟齬の調整は気の向くまま時間のある時にやっております。
挿絵も描きますが、ほぼ書いていません。
タブレットとキーボードというお手軽ツールを手に入れたので、ひたすら小説書くのが気楽で楽しい毎日です。
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サナレスは駆け出したかった。
今すぐレテの川に飛び込んで、ルカに飛びついて謝りたい。
おまえさ……。
こんな冥府にまできて、自己犠牲的精神高すぎるだろ?
けれどアンデッド同士の争いを止めに向かっているルカを、アセスは愚かだと言っていて、そんなアセスがサナレスの手を取っていた。
「ーー!」
ルカは愚かなどではない!!
親友として弁明したかった。
アセスの手を振り払って抗議したい感情に駆られそうになった。
離せと力を入れた拳に、船がぐらついて、不意をつかれたアセスが体勢を崩しながらもレテの川に近づいたサナレスを静止する。
「サナレス! 私はレテの川の上では呪力は使えません。落ちてしまえば貴方を救うことはできないのです」
アセスはサナレスの自制心に期待していたようで、にわかに動揺しているようだ。
「呪力で助けてくれとは言わない。けれどアセス、絶対にだ。ヨアズに私を会わせるまで、私の手を離すな」
かつてルカを裏切った自分は、今すぐにでもルカのそばに行きたかった。
あの時もムーブルージェとルカを天秤にかけた。
そして今、リンフィーナとルカを天秤にかけようとしている自分がいる。
リンフィーナのために、なんとしてもヨアズに会いたかった。ヨアズへの道筋は、アセスが握っているんだ。
「アセス。私はこの手を離さないから」
過去ルカを死なせた分岐点に戻ることができるなら、何度だって今いる自分を壊したかった。ムーブルージェの躯を見送らず、レイトリージェすら死なせた自分は、ルカに何の申し開きもできないから、ただ土下座したいだけだ。
「もうすぐです、サナレス」
過去にも思った。
もう少し待っていてくれと。
ムーブルージェとのことが片付いたら、必ず戦地に赴いた(おもむいた)お前の後を追う。
間に合わなかった。
だから今、お前の側に行きたい。
「サナレス! 停留場所が目の前です!!」
アセスが今にもルカのところに飛び出して行こうとするサナレスを、腕力の限り引っ張っていた。船のバランスが大きく崩れる。
そんな時アセスの発した言葉に、サナレスは理性を取り戻した。
「貴方がこのレテに落ちるのは勝手です、サナレス!! でももし貴方がここに落ちたら、私も一緒に飛び込んで、リンフィーナの元に戻ります。何を犠牲にしても、戻ります!!」
サナレスは正気に返る。
冥府の時期統治者を簡単に引き受けやがったこの男、ーーアセスはまだリンフィーナの隣に居ることを諦めてはいないらしい。それが、サナレスには意外すぎて、冷静になる。
「ーーそうだなアセス……」
考えなしに行動したお前のこと、少しだけ見限っていた。
けれど、違った。
「私たちは、何があってもリンフィーナの側に」
戻ろう。
思いは同じだった。
両者が共に戻れなくとも、どちらかが彼女の元に戻れればいいい。
そう思えたから、耐えられた。
1人でいるルカの背中を、もう一度だけ見送ることになる。
「行こう! ヨアズに話があって、私はここに来た」
偽りの神々シリーズ紹介
「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫
「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢
「封じられた魂」前・「契約の代償」後
「炎上舞台」
「ラーディオヌの秘宝」
「魔女裁判後の日常」
「異世界の秘めごとは日常から始まりました」
「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」
シリーズの8作目になります。
異世界転生ストーリー
「オタクの青春は異世界転生」1
「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」
異世界未来ストーリー
「十G都市」ーレシピが全てー




