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歌声がつむぐ選択肢  作者: 一桃
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今確認したいこと

こんばんは。

ここ数日、秋休み発動して、芸術の秋を楽しんでました。

作り出したものはいくつかありますが、その一つに粘土造形フィギュア作りです。


楽しい。

二次元の絵の心得はありますが、3次元はまた違ったものを感じます。

横顔の奥深さったら!


3Dモデリングでわかっていたはずなのに、粘土になると横顔をわかっていなかった。

特に顔!

二次元の世界だと、顔ってねぇ、平面で捉えやすいみたいだと、気がつけた文化の秋でした。


         ※


 革命軍の会議は、正式な軍議を知っているサナレスにとっては粗末なものだった。近衛兵の会議以下、無秩序でよくもまぁラーディア一族の大母ラァと、神官長ロイが黙認したものだと、サナレスは席についてため息をついた。


「この機にラーディオヌ一族の貴族を一網打尽いちもうだじんにしてしまうってのが優先事項ですよね?」

「いや、それよりも神の病を人の国にもたらしているラン・シールドが氏族を先にやってしまうべきだ」

 一見まともに見える意見交換だったが、彼らのほとんどは公私を分けておらず、ラーディオヌ一族を襲おうと言ったものは、銀髪(しかも、体が異様に白く、全身に色素のない白地)だったし、ラン・シールドを殺ろうと言った民は、家族がその病に臥せっているらしかった。


 私利私欲ばかりで短絡的に動く烏合うごうの衆を、さて一体どうやってまとめていくのだろうか。

 サナレスはただ黙っていた。


 しかしふうとため息をついて思い直す。


 まぁ懐かしくもあるな……。

 今でこそ近衛兵として統率は取れているが、元々は武術でより集まったならず者達の集まりで、『ならず組み』という異名を持って誕生したのだ。


 会議ってのは各々意見が言えるなら、それはいい会議かもしれない。

 根回しばかりで型式張ったものは、大した知恵も出てこないだろう。


 何事も状況を前向きにとらえれば、見方は変わるものだ。

 すっかり型にはまってしまって、うがった見方をした自分を、サナレスは叱咤しったする。


「なぜ、ラン・シールドを襲いたいのだ?」

 人の感情に寄り添うことは苦手だった。けれどそれは過去の自分だ。百年も生きれば学ぶこともある。


 こうした方がいいということを押し付けるのは楽ではあったし間違いではない。でも組織はそれだけでは長く続かないものだ。

 サナレスはそこにいる一人ひとりの意見を聞き出していった。


「所詮は王族だと思っていたが見直した」

「だからラーディアのサナレス殿下だけは違うと言っただろう?」

 理解を示すサナレスに対して、会議に出ていたものは各々、半分は愚痴、半分は困りごとを口にし始めた。


「なるほど、だからそう考えるのだな」

 人は自分とは違う。

 千差万別とはよく言ったもので、考え方が違うのにはそれぞれにいく通りもの環境と過去があるのだと理解した。


 だがサナレスは成人君主ではない。各々に共感するふうでいて、どうすればこの状況を整理して、自分にとって優位になるのかを多角的に判断した。


「ラーディオヌ一族は敵ではない、銀髪を迫害したのはむしろラーディア一族で、そしてラン・シールド一族もその被害者なのだ。ラーディア一族を変えられなければ、革命軍は何も変えられないよ」

 いくつもの波紋が波打つ水面に、サナレスは言葉の石を投げた。


「すべての不幸は、ラーディアの王族にある。ねぇ、ラァ様。ーーそれなのにお前達は、ラーディアの大母をあてにして、私を仲間にしようとしている。そしてラーディア一族と別氏族を襲うのは、なぜなのです?」

 一様に皆が黙った。

 それはラァの影響力に他ならない。

 皆が困惑した顔で、ラァに答えを求めている。


「これでは革命軍というよりも、ラーディア一族の近衛兵のようだな」

 ラァは黙って他方向を見つめていた。

 サナレスが投げた石は小さくとも大きかった。


 ラァに対しての疑念は、ロイを含めその場にいた者に感染していく。


「ーー確かにな……。歴史上銀髪を迫害したのは、ラァ様だと……」

 ざわつく会議の最中、ラァはサナレスに視線をやった。


「確かに、おまえのいう通り」

「悪者を仕立て上げたり、論破したいわけではありませんよ。ラァ様がここに居る理由を、私は皆に共有した方がいいと思っているだけです。伝承された神話など、真実はどうなのか分からないでしょうから」


 皆がしんと静まり返った。

「馬鹿なことを今更……。ただの母親のエコ贔屓ひいき、この場で話すようなことではない」

「聞かせていただきたい」

 間髪入れずそう言ったのはロイだった。

感想、足跡、コメント、評価、ブクマが次の活力に。

何卒反応よろしくお願いします!


偽りの神々シリーズ紹介

1「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫

2「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢

3「封じられた魂」前・4「契約の代償」後

5「炎上舞台」

5と同時進行「ラーディオヌの秘宝」

6「魔女裁判後の日常」

7「異世界の秘めごとは日常から始まりました」

8「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」

9「脱冥府しても、また冥府」

10「歌声がつむぐ選択肢」

シリーズの10作目になります。


 異世界転生ストーリー

「オタクの青春は異世界転生」1

「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」


 異世界未来ストーリー

「十G都市」ーレシピが全てー

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