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第42話 前 騎士のプライド

「皆、話したいことがある。僕はここで起きたことをギルドに報告しようと思ってる」

「まあ、それが妥当だと私も思う。でないと十年後また冒険者が騙され、殺されるからな」

「で、ここからが本題なんだけど。僕はこのことを村長に教えるつもりだ」

「どうして?村人に襲われるかもしれないよ」

「村長に黙ってギルドに報告するなんてしたくない」

「理由は?」

「男だからだ」

「呆れた。そんな理由で皆を危険に晒すのか。まあ、良いでしょ」

「私もカイルに賛同するよ」

「ありがとう、メイ、アシュリー」

カイル兄さん…かっこいいな。でも、これで村人の感謝の気持ちが全部憎しみに変わる。私達がここでして来たことも全部無駄になる。

「わざわざ言う必要はないかもしれないが村人が襲って来るだろうけど村人を殺しっちゃ駄目だよ。ここまでして来たことが全部無駄になるから」

「えっ、もう無駄になったじゃ…」

「それは違うよケイリ。考えてることは分かる。けど、僕たちは感謝されたくて呪いを先伸ばしたわけじゃない。村人達を助けたいからだ」

「でも、その村人が敵になるかもしれない」

「仕方ないよ。これは村人達のせいじゃない。それだけ恐ろしい呪いだと言うことだ」

「反対はしないけどカイル、騎士ごっこは程々にね」

「騎士ごっこって…そうだな。ただの自己満足かもしれない。それでも、チクるような真似はどうしてもしたくないんだ」

「騎士様のお心のままに」

「はは、メアリーお前なぁ。じゃあ、いつ戦闘になってもおかしくないからじゃんと備えて」

そして私達は村長の部屋に行った。

「村長、今回のこと、ギルドに報告させてもらう」

「勇者様、何故そのようなことを?」

「そうしないと十年後また冒険者が犠牲になるからだ。十年もあるんだ。きっと他のやり方が思いつけるはずだ」

「正論だ、勇者様。仕方なかろう。そこで、折り入ってお願いがあるのだが」

「聞かせてくれ」

「村を束れるものである私が皆にそのことを宣告したら村長としての立場が危うくなる。勇者様は今村の尊敬を集めている。勇者様の口からだと皆も納得するだろう」

「そういうことなら喜んで引き受けよう」

「じゃあ私が皆を集めるとしよう。勇者様はここで待て」

と、集まったのは村人ではなく、魔法生命体の群れだった。


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