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課長と弁当談義

 書類の作成と医療機械の営業電話をして、故障などの確認をして時間が過ぎて昼休みになる。


 ろくさんが声をかけてきた。


「村田飯どうすんだ?」

「ろくさん、今日も弁当ですよ」

「そうか、んじゃしょうがねえな」

「あら、お弁当なんだ?今日はどんな弁当なの?」

「ああ、お疲れ様です。おかずはきんぴらにハンバーグ、トマトとブロッコリーですよ。特別なのはありません」

「あらそうなんだ・・・てならないわよ。女性の私なんて今から琴美ちゃんと外でご飯になのに明らかに村田君のほうが女子力が高いは・・・」

「先輩・・・私も含むんですか…」

「琴美ちゃん、彼に勝てると思う?」

「いえ・・・」

「先輩たちさっさと飯食いに行かなくていいんですか?時間なくなっちゃいますよ?」

「「ああ!いってくる」」


 先輩たちはあわてて外に出ていく。

 今回のは実は自分勝手な八つ当たりも交じって適当にあしらったのだ。

 シャカシャカアイスフルーリーを・・・くそ。絶対に帰りに買っていくぞ。


 そんなことを考えていて弁当を取り出す。もちろん水筒の麦茶も。

 弁当を開ける前に水筒の麦茶を一杯飲む。

 そうしたら、課長が声をかけてきた。


「いつも弁当は村田と私だけだな」

「そうですね」


 この課長の名前は前橋善治。いつも奥さんの手作り弁当を持ってくる愛妻家の課長だ。会社内でも有名なぐらいに。


「課長は今日どんなお弁当なんですか?」

「私の弁当は今日は鶏肉の照り焼き弁当だね。おかずに煮物とほうれん草のお浸しがついているよ」

「鳥の照り焼きいいですねー。最近食べてないから作ろうかな」

「ははは、やめてやったらどうだ?最近女子二人がため息をついてることが多いぞ?女子力がなんだらっていっていてな」

「無理ですね。食は体の基本ですから」


 そういいながら課長は鶏肉の照り焼きを口の中に入れてご飯を入れる。

 こっちは対抗してハンバーグを口に入れてご飯を入れる。

 うむ、うまい。

 弁当は冷えてもおいしく作るのが本当にコツだと思う。

 暖かいより冷たいほうが味覚で感じるのが薄くなるためにちょっと味を濃くするのだ。

 うん、きんぴらもうまいな。

 

「しかし、村田の弁当はいつ見てもちゃんとしてるな。本当に感心するよ。私が同じ年ぐらいの時には外食が多かったからな」

「私も偶にいい店があるとふらっといってしまいますけどね」

「まあ、偶になら私も今でもいくしな」


 まあ、偶にですよね。いつも行くにはちょっとね…

 そういえば、めぼしいお店チェックリストがたまっていたな。

 そろそろ言っておかないとな。山の風に魚介系のラーメン屋福住、中華料理欄欄などなど・・・

 ためてばかりだどんどん消化していかないと。


「そういえば、村田は彼女とかはいないのか?」


 でた、めんどくさい話ナンバーワン。彼女がいないのか。彼女はいれば楽しいかもしれないが、自分の時間が失う。私は時間は自分のために使いたい主義の人だから今は作りたいと思わないのだ。


「いないですね。自分の料理時間が減って料理ができなくなりそうで」

「お前と結婚した奥さんは幸せだろうな」

「・・・どうですかね。奥さんが悲しくなって離婚するケースとかも聞いたことありますよ」

「・・・かなしいこというなよ・・・」


そんなもんだろう。


「ああ、そうだ今度うちの弁当と交換してみるか?前から村田の弁当に興味があったんだが」


 ふむ前橋家のお味ということが私がアジの審査をしてみたいものだな。ここは好感してみようではないか。


「いいですよ」

「おお、そうか。じゃあうちの嫁に行っておく。あんまり張り切らないで作ってくれって。うちの中でもお前は有名なんだ。いつも会社に自作弁当を持ってくるやつがいるってな。でかなりうまそうな弁当だって」

「課長、余分なこと言わないでくださいよ!」


なんでそんなこと言うのか・・・それではむしろ奥さんの分の弁当も作らなきゃいけないではないか・・・。まあ弁当は一つも二つもそんなに変わらないけど。

「じゃあ今度交換しましょう」

「そうだな。そうしよう」


 しかし、課長と交換する弁当か・・・ちょっと考えないとな・・・

 そうだな魚の揚げたのに、アスパラベーコン、彩は豆腐と卵、にんじんのみじん切り、グリンピースを混ぜて蒸した奴でも作るか。


「課長弁当の構想決まりました」

「早いわ!」


 そんなたわいのない話をしながら弁当を食べていく。

 ああ、今日の夕飯どうするかなー、会社出るまでには決めておくかー

 そんなことを考えていながら弁当を食べきってしまった。

 麦茶を飲んで一息つく。


「そういえば、課長は何が好きなんですか?」

「うん?俺が好きなものか・・・野菜のてんぷらとかは好きだな。うちで作ると水分が多いのべしゃっとしたてんぷらが多いんだよな・・・。揚げ物だけにが手みたいなんだよ」

「揚げ物の中でもてんぷらは実は難しいですからね。カリっと上げるには工夫が必要ですし」

「そうなのか。詳しいな。どんなことをするんだ?」

「一番簡単に揚げるには、小麦にビールを混ぜるのがいいですね。アルコールは蒸発しやすいですし、泡はカリッと揚げるときに空気が混ざりパリパリになります」

「なるほど。お前は詳しいな。そういう話を知ってるってことは揚げ物もするんだな。めんどくさいだろうに」

「揚げ物はむしろ一回でたくさん作れるので楽ですよ。人数が多くても簡単に調理できますし」

「なんで、料理人じゃないんだ…?」

「それはあれですよ、自分が食べたいだけですから」

「そ、そうか」


 人に作る前にまず自分がしっかり味わいたいのだ。それが私が一番よく考えていることだ。

 そんな話をしていると先輩たちが帰ってきた。


「戻りましたー」

「ただいまー」

「戻りました」

「「おかえりー」」


課長と声がハモってしまった。


「何か話をしてたんですかー」

「うむ、ちょっとてんぷらの揚げ方について話をしていてな」

「・・・課長までそんな話をしないでください」


 とこ先輩が顔をしかめた。また女子力云々考えているのだろう。

 そんなとこ先輩を見ているとあるものを持っているのを見つけた…

 先輩たちめ・・・


「でもこれおいしいわねー。また買っちゃいましたよ」

「ほんとそうだな」

「これはしばらくはまってしまいそうですね」


 シャカシャカアイスフルーリー・・・畜生。

 帰りに買って帰るけど、先輩たちを呪ってやる・・・


「おお、それ美味しいよな。私は帰りにまた買っていこう」


 課長また買うんですか・・・奥さんに怒られないように気を付けてくださいよ・・・最近丸くなったような気がしますので・・・


 あと、シャカシャカアイスフルーリーは絶対、絶対帰りに買っていくのを心に決めた。

評価等頂けましたらとてもうれしいです。

頑張って続けていこうと思います。

よろしくお願いいたします。

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