第47話 前 ドブネズミ
「親分、勝てるわけがないよ。冒険者が残っていた時点で我々はもう…」
「うるせぇ! 俺はもう昔の俺じゃないんだ! 見ろ! 俺をナメたやつの末路をよ! 俺はもう昔と違うんだ!」
「気持ちはわかる!私の父も山賊だった」
え?なるほどね。やたら山賊の肩を持つわけだ。
「テメェなんかに俺の気持ちわかるか!俺はなぁ!いや、今は関係ない!おめえら何をボサッとしてる!早くこいつらを殺せ!」
私が杖を出した。メイも槍と召喚獣を出した。
「待って、話し合おう!」
「アシュリー、力の差見せ付けなければこっちの話聞いて貰えないことくらいわかるでしょ!」
「…ちっ」
結局、メイの召喚獣だけで山賊を全員を無力化した。あの村の戦いの方が厳しかった。圧倒的な力の差がある場合、数が多い方が厄介だから。
「ば…化け物めが!お前らと分かり合えるか!」
「心外だな。私達はただの人間だ。魔物との戦いで簡単に死ぬのよ」
「お前らのせいで!」
「私達何かしたのか?」
「お前らさえいなければ!」
「だから私達が何をしたと言うのだ!」
「俺から話そう」
「黙れ!冒険者と話すことなどない!」
「話しやがれ!テメェらの討伐依頼出てるんだぞ!分かっているのか!事情を話してくれたらこっちだって…」
「殺せばいいだろう!」
「親分!」
「メイ、召喚獣で取り押さえろ!」
「命令するな」
と言う割にちゃんと召喚獣に命令するメイであった。
「わけがあったら早く話せ!」
「この世界、不公平と思わないか」
「は?」
「だってそうだろう!金持ちしか学校に行けないし」
「それは、まあ、このご時世だし」
「俺達はなぁ、親のない人や、親が働かない人が殆どだ。ドブネズミのようなもんだ。俺達はね、真面目に働きたくても働いてもらえないんだよ!金も知識もコネもない俺達は体でしか取り柄がないんだ!けどなぁ!お前らみたいな化け物がいるから俺達は完全に要らなくなったんだ!俺達はどうやって生きるんってんだ?親分はなぁ!ゴミ箱を漁って生きてた。あそこにいる歯と爪のないクズ達はなぁ、昔親分を…」
「でめぇこの野郎っ!これ以上何を言ったらブッ殺すぞ!」
「これ以上いわなくていい!よく分かった!」
えー?何かされたのか?気になる…。
「で、お前達、誰が何人殺した?奪った金は?」
「親分の命令でみんなで何人を殺した。物資は奪えるから金は使ってないんだ」
「…」
親分は何も言わないのね。覚悟できてるってことかな。
「金は使ってないし、人は殺しているが全員死刑にはならないとは思う」
「俺達捕まえるのか?いやだよこんなの!俺達はただ俺達をナメてたあいつらを見返したいだけなのに!」




