聖夜、聖なる華は、夜闇に堕ちる ~サンタクロースはヤンデレに捕まりました~
メリークリスマス!
急いで書いたので少し雑ですが、短編なので時間のある人はぜひのぞいてみてください
皆さんこんばんは、聖華です。
サンタ歴10年のベテランサンタです。
私は昔は人間だった。そんな私が何故サンタをやっているのか、理由は簡単だ。
私は、10年前に23歳で死んじゃった。死んだら消えてなくなるのかなぁ、とか思ってたら、死者には何個か道があった。そして、その選んだ事を5年くらいやると、赤ん坊として生まれ変わることができる。その中で、私はサンタとなる道を選んだ。
5年たった時に生まれ変わることも出来たけど、私はそれをしなかった。理由は、自分の手で最後までプレゼントを届けたい人がいたから。
それは、夜闇君。
私より13歳年下の男の子だ。
クリスマスプレゼントは20歳までの子供に届けることが出来る。
今年で夜闇君は20歳。だから、今年のクリスマスが終わったら私は生まれ変わる。サンタになる道を選んだ時から、そう決めていた。
サンタ達のリーダーにお願いして、私はいつも夜闇君の住む区域を担当していた。今年もそうしてもらって、担当区域にプレゼントを届けて回っている。
たくさんの家に配ってきて、次が最後のプレゼント、夜闇君へのプレゼントだ。
プレゼントはその子の部屋に入らないと袋から出すことが出来ない。だから、夜闇君へのプレゼントは分からない。夜闇君は最後のプレゼントに何を望んだんだろう……?
「………」
音を立てずに、そっと夜闇君の部屋に入った。
「?」
心の中で首を傾げた。夜闇君が毎年寝ているベッドに誰もいない。なんで……?
まだ起きてるのかな?
残念。最後に、夜闇君の顔を見たかったのに。
そんなことを思いながら、袋の中に手を突っ込む。そうすれば、プレゼントが勝手に私の手の中におさまる。
袋から手を出した。私の手に握られていたのは、手紙1枚だけだった。
「……え?」
思わず声を出してしまった。手紙1枚だけなんて、10年サンタをやってきて初めてだった。
「へー。それが今年のプレゼントか」
「!?」
突然後ろから声がして振り向けば、そこにいたのは夜闇君。
ど、どどどうしよう!見つかっちゃった!
サンタは見つかっちゃいけないのに!
「あっ!」
突然のことに脳内で大慌てしていると、夜闇君にサッと私の手から手紙をとられてしまった。
夜闇君が、それに軽く目を通す。
「……ふふっ。ははっ、あはははっ!さいっこうだよ!」
少しして、夜闇君が心底幸せそうな笑い声をあげ始めた。
“それほど嬉しいプレゼントだったんだ”
そう思えば良いだけのはずなのに、何故かその笑い声を聞いたとたんに、体の奥底から恐怖がわき上がってきた。
「っ!…ぃゃ」
怖い、怖い、怖い、怖いっっ
嫌だっ
分からないっ
目の前にいるのは本当にあの夜闇君なの?私の知っている、あの優しい夜闇君はどこ?
どうして急に笑いだしたの?どうしてこの笑い声はこんなに恐ろしいの?
怖い。なんだか、怖いよ
分からない、何もかも分からない
嫌だ。逃げたい
「10年間。ずっとずっと願い続けてきたけど、やっと叶えてくれたんだね」
恐怖で、体をうまく動かすことができない。足が震えて力が入らず、その場に座り込んでしまった。
けれど、逃げないとっ……
早く逃げないと!
どうしてこんなことになっているのかなんて分からない。この状況を、理解出来ない。
どうして今これ程の恐怖を感じているのかすら、分からない。
それでも、逃げないとっ。
体の奥底で、本能が警鐘を鳴らしている。“早く逃げろ、逃げろ”と。本能が、今までにないほどの恐怖を感じている。
もう、意味が分からないっ。
でも、分からないままで良いから、今はただ、この見知らぬ男の前からいなくなりたい。
ずっとずっと遠くに行って、捕まらないように。
捕まったらいけない。捕まったら何かが壊れてしまう。そんな気がする。だから逃げないと。逃げないといけないのに。
恐怖で足に、力が入らない
早くこの部屋から出ていきたいのに、体は思うように動いてくれない。ただだ震えるばかりで、その場から動けない。
やだっ、嫌だよ!
