蒸し鶏のねぎ油がけ
今日は休みだ。誰にも邪魔されず自分の時間を好きに使える日だ。
一日やりたいことを考えておこう。まず・・・いや、・・・掃除しないとな。
布団もどうにかしなければ。梅雨が終わってからの7月に入って最初の休みだ。
部屋をすっきりさせなければ。それが終わったら好きなことをしよう。
休みの日だし、手間をかけた料理をしたい。音楽を聴きながらできたら最高だろう。
今日一日を充実させた一日にしよう。
まずは、掃除だな。布団は干すより、匂いもとりたいからコインランドリーに持っていこう。
さて、掃除の基本は上から下へやるのが基本だ。
掃除機ははたきをかけたあとだ。うまいものを食べるにはその前の準備も必要だ。
「はたきはどこにやったっけな・・・」
物置スペースを見に行って掃除機はすぐ見つかるがはたきはなー・・・
あるはずなんだが・・・。
お、面白いものを見つけた。ずっと使ってなかったけど久しぶりに使うか。
今日作るものは決まったな。
ついでに、ボックスの裏にあったはたきも発見。
では掃除をスタートだ。
といっても一人暮らしの家だ、1LDK。
時間はそんなにかからないだろう。まずは窓を開けないとな。
空気の入れ替えだ。でもやだなー。暑いし。
「はあぁ、開けるか」
・・・うわぁ、やっぱ熱いわ。さっさとやってしまおう。
まずは高いところのはたきをかけよう。
エアコンの上、冷蔵庫の上、本棚の上、電球、どんどんはたきをかけていく。
玄関の靴箱の周辺にカーテンレールの上だって忘れない
おっと、暑い中でやるのだ首にはタオルをしっかりかけてある
ほこりがどんどん待っているのが見えてくる。
熱いからマスクとかはしてないが、マスクをしたいものだ。
はたきがけが終わったら次は掃除機だ。
掃除機は物をどかしながら押すのではなくひくのが大事だ。
ひくほうがごみはよく取れるのだ。
これは説明書にもちゃんと書かれている。
知っていると知らないとでも大きな違いだ。
ろくさんは掃除なんか適当にやっていのだが、ひくほうがごみが据えることは知っていた。
逆にとこ先輩は知らなかった。この時はろくさんのにやけた顔ととこ先輩の悔しがっている顔は対照的で非常に面白かった。
掃除機をかけるときに面戸なのはものをどかす作業だ。だから物はあまり増やさないほうがいいし、小物なんかはしっかりしまってあった方がいい。
またいらないものが増えてきたときはすぐ捨てる。使うかもはなしだ。また使うものだけを残すのだ。
めんどくさいのはベッドの下とかだ。最初にやるのはそういう部分からだ。先にめんどくさいところからやると後がスムーズに終わる。
「最近の掃除機はよくごみを吸うようになったから使い勝手もいいよな。ほんと機械類は便利になったな」
掃除機のコンセントを差し込みスイッチを入れる。
このタイプは吸ったら、そのごみはあとでごみ箱に、ポイなタイプだ。
おっと、テーブルの下のラックまでしっかり掃除しないと。ラックは・・・干そうかな。掃除機ですった後で。
本棚や冷蔵庫の下は掃除はやめておく。そこまでやると完全な大掃除になってします。
それは年末にやればいい。
掃除に関しては完璧主義には慣れないのだ。
いや、めんどくさいのだ。
◇
一通り掃除が終わった。洗濯物も干してある。
掃除機の中のごみも捨てた。あとは布団をコインランドリーに持っていくのと、今日ひらめいたあれを作るだけだ。近くのスーパーに行こう。
と、考えていると着信が来た。
相手はろくさんだ。
「どうしたんですか?ろくさん?」
「おう、今何やってる?」
「いやまあ、掃除をやっていますけど・・・」
「掃除?休みの日まで頑張ってるなー」
いや、掃除なんて休みの日ぐらいしかできないのである。夜掃除機をかければうるさいし。
「で、どうしたんですか?」
「ああ、掃除が終わったらでいいんだが、遊ばねえ?」
やばい、本日のプランが崩れる言葉が出てきた。
ろくさんと遊ぶということは残りの時間ほぼすべて使うということだ。
それは、今日やりたいことができないということである。
きっぱり断ろう。本音で。
「いやです」
「・・・おまえ・・・」
ろくさんが驚いたような顔をしてることだろう。なんせきっぱり断られたのは私からはなかったからな。
