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3大勢力

 2学期が始まってから早くも1ヶ月が経とうとしていた。「じゃあ来週はここのところレポート出すように。」授業によってはこうした課題が出されるようになった。そして俺だが・・・

 

 「大友くんあのさ、ここどうやってやるんだっけ?」「ああ、これはこうしてこう・・・」「おお!なるほど!ありがとね!」「おう。何かあったらまた聞いてくれよな。」男子学生と普通に接することができるようになった。


 俺はあの日、土下座をしてアリスと仲良くしていたことを誠心誠意を込めて謝った。アリス親衛隊含め、アリスファンの連中は見逃してくれたが、それをしたことでアリスがファンの奴らに怒りを露わにした。


 「別に私が誰と仲良くしようが関係ないでしょ?春きゅんと仲良くできないならみんな嫌い。」その一言でアリス親衛隊含め、アリスファンの連中も俺に土下座し、お互いに和解した。たったアリスの一言で除名活動までしようとしていた連中が一瞬にして考えを改めるのであるからアリスはすごい。


 そのおかげもあり、俺はこうして死なないどころか普通の学生生活を取り戻し、今ではこうやって話してくれる人もできたのだ。そしてさらには部室まで普通に行くことができるようになった。まじでアリス様様だよ。アリスさまあ。


 大学入ってからこうして普通に生活ができるなんて思ってなかったから、よかった。今日は授業終わりに

部室よっちゃおっかな。俺はルンルンで授業を受けて放課後を待つのであった。


********


 「オカ研の連中がだいぶ増えているみたいだな。」「ええ、そうね。大学のアイドル、アリスちゃんが

オカ研に入ったみたいよ。」「なるほど。あのアリスさんがね。」

 アリス親衛隊。体育連合のバレーボールサークル、文化連合の美術サークルに相対する第三勢力として突如現れた。そしてそのアリス親衛隊が幻の6人目擁するオカ研サイドについた。オカ研がここまで上り詰めてきたのは

大学史上初の出来事である。

 「これからオカ研は無視できなくなる。一度彼女と連絡を取る必要があるな。」「ええ、そうね。」


********


 「ついにか。」「田辺先輩どうしたんですか?」俺は尋ねる。「ようやくうちに声が掛かった。二大連合の一つ。バレーボールサークルから。」「どうしてうちにバレー部の奴らが?うちは文化部でしょ?」俺は

この人何言ってんだみたいな気持ちでそう聞いた。神田がため息を吐く。「忘れたのかい?うちには3大連合という大学トップに君臨する3大組織があるんだ。一つは連絡が来たバレーサークル。もう一つは文化連合の美術サークル。

そして最後に無所属で新興勢力として突如現れたアリスさん率いるアリス親衛隊だ。」「え?そーなの?」

アリス本人が一番驚いている。知らなかったんだ・・・


 「でその一角が俺らに連絡したのはどういう関係で?」神田がため息を吐く。「はあ〜。アリス親衛隊は今どこに所属してると思う?」

あ。そいことね。すみませんん本当に。


 「そう。つまり彼らも私たちのサークルの規模を無視できないほど脅威に感じてるわけだ。まあ連絡はただの協定だな。」

先輩はそう言った。「3大勢力一つになるとどうなるんですか?」「特にはないが。他サークルのお手本として振舞うことになる。組織が多い分、良くも悪くも目立つからな。だからこそサークルとは言え、きちんと活動を行うことが重要だ。」「なるほど。だからちゃんとやれよって話し合いをすると。」「まあそういうことだな。ということで私は行ってくる。みんなはまあ好きにしてくれ。」サークルだから強制力はないからな。適当にしてくれと。


 「すごいサークルだったんだねオカ研は。」アリスさん、それはあなたのおかげです。とこの場にいる全員が思ったことだろう。とりあえずすごい組織力になったのは間違いない。だからこそ悪目立ちするからきちんとしろよということか。ん?先から神田がずっと静かだ。どうしたんだろう?


 「神田どうかしたか?」「ああ、いや、なんでもないよ。」いや、絶対何かあるじゃん。「どうしたんだよ?サークルが大きくなったのに嬉しくないのかよ?」「ああ、それは嬉しいよ。ただ・・・」「ただ?」


 「3大勢力としてなり上がるのはいいことばかりではない。大学としてある意味ブラックリスト化される。良くも悪くも目立つからね。不正をすれば広まるのも早い。特にサークル内でのお金のやりとりなんかは基本アウトだね。」

 

 彼女はみんなにそう言ったが俺にはこの意味がよく理解できる。俺は幻の6人目としてこのサークルに無理やり入らされ、神田から依頼を受けた。その際に俺は大量にお金を受け取っている。そしてサークルには幻の6人目として依頼をすることができる。しかし、今後その依頼を受ける際に金銭のやり取りをしてバレた場合一発で広がる恐れがある。


 つまり依頼が今後あっても無償になる恐れがある。こんなリスクを知っていたにも関わらず彼女はサークルを大きくしようとしていた。このリスクがあるにも関わらずなぜだ?


 「神田はそんなことも詳しいのな。」「まあね。情報はいろいろあるからね。」「そっか。ちょっと神田話があるんだけどいいか?」

彼女は頷く。「ごめん俺らちょっと席外すわ。みんなはまあ・・・適当にしてくれ。」「ええ?二人だけずるい。なんの話するの?」アリスがブーたれて言う。「ごめん山本さん。まあまた明日ね。」「ええ〜」


 アリスには悪いがこの話は俺と噛んだしか知らないからな。来てもらうわけにはいかない。

 

 俺らはいつも行くファミレスとは違い、公園に向かった。

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