動いて!何で動かないの!?どうして力が入らないの!?動いてよ!お願いだから動いて!ここから逃げさせて!怖いの!どうしようもなく、怖いの!
「せいかー。どうしたの?」
「!!」
恐怖で頭の中がいっぱいになっていて、周りに意識を向けている余裕かなかった。だから、目の前でゆっくりとしゃがみこんでいる人に気づかなかった。
のんびりとした声で言いながら、脇の下に手を差し込んでまるで小さい子供にするみたいに抱き上げてくる。そして、優しく、壊れ物を扱うようにベッドの上に降ろした。
のんびりとした口調や優しい扱いが、今私の感じている恐怖とはかけ離れたもので、頭がもっと混乱した。けど、その混乱のお陰でほんの少しだけ恐怖が和らいで、今まで恐怖に支配されていたのが少しだけ冷静になれた。
目の前の男が夜闇君だなんて、信じられなくて、信じたくなくて……でも、どう見たって目の前にいるのは毎年プレゼントを届けてきた夜闇君なんだ。
だから、逃げる必要だって、怖がる必要だってないはずなのに、どうしてこんなに怖いの?
10年も経てば、いろんな事が変わる。人の見た目も、性格も、全く変わる。怖がる必要なんて全然ない。もっと、冷静にならなきゃ。冷静になって、随分変わってしまった夜闇君と、しっかり向き合わなきゃ。
「よ、夜闇君……」
震える声で、名前を呼んだ。やっぱりまだ結構怖い。でも、でも、しっかり話さなきゃ。これが最後なんだから。
「なーに?聖華」
「ぅ……」
夜闇君の声は、やけに甘ったるくて、どろりとしていて、やっぱりどうしようもなく恐ろしい。
どうしてこんなに怖いんだろう。どうしてこんなに震えて、泣きそうになるんだろう。
また、どんどん恐怖が膨らんできて、声をかけたけど、何を言えば良いのか分からなくなった。
「んっ……!」
何も言えずただ夜闇君を見つめていれば、突然キスされて、そのままベッドに押し倒された。
何!?急に!
「そんなに可愛い顔で見つめられたら、キスしたくなっちゃうよ。ふふ、聖華、愛してるよ……」
「へ?」
あ、愛、あ、愛して!?
この人は、何を言ってるの?
愛してる?わ、私、を……?13歳も年上の、私を?
そ、そんなの……
「ありえない……」
呆然としたまま、小さく呟いていた。だって、そんなの、そんなの……おかしいよっ
13歳年上の人が好き。それはあり得ることだと思う。
でも、そんな……10年も前に死んだ人が好きだなんて、7歳の時に死んだ私のことが、好きだなんて、そんなのおかしい。
本気で言っているなら、10年間も死んでる私のことを想い続けてたってことで、それは、、純愛どころじゃない。
狂愛……?それは、言いすぎかな。
とにかく、怖い……
もしかして、これが、感じた恐怖の原因……?この愛情を、無意識に怖がってた?
「………………ねぇ、、聖華」
「っっ!」
「……僕、聖華のことすっごく愛してる。愛してるんだ。。だから、聖華のためならなんでもしたいって思ってる。でもさぁ、だからこそ、僕の気持ちを否定されるのは、許せないなぁ。ね?聖華、分かってくれる?」
「……は、はぃ」
こっ、怖い……
ただ、夜闇君がヤバいってことだけ分かった。
わ、私、これからどうなるの?ちゃんと生まれ変われるのかな?というか、この部屋から出れるのかな?
夜闇君、いつからこんなにおかしくなってたの?どうすれば元に戻る?