「なんでだ・・・?」
「簡単です。今日一日のプランを完全に決めてしまったからです。梅雨の時期が終わり最初の休みです。掃除もそうですけど、布団をコインランドリーに持っていったり、入用なものを一通り買っておかないといけないのです」
「それ今日じゃないとダメか?」
「ダメですね。それに先輩はどうなんですか?家の掃除とかは。最近先輩の家にいてませんが、風呂場とかはカビ生えたりしてないですか?梅雨の時期で湿気がたまってかびたりしてないんですか?布団とかはどうなんですか?気持ち悪くないですか?干してあった方が会社から帰ってきたときゆっくりねれますよ?次の日も朝起きやすいですし」
「・・・そうだな・・・そうじをするわ・・・」
「そうですよ。掃除をした方がいいです」
勝った!これで今日のプランは崩れない。
「ほかに何か用はありますか?」
「ああ、そうだ。こんどさこの前トークであげてた写真の料理時間があるときに作ってくれ。あれはさすがに爆弾すぎて忘れられないんだ」
「あー、じゃあ7月中じゃないとダメですね。アジの旬は7月までなんで。じゃあ、早めに仕事を終わらせるか、私が予定のない日に声を掛けますよ」
「7月中かよ!今月結構仕事やばいのに!」
「しょうがないじゃないですか。アジの旬が七月中なんですから」
「ちくしょう!わかった頑張って時間作るわ!」
「お願いしますね。じゃ切りますね」
まったく。ろくさんは仕事をためすぎじゃないかな。時間は有限なんだからさっさとやってしまわないと。
・・・そうだ時間は有限なんださっさとやってしまわないと。
布団を担いで車に向かっていく。車のトランクに布団を積み込み。運転席に座ろうとして扉を開ける。そうするとなかからむわーんとしたねっとりする空気を感じた。やばい死ぬ。
だがさすがに布団は歩いて持っていけない。車を使わないと。座る前にまずエンジンをかけエアコンを全開にしないと。ちょっと熱を逃がさないと熱中症になってしまう。
「しかし、暑いな。冷たい飲み物でも持ってくればよかった。失敗したな」
ちょっと空気が入れ替わるまで待つしかない。
スマホを開くか。なんか面白い店でも見つけよう。
アプリを開いて店を検索する。車で行ける距離で20分以内だ。なにかあるか。
お、いい店があるじゃん。お酒飲みながらなら最高によさそうだな。店名はジビエ・山の風か。
鹿肉の燻製とかかものローストとか色味もきれいでうまそうだ。
今度行くか。
車も熱がなくなったことだしそろそろ行くか。
◇
コインランドリーは最近進化してるらしい。昔は洗濯乾燥をするぐらいだったが、いまは隣にクリーニング屋があるのはもちろん、喫茶店があったり、美容室があったり、パン屋があったりしている。洗濯には時間がかかるしいい考え方だと思う。
私が行くコインランドリーには喫茶店がある。コーヒー飲みながらゆっくりするか。さすがに布団を洗うのには時間がかかるからな。そのほうがなんか・・・有意義な気がする。
で、時間が少し経ったらスーパーに行くか。そのほうがいいだろう。
コインランドリーについた。降りると熱風を感じる。さっさと中に入ろう。
「ふう、中は涼しいな。お、コーヒーのにおいがこっちにもくる。いい匂いだな」
いい匂いだ。さっさと機械に布団を入れてコーヒーを飲もう。
コインランドリーには洗濯機があるから便利だしかも乾燥機付きだ。
乾燥機は普通の物と違い瞬時に高温がでてダニなどにも効く。除菌にももってこいだ。
洗濯、乾燥一気にやってしまおう。
布団を入れて洗濯機を回す。大体1時間20分くらいは見たほうがいい。
40分くらいはコーヒータイムにしよう。
残りはスーパーの時間だ。
では移動だしよう。
◇
喫茶店は大きくはない。コインランドリーの中にあるものだからな。
1人だしカウンターに座ろう。目の前でコーヒーを入れるのも見れるし。
さて、何にするか。どうせならケーキも一緒にもらうか。
コーヒーはアイスに使用。暑い中ホットはさすがにきつい。
「すいませーん。注文いいですか?」
「はいわかりました。ちょっとお待ちくださいね」
店員さんがやってくる。店員さんは女性だここの店長さんかな?
