表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

1

「せんぱ~い!今度はこのペンキについて、ひとつお願いします!」


ヴィダル王の威光も眩しいこのピジニリシュ国立研究所に再び証拠品が届けられたのは、陽も落ちてからの話であった。


「またあ?もう、とりあえずそこのテーブルにでも置いておいてよ。」


華美なドレスと釣り合わない口調でそう言って振り返ったのは、豊かなプラチナブロンドをがしがしと掻き毟る

侯爵家の令嬢、エミリー・トーロフ。彼女の手には異臭を放つビーカーが握られていた。




---15分後--------


ひとまず散らばる書類を机の脇に寄せ、後輩のゼラを横に座らせたエミリーは

目の前にある赤色の物体に目をやった。


「それで?今回も王子がらみなのかしら?」


「そうですね。第三王子の婚約者であらせられるカトレア様が、元庶子であるマリア様をいじめたと、

 そしてこのペンキはその為に用意されたものだと、そういう話しになってますね~。」


「ペンキをかけられたってこと?あれは思ってるより健康被害が生じるものだけれど、マリアさんは大丈夫なのかしら。」


「実際にかけられたわけではないみたいです。中庭から図書室に向かう通路のに面した建物の2階が美術室等々になっているんですけど、

 庭で別れたマリア様の背中を見送っていた王子が、たまたま美術室の窓際に置いてあったペンキの缶の落下するのに気づいて

 ことなきを得たと聞いています。」


「うええ、こういう話ってめんどうなのよね。」


だって、誰も悪者にせずに収束させたいっていう学園からの圧があるから。そして、王子は例の性格だから。


「面倒をかけるけど、また協力を仰げないかしら、ねえクレア?」


「そうですね、いつものようにクレアにずばっと解決してもらえれば、ありがたいな~。どうかな~。」


だって先輩は当てにならないし、とでも言いたげな声音だけど、後で覚えていなさいよ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