昔の夜闇君に戻ってなんて言わない。けど、お願いだからまともになって。
死んでるはずの私を全く疑問に思わずに受け入れて、その上愛してるなんて、そんなおかしな事はやめて。
そしてお願い、私を解放して。
☆★☆★☆
あれから、家から一歩も出れていない。そしてお風呂とか以外は、部屋からも出れていない。
手枷足枷はないけど、窓もドアもしっかり鍵をかけられてしまっている。
夜闇君は暇なのかなんなのか、ずっと私と一緒にいる。今はご飯を取りに行ってるからいないけど、それ以外はほとんど一緒。“おはよう”から“おやすみ”までずっと夜闇君しかいない。病みそう……
夜闇君が戻ってくるまで暇だから、私の1日について紹介しようと思う。
1,朝、夜闇君にキスとかハグとかで起こされる
2,夜闇君が選んできた毎日違う服を着せられる
3,それはそれは嬉しそうに髪を整えられる
4,安息の時間。夜闇君が朝ご飯を作るために部屋を出ていく。もちろんしっかり鍵は閉めていく
5,朝ご飯を“あーん”で食べさせられる
6,抱き締められたりしながら、私への想いを語られる
7、夜闇君がお昼ご飯を作りにいき、“あーん”で食べさせられる
8,抱き締められたりしながら、私への想いを語られる
9,夜闇君が夜ご飯を作りにいき、“あーん”で食べさせられる
10,お風呂に一緒に入る。丁寧に体を洗われる
11,抱き締められながら、いろいろ話をしながら眠る
はい、これが私の1日です
ほんと、夜闇君しかいない。しかも、世話をやかれまくってるから、私に出来る事がない。1日動かなくても普通に生活できるくらいには、世話をやかれてる。
しかも、部屋にはベッドと机くらいしかない。
トランプとかボードゲームは出来るけど、漫画とかは読めない。キャラクターでも私が夜闇君以外のことを考えるのが嫌とかなんとか……
ほんとに夜闇君しかいない生活。
もうやだ。こんな生活
帰りたい。逃げたい
どうしてこんなことするの?
夜闇君なんか大嫌いだ。
逃げたい逃げたい逃げたい
今は隙がないけど、いつか絶対にここから逃げてやる
それまでは我慢だ
待ってれば、いつか絶対にチャンスはくる
★☆★☆★
そうしてチャンスは、意外と早くきた
どうやら夜闇君は大学生だったらしく、最近学校が再開したらしい。
だから一緒にいない時間がすごく増えた。
もちろん、鍵はしっかり締めて行く。でもある日、何があったのか、鍵を閉め忘れていった。
わざとなのかとも考えた。でも、外には誰もいなくて、驚くほど簡単に逃げ出せた。
やった!やったやったやった!!
ついに、ついに逃げ出せたよ!これで帰れる!みんなのところに戻れる!
解放された!
街中を全力で駆け抜けながら、あまりの嬉しさに涙が出てきた。
やっと、あの地獄から抜け出せるんだ!
走って走って、どこかの公園にたどり着いた。そこで、ゆっくりと息を吐いた。
そこでは何人かの子どもたちが仲良く遊んでいた。夜闇君以外の人の存在が嬉しくて嬉しくて、無意識にその子たちに声をかけていた。
でも――
「あ、あのっ。こんにちは!」
「「「…………」」」
緊張しながらも声をかけたのに、ガン無視された。
私の声に、ピクリとも反応しなかった。
き、聞こえなかったのかな?
「あの!こんにちは!!」
「「「……………………」」」
今度はもっと大きな声で言ったのに、また全く反応されなった。
不審者だと思われてる?でも、そうだとしても何かしらの反応はするはずだよね。
どうしてこんなに無反応なの?
「あの!」
今度はそう叫びながら、1人の肩を軽く叩いてみた。
いや、叩こうとした
「……え?」
叩こうとしたのに、“スカッ”と、その子の体をすり抜けてしまった。
「え?……え?………」
何回やっても、どの子にやっても、すり抜けてしまう。
公園を出て、他のいろんな人に触ろうとしてもダメで………私、人に触れないの?
………でも、よく考えれば当たり前のことだった。私は死んでるんだから、生きてる人間に触れないのも、認識してもらえないのも、当たり前のことだったんだ。
夜闇君があまりにも簡単に私を認識して触れてくるから、忘れていた。
それなら、どうして夜闇君は、私を認識したうえに触れていたの?
……いや、今はそんなことどうでも良いや。それより私は、これからどうしていけば良いの?
