第43話 後 覚悟
「そういうことだ、勇者様」
「子供まで」
「そう、子供までだ。我々は呪いを解けるなら何を犠牲にしても惜しまないのだ」
イカれてる。カイル兄さんはなんのために血を流したの…?私の髪はなんのために…。
「カイル、もう行こう。このまま放っておけば10年後また人が殺される!それも大切な仲間の手によってな。その仲間も仲間を手にかける思いをすることになる」
「カイル、辛いのはわかる。けど、覚悟は出来てたはずだ、村人が何をしても立ち止まらないと。違うか?」
「そうだ、な。みんな、行こう」
その子供、本当に自殺したりしないよね…。
「それが勇者様の選択か。なら仕方あるまい。やれ!」
「おい、やめろ!」
赤い!赤いの吹き出した!
「なんてことを!お前、子供死なせるのか!それでも村長かっ!」
「ええ!当然であろう!村を守るためだ。それに、彼を殺したのは私ではなくて、勇者様なんだ」
「そんな屁理屈…」
また子供が出てきた…。
「さて、勇者様、もう一人死なせたい?」
「く…」
「「…」」
カイル兄さん…。流石にメイもメアリーも何も言えなかった…。
「どけっ!」
「アシュリー?」
「誰が傷口を塞いて!ボッサとしてんじゃねぇ!」
「今だ!この女を取り押さえろ!」
「ちょっと、何しやがる!このクズ野郎!離しやがれ!子供を死なせたいのか!」
「勇者様、今度の人質は無視出来ないぞ!お仲間がどうなってもいいのか!」
「離せ!手遅れる前に!」
「さぁ、勇者様、武器を捨ててこっちへ来るんだ!」
「無視すんなこの腐れち○こ野郎!」
「なんとでも言え、私とてこの村を救わねばならん…」
「カイル兄さん…」
「さあ、早く!さもないと!」
ぎゃっ!アシュリーさんの首から、血が…。
「わかった」
私が、私がなんとかしないと!
「来たぞ、アシュリーを解放しろ!」
「取り押さえろ!」
どうしよう…。カイル兄さんが!
「離してやれ」
「いいのか」
「ああ、あとあの女も捕らえろ」
え、ちょっ、私?いや、カイル兄さんを助けないと。
「待って!どうしてケイリを?」
「抵抗するなよ、命は保証する」
「わかった…」
「他の人はもう行っていいぞ」
「どういうことだ!ギルドに報告してもいいのか」
「もういいんだ。勇者様と勇者補佐さえいれば10年後も呪いを解ける。勇者が生き残ったのはこれが初めてだかた一時思い付かなかった」
「まさか、僕とケイリをずっと監禁して10年後また…」
「その通りだ」
『我が主人よ、ここは私の出番なのでは?』




