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薬草

復帰しました。

【お知らせ】

・タイトルを変更しました。

・物語を更新するにあたり、本筋はそのままで細部を修正する予定ですが、端末の都合上一部の漢字を変換しない事があり。稚拙に見えるでしょうが、理解頂きたく申し上げます

辺境の地にある町、【スフィア】の冒険者ギルド。


俺、【キラ・サウィン】は、薬草の採取クエストの受注の為にそこへ向かっていた。

ギルドの扉を開き、クエストの掲示板まで向かおうとした時。



奴が現れた。



「キラ!今日もまた薬草か?」



俺と同じく16,17歳程度に見える、茶髪で多少目つきの悪い青年。


「ですねぇ」


薬草採取の依頼書剥がしながら、超絶適当に受け流したが…

毎度毎度声を掛けてくるな、この人は。


「う〜ん…お前はEランクなんだから、平地で魔物に襲われて死ぬんじゃないぞ!なんてな、はは!」


それに俺はそんなに不注意ではない。

仮に魔物に不意を突かれようが対処の仕方は心得ている。

つか、お前もEランクじゃねぇか。


陽気で、笑い上戸且つ空気の読めない事で有名なEランク冒険者【ラギア・ルイガス】。

俺がこの町の冒険者ギルドに登録しにきたときから絡んでくる。

ただただ五月蠅い。

やたらと自分に自信があるようだが見る限り実力的にもイマイチだと思う。

先輩面してきたりもするが、そう尊敬する所も無い。

悪い奴では無いが。


挨拶では満足せず、未だ小煩く何か言ってくるのは放っておき、受付へ。

ギルド員の【クロナ・レジーナ】さんに、依頼書とギルドカードを手渡しながら、笑顔で挨拶する。

「おはようございます、クロナさん。」

「おはようございます。今日はジライ草の採取ですか…ウルフには気をつけてくださいね」


彼女は笑顔で、受けたクエストが記録されたギルドカードと挨拶を返してくれた。


彼女は金髪碧眼の、町で男女関わらず女神だ何だと噂する程の美女だ。

笑顔のクロナさんの後ろに花が咲いて見えるのは気のせいだろうか。

んでまあ、その綺麗な彼女に好意を持つ奴も、恋慕を抱く奴も多いわけで。


真昼で過疎気味のギルドにいる複数の男性冒険者達の俺を見る目が鋭い。

まあ、そんなものに怯む俺じゃないけど。

さて、ざっs…じゃなくて薬草採ってくるか。

「おいキラ!おま、お前クロナさんと笑いあってた!クッソ羨ましいんだけど!なぁ!」

うるせえ。






場所変わって、現在町から少し南の草原。

ジライ草は、ここら周辺に生える、ナズナ草という雑草に似た薬草だ。

正直ジライ草も雑草だけどな…取ってこいと言われたなら採ってくるけども。


なんでも薬水の素になるんだとか言われてる。

ジライ草とナズナ草を見分ける方法は、根の色だ…

と言っても案外見分けが付かない。


更にジライ草の場合茎に傷を付けてはいけないので、普通の薬草摘みより時間がかかる。

薬草を採取してる冒険者なら、その地道な作業をして漸く見つけるんだろう。

そんな事するより圧倒的に効率の良い方法が俺には使える。


魔法だ。





【ディテクション】


無詠唱で、魔法を行使する。

【ディテクション】は、発動時に探す対象を念じることで、その物質・生物がどこにあるかを指し示す無属性の魔法だ。

ちなみに効果範囲の限界は使用者の資質による。

今回は自分を中心とした半径約2kmを対象とした。


目を瞑ると、探知した範囲の構図が模型のように見える。

自分のいる場所は赤い点、ジライ草の場所は青い点で示されている。


目を開くと、目の前に青く発光する矢印ポインターが見えた。

矢印の下には目的のモノがある、ということだ。


【ディテクション】は、一度発動すると魔法を解くまでそのままになる。

この仕事(薬草採取)の為にあるのかと思うほどに便利なので重宝している。




ジライ草を採り続け、数時間ほどが経過したように思う。

収穫は400本ほど。

最初は走りながら採取したが、殆どジライ草をとりつくしてしまい、少し植え直した結果である。

、ジライ草は雑草だし繁殖も早いので、三日でもすれば元通りだ。


確か、依頼書に書いてあった報酬は、ジライ草3本で300シル。一本100シルにしろよ、というツッコミは置いておくとして、大体40000シルくらいか?

脳内で軽く報酬を見積もる。

そこそこの稼ぎだろう。

今の宿は二食付きで一泊2500シル。



町に戻り、冒険者ギルドへ直行した。

今日の収穫を、ギルドカードと共にクロナさんに渡したが…何故か引きつった笑顔をしている。

「キラさん、またですか」

「えっ?」

「…ああそうです。査定の間に…ギルマスの部屋へどうぞ」

「は、はあ」



唐突だな。

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