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歌声がつむぐ選択肢  作者: 一桃
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異例のアンデット

こんばんは。

書くことを楽しみに投稿しています。

ご意見や感想もらえるなら、ありがたい。


随分長編になってきたなぁと思う今日この頃です。

         ※


「話しかけろと言われましたので、この際聞いておきますが、王族は幼馴染どころか従姉妹とでも婚姻関係になることができます。先ほど見かけた女人2人は貴方とはどういった関係なのですか? 私とて冥府で貴方に問いかけるのがゴシップネタ並みに下世話だなんて本意ではないのですけれど……」


 横文字のほとんどを理解しているつもりだったが、アセスが言う『ゴシップ』という言葉の意味を理解しない。サナレスは少しそれが引っかかった。どこで覚えたのかを瞬間的に考えてみたが、アセスは事前に言っていた。冥府を落ちて見た世界があると。

 言葉の意味を理解しないではない。前後の文脈で測るのであれば、人の流言になりやすい浮ついた様子とでも言ったところか。想像するとため息が出た。


 外来語(横文字)についての出所の方に気を取られていたサナレスだが、質問の意図を汲み取る必要があった。


 しかしまぁーー。

 ここぞとばかりに女人関係の質問をされ、サナレスは諦めたようにアセスに答えた。


「姉の方は私の恋人だ。ーー果たして恋人と言ってしまっていいのかどうか……。だが私たちは共に将来を夢見るような関係だった。妹の方は、私の親友の子供を宿した人だ」

「私には姉妹お二人とも、サナレス貴方と深い仲のように見えましたが、そうですか。貴方の親友のお子様を……」

 何かアセスは楽しそうだ。


「お前がこのような話に興味を持つとはな……」

「いえ。リンフィーナが知りたがりそうなので、確認をしているまでです。彼女に教えて差し上げようと」

 おい!

 余計に嫌だとサナレスは思った。


 リンフィーナやアセスには、不特定多数の女人と関係を持つ軽い男だと思われても、過去をこじらせているとは知られたくはない。

 過去を暴かれるなんて、落ちて死ぬほど恥ずかしかった。

 サナレスは手を握っているアセスから視線を外した。


「おっといけない。また貴方は手招きされて……」

 そう警告するアセスの言葉は遅く、サナレスはまた目を見張った。

 多分身体が硬直するほど、息を呑んでしまっている。


 次に目にした人物は対岸にいるルカだった。

 彼は1人だ。


「先ほどもそうだったが、彼らから手招きなんてされてはいない」

「貴方の視線にはそう映るのでしょう。でもアンデットになった対岸に群れている者が、ひと際こちらに手を伸ばしてきておりますけれど」

 アセスは自分が関わってきた関係者全てが、白骨化してそこにいるイメージを伝えてきた。


「でも確か、生まれ変わる場所が黄泉。いつまでも私と関わった人間が黄泉に滞在しているとは思えない」

 サナレスがあり得ないと言った言葉を、アセスは一刀両断する。


「サナレス。生に対して受け入れる魂は純粋ですが、死に対して遺恨が残る魂というのは、その人口分布において多すぎる。だからこのレテは、ヘドロみたいに停滞していてなかなか流れない。生まれ変わらないし、生まれ変わること自体を拒否する者が多い。これが、ーー悲しいけれど現状なんですよ。まぁ私はあっさり生まれ変わってしまいましたが……」


 アセスに聞かれた。

「私は現在、貴方の過去に立ち合わざるを得ない状態にいるので言いますね。今無視したところで、どちらにしても過去の因縁は強烈で、レテを越えてもその次の課題になります。ヨアズと謁見したいのであれば、今のうちに解決するか、レテに落ちて人生やり直して解決できるだけのスキルを体得していただくか、どちらかなんです」


「私にもやっと大切なものが見えてきた。100年も生きて、もうやり直す時間なんて、1秒たりともありはしないよ」

 だから落ちない、とサナレスは言った。


 アセスの手を握っている限り、意思の力を健在にできた。


 今自分に問いただす。

 サナレスは自分と見つめ合っていた。


 かつて愛した女性ムーブルージェよりも優先する魂、リンフィーナに出会った。

 自分が今手を握っている男が、リンフィーナがこの世で一番重要視した男だった。


 だから簡単なんだと思っていた。レイトリージェ、そしてムーブルージェの魂と出会っても、今自分ができることに優先事項をつけるのであれば、リンフィーナが選んだアセスを掴んでいればいいと思った。


「ですが、あの対岸にいるアンデット、ちょっと変わっていますよね」

 自分にはルカに見えている男に対して、アセスは怪訝げに眉目を寄せていた。

「ほら、アンデットなのに、さっきの姉妹に近寄っていって、仲裁に入ろうとしているようです」

 愚かなーー。

 それがアセスの感想だった。



偽りの神々シリーズ紹介

「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫

「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢

「封じられた魂」前・「契約の代償」後

「炎上舞台」

「ラーディオヌの秘宝」

「魔女裁判後の日常」

「異世界の秘めごとは日常から始まりました」

「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」

シリーズの8作目になります。


 異世界転生ストーリー

「オタクの青春は異世界転生」1

「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」


 異世界未来ストーリー

「十G都市」ーレシピが全てー

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