表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
歌声がつむぐ選択肢  作者: 一桃
57/66

レテの川

こんばんは。

相変わらず書いて、更新を楽しんでいます。

コロナ始まったぐらいから、このシゴト、相当楽しんでいます。

仕事ではなく、志事ってことで。


お付き合いいただいている方に感謝申し上げます。

        ※


 李蘭を探すことは、彼女の下僕であるフィスと契約したときに約束したことだった。だから新たに発生した手間ではなかった。サナレスが元々引き受けていたことだ。


 冥府でまで、つまり死後にまで約束は履行されるという事実、魂の契約は律儀なものだとサナレスは感心する。


「もとより李蘭を探す気はある。でもアセス、その前にヨアズに会えないか?」

「ヨアズ、様!、に?」

 様をつけろと言ってくる強情なアセスに対し、サナレスはふんと鼻を鳴らしていた。


「ヨアズ様に会うにはレテの川を越えなければなりません。それは、その……、やめておいた方がいいと思います」

「レテの川?」

 サナレスは冥府に関して未知数な部分が多く、アセスを頼りに聞いていた。


 だがアセスは困ったような顔をする。

「私は統治者になりたてですが、冥府の管理は李蘭が行っていると聞いています。ヨアズ様は、先に李蘭を探すことを所望していらっしゃいます」


 そりゃそうだとサナレスは深くうなづいた。

 都合のいい契約をアセスに押し付け、アセスに対してはさほどすることはないと言っておきながら、現場を仕切っていた者を取り戻すのは急務のはずだ。


 アセスは駆け引きというものをしない男だった。いつだってバカみたいに真っ直ぐだ。

 だからサナレスは今自分がここにいる意味を見出せた。


「私は、私が動く前に、ヨアズに会いたい。前回冥府に立ち寄った折にも、ヨアズには会えていないからな」

 サナレスは苦言を述べた。アセスが統治者となった事実を受け入れたところで、この冥府の王は永らくヨアズで、そう簡単に時代継承が進んでいるとは思えなかった。


 ただ白い空間に包まれていたサナレスは、手探りで冥府に入っていった。

 虚無の世界から、やたらと人外の精霊の存在が行き来する魔術の世界に地層があって、人が生まれ変わる雑多な川ーーレテの向こうに、ヨアズがいるらしい。


「サナレス、貴方がレテに落ちなければ……。私は不覚にも一度落ちたので、少し手間取ってしまったのです」

 アセスは用心深く自分を案内した。


 サナレスは挑むように笑っていた。

 アセスがレテに落ちたと聞いたからだ。


「レテとは何だ?」

「人の因縁です」

 アセスの回答に納得して、サナレスは最短でヨアズに謁見することを望むと意思表明する。


 おそらくは特殊な生い立ちのアセスでさえ、一度は落ちたという因縁が川になるレテで、自分が流されないかどうかは、少し迷って判断した。


「李蘭は探す。けれど先に私はヨアズに会いたいんだ」

 サナレスは勝負に出た。


偽りの神々シリーズ紹介

「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫

「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢

「封じられた魂」前・「契約の代償」後

「炎上舞台」

「ラーディオヌの秘宝」

「魔女裁判後の日常」

「異世界の秘めごとは日常から始まりました」

「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」

シリーズの8作目になります。


 異世界転生ストーリー

「オタクの青春は異世界転生」1

「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」


 異世界未来ストーリー

「十G都市」ーレシピが全てー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