歳は私と同じかちょっとしたぐらいか?緑色のエプロンが似合っているな。
「注文どうぞ」
「コーヒーのアイスとチーズケーキをください」
「かしこまりました。お冷を先にお持ちしますので少しお待ちください」
ああ、そうだ水分補給も普通にしておかないと。飲むのを忘れてた。
店員さんは注文を確認したら戻っていった。
水で先にのどを潤あわせておきたいな。
そのほうがコーヒーのうまさがわかるだろう。
お水早くプリーズ。
「お冷です。もう少しお待ちください。」
店員さんがやってきたかと思うとすぐ戻りコーヒーの準備をしている。
お水は冷たくて今欲しいものだった。体満たされた気がする。
豆を先にミルを使って細かくしているな。
細かくなったらサーバー、ドリッパー、フィルターの準備をしている
電気ポットのお湯をポットに入れる。
ドリッパーにフィルターを入れコーヒーの粉を入れる。
入れたらドリッパーをサーバーにセットする。
そしてポットのお湯をゆっくり注ぐ。
いい香りがしてきた。あの一滴一滴にコーヒーのうまさがあるのだろうな。
待ち遠しい。
「もう少しお待ちくださいね。ゆっくりと入れたほうが蒸らされるとコーヒーの成分のおいしいところが出てきますので。時間に応じて濃さも変わります。短い時間だと薄め。長い時間だと濃い目です。
今回はアイスですので濃い目に作っています。なのでもう少し時間がかかります」
「なるほど、勉強になります」
なるほど蒸らしか。そういえば今日はあれをするんだ。蒸すはうまみが倍増するからな。
あー、いいな。楽しみだ。
蒸らしている間にチーズケーキも準備してくれている。
しかしもう少しゆっくりする時間でもよかったかも。おいしいコーヒーを飲みながら本を読んだりすればいい日だったかもしれない。
店員さんがドリッパーを外した。そして冷やしたグラスに氷を多めに入れ上からポッドのコーヒーを入れていく。
「お待たせしました。アイスコーヒーとチーズケーキです」
「ありがとうございます」
待たされたよコーヒーさん。焦らすのが好きなんだな。
・・・馬鹿なこと言っていないでさっさと飲もう。
まずは一口・・・呉君・・・違う・・・gokun・・・違う・・・ゴクン!!
う、うまい。あれ?減りが早くねおかしいな・・・。
こんなに飲んだ記憶がない。
いやでも本当にうまいな。香りもそうだが、酸味が程よい。
コーヒーのアイスってなんだか苦いだけの物が多かったからな。
蒸らすって大事なんだなー。
チーズケーキも食べよう。
まったりとした甘さに、しっとりとした感じだ。
クリームチーズも混ぜているのかな?風味がとても豊かだな。
口の中で広がっていく。
この店あたりだな!!
◇
ああ、いい時間だった。またこようと思えるいい店だ。
でも、時間が来てしまったしスーパーに行かなければ。
「お会計お願いします」
「はい。わかりました。1000円になります」
おいしいものは手間がかかる。この値段は普通だ。
むしろ知識と手間を考えたらまだ安いかもしれないが。
「美味しかったです。ごちそうさまでした」
「ありがとうございます。またお待ちしております」
そうして外に出るとまた熱風が私を襲った
「・・・スーパーいかなきゃ」
◇
スーパーに寄って鳥肉とねぎ、しょうが、ごま油、ジャガイモも一緒に買った。
時間が少し余りそうだったのですぐに買わずに色々物見をしていた。
缶詰って今種類が豊富なんだよな。おつまみの缶詰もあるし。
見ていて面白かった。
布団もとりだしたらふかふかだった。気持ちよく寝れるだろう。
そして今は家にいる。もちろんエアコンはついている。いつもと同じような感じで先にエアコンをつけておいた。
そして今はキッチンだ。
耳にはイヤホンをして人気バンド「シリーチャップス」の音楽を聴いている。
3ピースのパンクバンドだ。あんまりリズムに乗りすぎると危ないけど。
さてさて準備だ準備。今日久しぶりに見たあれ、セイロを使おう。普通は一人暮らしで使うといえば小さいものだが、使うのは肉まん6個ぐらい一段で蒸かせるやつだ。
2段までいけるのだ。
まずは大鍋でお湯を沸かそう。
で食材を処理しなければ。
まずは鶏肉だ。今回は胸肉を使用する。モモでもよかったのだが脂っこい部分もあるし、胸のほうがしっとりした味わいができる。今回は多めに食べるために600グラムぐらい。
処理は筋を取ったりする。あと血管の残りなんかもとりだす。処理が終わるとしおと酒を振っておく。臭みを抜くためだ。
次にジャガイモを洗う。ジャガイモはしっかり洗うだけでいい。蒸すだけだから。蒸したほうがうまいからなー。