サンタの私は、クリスマスの夜にしかこの世とあの世を行き来できない。つまり私は、次のクリスマスまで帰れない。
死んでるんだから、食べ物を食べなくても大丈夫だし、お風呂も入らなくて良い。
人と関わる必要もない。
でも、私はそれに耐えられるの?
私は生きてる時から、1人が苦手だった。
ずっと友達や家族と一緒にいたくて、1人の時間なんていらなかった。そんな私が、正真正銘の孤独に次のクリスマスまで耐えられるとは思えない。
でも、耐えなくちゃいけない。だってそうしないと、またあの生活に逆戻りすることになっちゃう。
そんなのは絶対に嫌だ!
だから、耐えなきゃ。なにがなんでも耐えないといけないんだ!
☆★☆★☆
「………っ……うっ……ふっ………うぅ」
今日は、何月何日?
逃げ出してから、どれくらいたった?
最近、クリスマスソングが聞こえるんだ
だから、きっともうすぐクリスマス
クリスマスがきたら、かえれる
人に、あえる 認識してもらえる さわれる 話ができる
もうすぐ、もうすぐ
独りは、もういやだよ
こわい さみしい つらい くるしい
全部ぜんぶ、もうすぐおわる
クリスマスの夜に、私はかえれる
はやく、はやく
今日は、何月何日?
明日は何月何日?
クリスマスはいつくるの?
「………うっ、、ふ、ぅっ……は、ゃく。。も、……こわぃ」
もう、ずっとずっと、涙がとまらない
ねぇ、クリスマスはいつくるの?
“パサッ”
空から、何か手紙が降ってきた。
あの世からのっ、あの世からの手紙かもしれない!
そう思い、急いで手紙を読んだ。
そして私は――
「………そっ、んな……やだっ、やだっ!なにそれ!違うっ、違うちがうちがう!そんなの絶対ちがう!嫌だ!嘘だ嘘だうそだ!そんなの、信じないっ。絶対信じない!……ち、がうっ、ちがうの!そんなのちがうの!ヤダヤダヤダ!…だ、だれか、誰かきてっ。誰か助けて!うそだってっ。こんなの嘘だっていってよぉ!やだっ、やだっ……だれかっ、誰かぁ!…………お、ねがい。。誰か、、私を見つけて。。誰でも良い。誰でも良いから………もう、もう、、独りぼっちほ嫌なの………だれか、助けてよぉ……」
――絶望に突き落とされた
たった1つの希望さえも、その1枚の紙に、壊された
「………聖華」
どれくらい経ったのか、突然、名前を呼ばれた。
空耳かも、そう思いつつ、微かな期待をこめて声が聞こえた方へ視線を向ければ……
「……よあん、くん?」
「ふふっ、そうだよ」
夜闇君が、私を見て笑っていた。
「……よあん、くん?……よあんくん?」
「そうだよ。夜闇だよ、聖華」
私が問いかければ、夜闇君はちゃんと答えてくれた。
「私が、、みえるの?」
私のこと、みえるの?
本当に?
「うん。そうだよ。それに、、ほら、触れる」
そう言いながら、夜闇君が私を優しく抱き締めてくれた。
「…!………ぅっ、、うぅ………よあん、くんっ……よあん、くん。。私、わたしっ、やっ、と………やっと、、見つけて、もらえた!……よあんくん!よあんくん!」
「聖華。僕、いつも寝る前に言ってたでしょ?“外に出ちゃいけないよ。外に出たら、聖華が悲しい思いをするよ”って。それなのに、どうして外に出ちゃったの?僕、探すのすごく大変だったんだよ?」
「……ご、ごめんなさいっ。私、わたしっ、何も分かってなくてぇ。そとっ、勝手に出ちゃって………よあんくん、、おねがっ、、わたし、をっ……すてないでぇ……もぅ、ひとりぼっちは、やなのぉ」
「僕が聖華を捨てるわけないじゃないか。大丈夫、大丈夫だよ。僕は怒ってないから。これからは、ずっとずーっと、一緒にいようね。さあ、僕たちの家に帰ろう」
あ
「っ……うん!」
やっとあえた
私をみれる人 さわれる人
よあんくん
勝手ににげだした私を、ゆるしてくれた
やさしい
私もう、絶対によあんくんのそばをはなれない
ひとりは、こわい
ひとりは、さみしい
だから、ずっとずっと、私をみれるよあんくんのそばにいる
独りになった原因が夜闇君であることも忘れて、私は、幸せな笑みを浮かべた。
――――――――――
メリークリスマス!セイカ!
