第45話 前 心配
ケイリは先から左手で食べてるけど、全然食べてない。
「え、な、なんでもない。部屋に帰る」
「ケイリ、まだ何も食べてないじゃないか」
僕を無視してケイリは足早く部屋に戻った。
ケイリ、何かを隠してる。何かを…。ケイリは遊び気分で左手で食事したりしない。それに、あの態度…。何らかの原因で右手が動かなくなった。右手が使えないと仮定して、いつからだ…? ケイリはあの子供のナイフを魔法の弓で撃ち落とした。魔法の弓は両手でしか使えないはず。やはり聖剣の呪いを解いたあとか。聖剣の呪いを右手に移したとか?とりあえずケイリに確かめてみよう。
「ケイリ、ちょっといいか」
ケイリの部屋をノックしてみたが…。
「カイル兄さん、ごめんなさい。今日はもう疲れた」
「そうか、じゃあゆっくり休もう」
間違いない!ケイリは僕を避けてる!右手が使えないのは確実だ。やはり聖剣の呪いと関係あるのか?一時的なものではなさそうだ。もし一時的なものだとしたらケイリは心配しないてって言うはずだ。何故だ…?何故僕に相談してくれなかった。…でも相談してどうする…。僕はケイリを止めたのか…。ケイリの右手と僕達の自由加えて村人の安穏の生活を天秤にかけるのか…。結局ケイリの右手を犠牲することになる…。僕はただの人間、無力な人間しかないのだ…。
ケイリ、せめて現状を教えてくれよ…これ以上心配させるな…。
「ケイリ、おはよう」
「カイル兄さん…」
「ケイリと話したいことがある」
「ごめんなさい、今日も疲れてるの」
「ケイリっ!ちゃんと話してくれ!ケイリのこと…心配なんだぁ…」
「カイル兄さん…私…。カイル兄さんは、話しなくていいって、言ったのに…」
「ちょ、ケイリ」
話しなくていい? 僕がいつそんなことを?
『召喚獣のこと、僕に話しなくていい、だが、話したいならいつでも聞くから』
そっか、ケイリと冒険者になる前に…。待って、召喚獣?ひょっとして、ケイリは召喚獣で呪いを消した。その結果として右手が使えなくなった。もしかして召喚獣を召喚すると体がどんどん動かなくなるとか…?だからずっと召喚獣のことを教えてくれなかったか。でもあくまでも僕の推論だ。そうと決まったわけじゃない!ケイリの口から聞かなければ…。
どうして相談してくれないのだ。僕じゃ信用出来ないのか?ケイリ…。