セイロにレタスを敷く。そこに鶏肉を置く。
下の段にはジャガイモを置く。
沸騰はまだしてないがセイロを鍋の上に置く。
次にフライパンを温めておいて、ごま油とサラダ油を入れる。これは鶏肉にかけるためだ。
さらにそこに塩を味を付けるように入れる。
次にはねぎだ今日は一本使う。緑のほうは輪切り。白のほうは千切りだ。
先に緑を輪切りにしておこう。輪切りはただ着るだけだからすぐに終わる。
白のほうは5センチの長さに切り側に中心部ぐらいまでに切れ込みを入れ芯の部分は取り除く。
芯はあとで細かく切っておく。
白いのは伸ばして平らにして千切りにする。
ねぎはたくさん切っておく。あとしょうがも皮をむいた後千切りにする。今回は一塊の半分ぐらい使う。
ジャガイモより鶏肉のほうが先に火が通るから鶏肉は取り出しておく。
ボウルを取り出し冷蔵庫から氷を取り出し入れ水も入れる。
鶏肉はジップロックに入れ空気を出し閉じたら氷水につける。
油は少し舐めて味の確認ジャガイモが時間かかるのでフライパンは止めておく。
ジャガイモにはやけ串を差し込み固さを確認。
すんなり通れば完成だがまだかかるな。
少し休憩だ。
麦茶をグラスに入れてリビングへ。
「うまいものを食べるには時間がかかる」
少しずつ飲んでいく。疲れが癒されていく。今日一日いろいろやったからな。
スマホを開くとまたトークが・・・。
ろくさん暇なんすか・・・
「今思ったお前の料理食べに行けばよかった。食べれる?」
・・・無理です私の分しかないです。
「ちょっと、なんで個人的なことの話でここでやり取りしてるのよ!休みの日にあんたからのトークなんて見たくないのよ!」
ああ・・・とこ先輩まででてきた・・・一言だけ返しておこう。
「ないです」
「ないのかよ!あと所沢うるさい!俺は暇なんだ!」
「だまれ。村田君あとで写真だけまた載せておいて。見てみたいから」
・・・先輩・・・
「わかりました」
◇
さてジャガイモは火が通ったかな?お、大丈夫そうだな。
じゃあもう一回フライパンを温めてっと。
鶏肉は取り出そう。うん熱は取れてるな。
鶏肉をスライスしてさらに盛り付ける。その上に切ったねぎしょうがをのせる。
そのあと皿の下に新聞紙をしく。
油はアツアツだな。絶対に触れないレベルだ。
これを鶏肉にかける。
うわ、じゅわって聞こえた。ああ、ねぎとしょうがのいい香りがする・・・
こっちは完成。あとはジャガイモを取り出し切れ込みを入れてバターを乗せてさらへ。
ジャガイモに先に切れ込み入れとけばよかったかな・・・熱い・・・
まあ、完成だ。
あとは冷蔵庫からビールを取り出してっと。
リビングへGO!
◇
うまそうだ。久しぶりに作った。写真も撮っておこう。
さてさてまずは鶏肉と、ねぎしょうがを一緒に食べようかな。
おお、ごめのいい香りもする。
さてさて・・・
「う、うまいなー!ビールビール!」
ビールをそのまま入れる。
最高だ。まず鶏肉を冷やしたことによってしっとり感がよりでている。蒸したことによってうまみもそんなに逃げていない。そこにごま油の香りねぎの食感、しょうがの風味が口の中に広がる。これは最高の組み合わせだな。うまい。
「ジャガイモはどうだ」
ジャガイモにバター王道の組み合わせだ。
「おお、やっぱりこれはいいな。蒸すのはうまみが逃げない。ジャガイモのうまさがよくわかるな」
これは今日一日の最高のご褒美だな。
鶏肉はモモだとこってり感が多いからな。やっぱ胸のほうが良い。
この方がいっぱい食べれるし。
「ああ、幸せだ。やっぱこの料理はいいな」
◇
食った食った。写真はトークに送ってっと。
片付けだ。ちょっと手間かけたからめんどくさいけど…あ。
レタスのこと忘れてた…これはさすがに・・・どうしようかな。火が通りすぎてこれだと全くおいしくないだろうな。あーあ・・・ごめんなさい。
泣く泣く捨てるしかなかった
◇
「あら写真が来たわ。今回は何かしら。今日の鳥料理?から揚げとか焼き鳥かしら?」
まあ、開いてみたほうが早いかな。
「うそでしょ・・・。やっぱり村田君の料理スキル・・・女子力の高さがおかしいわ・・・私なんて・・・」
そういいながらカップ麺をすすっている。
◇
「お、写真来たか。たく俺の分まで作ってくれればいいのに。まあみるか。今日の鳥料理か」
そういってビールを飲みながら見ていると途中で動きが止まる。
「まじかよ・・・俺なんて柿ピーにビールなのに・・・落ち込むわ…」
そうやって彼はがっかりしていた。
評価等頂けましたらとてもうれしいです。
頑張って続けていこうと思います。
よろしくお願いいたします。