第47話 後 親分
「こいつら俺達を助ける気なんてないんだ!俺達を騙そうと!」
「いやいや、私達が受けた依頼は山賊討伐だ。実力差は歴然、お前らを皆殺しした方が手っ取り早いだよ」
「…っ!」
「こらっ!逃げんな!」
メイの召喚獣が氷で出口を塞いだ。
「化け物め!」
私はただ山賊達を助けたかったのに…。
「山賊の娘とか言ってるけど結局そっちの味方じゃないか!俺は親分の命令を従っただけ!俺は悪くない!何故こんなことに!いやだ!死にたくない」
「黙れ!お前ら、一生親分について行くんじゃなかったのか!酔った時に心にもないことを口走っただけか?あん!」
「お、親分…」
全員を救うことは出来ない。
「私!私の父親は私の前で殺された!私はどうしてパパが殺されたのがわからなかった。パパを殺した人が私を引き取って、育てくれた。私、あの人にどうしてパパを殺したと聞いた。そしたら、パパ殺されて悲しいか?これ以上悲しい人を増やさないためにも、あなたのパパはいてはいけない人なんだと答えてくれた」
あの人はこうも言った、私はあの人の娘になるはずだった。私の母はあの人の妻だった。今は関係のない話だけど。
「お前の気持ちはわかる。だがな、人を不幸にしていい理由にはなれない。山賊はいつか償わなければならない。確かにお前らは数人しか殺していない、でもこんな時期でお金と物資を奪ったら、村人達はどうなる?どうやって税金を払うと言うのだ!お前は村人全員に復讐したかったのか!しかも、同じ境遇の人を巻き込んで!彼らはお前を憧れてこの山賊団に入っただろう!」
「…俺が!俺が皆を山賊にした!皆は俺の命令で動いている!殺すなら俺だけを殺せ」
根っからの悪人じゃない。環境がそうさせただけだ。悲しいな…。
「親分…」
「親分、コイツらは信用にならん。絶対皆死刑になるんだ。今戦える人の殆どが新首都に向かった。食糧も不足してる。俺が首長なら絶対に山賊を街に入れないね。牢に放り込んた俺達を見張るために人手を割くと思う?囚人に与える食糧があるとも思えないし」
そう…かも。ギルドに連れていても殺されるだけだ。
「メイ、メアリー、あいつらを見逃すわけには…」
「は?あのさ、この際、依頼のことを一旦置いといてさ、見逃したら奴らは山賊から足を洗うと思う?山賊達は他の生き方知らないのよ!またどこかの村を襲うだけだ!」
「でもぉ!」
「若造数人いるんだ。そいつらだけでも、見逃してくれないか?ギルドはこっちの人数を把握してないはずだ。」
「いやだよ親分」
「テメェらはまだ若い」
本当にこれでいいの?