久しぶりだね、楽しく暮らしてる?
今日は、セイカに伝えたい事があるんだ
セイカがそっちに行ってから、1年経ったね
実は、1年経つとサンタはこっちに戻れなくなるんだ
だから、セイカはもうこっちに戻ってこれない
そういうことで、お幸せに!
恋人と仲良くね!
そのうち条件が揃ったとき、また会えるのを楽しみにしてるよ
セイカの上司より
――――――――――
――――――――――
メリークリスマス!よあん君!
最後のクリスマスプレゼントを、君に届けたよ!
ずっとずっと、1つのものだけを望んでくれてたのに、これまで届けられなくてごめんね
今年、やっと届けることができたよ
さあ、目の前にいるのが、最後のプレゼント、セイカだよ!
実はセイカ、10年間もサンタとして君にプレゼントを届けていたんだ
愛の形は少し違うけど、たしかこういうのを両想いって言うんだよね
良かったね、両想い!!
最後に、君の望むものを届けられて良かったよ!
最後に、サンタについて教えておくね
サンタは、普通人には見えないんだ
だからもちろん、話したり触ったりもできない
でも、よあん君はちゃんと見たり触ったりできるから安心してね
それから、サンタは1年経つと僕たちのいる世界に戻れなくなるんだ
だから、次のクリスマスにはセイカは完全に帰れなくなる
セイカを認識できるのはよあん君だけなんだから、そんな事絶対にしないと思うけど、捨てたりなんかしちゃダメだよ!
サンタについては、これくらいかな?
僕は君たちを結構気に入っているから、絶対に幸せになってね
あ、そうそう
もし人間に飽きたら、クリスマスの夜に“死”を望んで
そうすれば、なんの苦痛もなく僕たちの世界に来れるよ
そしてそこで、よあん君とセイカは永久に一緒にいられる
死ぬのはいつでも良いよ
君が望む日を待ってるね
それじゃ、バイバイ!
サンタクロースより
――――――――――
大学へ向かう
いつも通りに振る舞ってたけど、今日全部が変わる
部屋の鍵も、家の鍵も締めずに家を出た
今日から、次のクリスマスまで聖華に会えなくなるのはすごく辛い。でも、僕は聖華が死んでから10年も待ち続けたんだ。最高の幸せのためなら、1年くらいなら待つことなんて簡単だ。
聖華の心は、ずっと僕のものになってくれない
聖華を手に入れるために、聖華を完全に独りにする
だから、それまで少しのお別れ
未来のために、今日から僕も聖華も地獄におちる
次に会う時は、聖華の全部は僕のもの
ふふっ
楽しみだなぁ
「聖華、バイバイ。次のクリスマスに、ちゃんと僕のもとへ堕ちてきてね」
そう小さく呟いて、僕は歩き出した。
「夜闇君っ、どこに行くの?おいてかないでっ」
「大丈夫だよ、聖華。一緒に行こっか」
「うんっ」
全部僕の、計画通り
聖華は、墜ちてきてくれた
「ずっとずっと一緒にいようね。愛してるよ、聖華」
「うんっ。私もあいしてる」
もう聖華は、僕しか見ていない
ここまで読んでいただきありがとうございました!
洗脳してみました!
もし、私のヤンデレを少しでも気に入ってくださったなら、他のヤンデレ小説も読んでみてくださると嬉しいです
《宣伝》
『絡み合う愛情と憎しみ 少女は誰の手を掴むのか』
連載中
いろんなヤンデレがいて、ルート分岐しまくる予定です
最近やっとヤンデレてきました
今回のより堕ちる過程とか、ヤンデレの心情とか細かく書きたいです(願望)
共通ルートは斜め読みとかで全然問題ないので、ちょっとでも読んでみてください
『自称ヤンデラーの失敗』
本編完結 番外編投稿中
(微)ヤンデレたち×メンヘラ(?)です
矛盾のないヤンハーを目指して書きました