案内人
こんばんは。
ほちほち書いています。
今月はゴルフ、テニス、ボーリングというスポーツが割り込んできていて、
肝心のロードにあまり乗れていない毎日です。
太るわ!!
※
レテの川を落ちずに渡っていくことができるものは、冥府を知る。
大抵のものは船から落ちて、生まれ変わり、もう一度試練を繰り返すと言われている。
「おまえ、ーーまさか、落ちたのか?」
「ええ。一回目は見事に落ちました。それで17年近い年月を別人格として生きました。その人生の経験を年齢にプラスするなら、私は38年程度は生きております」
「一気に老けたな……」
「魔女の記憶を混在させるリンフィーナは千歳を超えたんですよね? まだまだです」
サナレスはガックリと項垂れた。
「そこさぁ。リンフィーナに言うなよ、たぶん複雑だろうと思う。ーー経験年齢で言うなら、魔女ソフィアは15歳で死んで眠りについたし、リンフィーナは生まれて16年程度、だから単純に足せば彼女の精神年齢は31歳程度ってことで……。いや。でも融合していないんだよ、2人は……」
一つの体に二つの魂。入れ替わってしまうのが厄介だった。
どちらの魂も15、16歳程度の幼さだ。
「おまえのように生きた年数分の経験値を統合できていればな……、数字上そうなるが……。追及するのは良くない」
「良くない? そうですよね。私は、まだ貴方に追いついた気がしないのです」
「ーーそうか?」
「そうです」
他愛無いことを話しながら、アセスとサナレスはレテの川の対岸についた。
「ここからはヨアズの庭です。レテの川は全ての魂がこの世とあの世、そして異世界を行き来します。輪廻、再生。再生できないものは煉獄の地獄に送られます」
「おまえは落ちて、輪廻したんだな?」
「ええ。貴方は地獄に行きましたか?」
「そのようだ。でも何もない真っ白な虚無の世界も見た。あれは?」
「どちらをも選べる状態に停滞する者がいるところです」
「そうか」
そこでソフィアに出会った。
アセスは生に執着がなく、だから輪廻転生したのだろうか?
自分は死ぬことなど考えてはいけないと思ったから、煉獄の地獄に落ちて、再生の門をこじ開けた。
「レテに落ちたらどうなる?」
「どなたかに生まれ変わります。私が生まれ変わった世界は、貴方が好きそうな科学が発達した文明の末路のような世界で、とても面白かったですよ」
「ほう」
そんなことを言われると、落ちて見るのも楽しそうだと思ってしまう。
「ヨアズは?」
「あの方は、レテの川を超えた冥府の宮殿に住まわれています。レテの川はまあ、冥府の城壁を囲うお堀みたいなものですので、これを上流まで超えていけなければ、人生のやり直しを続けることになります」
アセスが懇切丁寧に解説してくれたので、冥府の仕組みの大体は頭に入ってしまった。
興味本位でレテの川に落ちるとしても、ヨアズに会ってからだと判じていた。
「おまえは何で落ちたんだ?」
「落ちてはいけないという意識がありませんでした」
「見たところ、落ちたらかろうじて保っている肉体の形がドロドロに溶けていてグロテスクだが。ーー普通落ちないようにするのではないか?」
「いえ」
アセスはさらっと否定した。
「所詮、身体がどうにかなるくらいでしょう? その船に乗っていたいか、それよりも船を降りる事情ができるかどうかの二択ですよ」
「普通は落ちる感じになる拷問に近いものだって思うけど、おまえは降りたの?」
「うっかり忘れ物をしてしまって」
アセスはどこまでも浮世離れしていた。
そしてわからないことを言う。
「貴方にとっては決して無理ゲーでは無いです。私も案内人として一緒に行きますし。降りたくなったら止めませんけど」
ゲー?
アセスの言葉が少し理解できない。
「ーーそこ、止めろよ」
「そうですか? 手っ取り早く年齢稼げますよ」
どんな価値観なんだと、サナレスは頭を抱えた。
「行こう。案内人を頼むよ」
偽りの神々シリーズ紹介
「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫
「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢
「封じられた魂」前・「契約の代償」後
「炎上舞台」
「ラーディオヌの秘宝」
「魔女裁判後の日常」
「異世界の秘めごとは日常から始まりました」
「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」
シリーズの8作目になります。
異世界転生ストーリー
「オタクの青春は異世界転生」1
「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」
異世界未来ストーリー
「十G都市」ーレシピが全てー




